ダビド・ムゼー
© Romina Amato for Wings for Life World Run
ランニング

ダビド・ムゼー:Wings for Life World Runで世界に勇気を与えた元体操選手

脊髄損傷との長年の戦いを経てWings for Life World Run 2019で車いすから立ち上がりスタートラインから360m歩いて世界中に感動を与えたスイス人の偉業を振り返る。
Written by Joe Batchelor
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ダビド・ムゼーの “瞬間”

2019年5月5日。グローバルチャリティランニングイベント【Wings for Life World Run】の開催地のひとつ、スイス・ツークでダビド・ムゼーが世界12万人の参加ランナーと一緒にスタートを切った瞬間は、彼が周りから「君にはできない」と言われていた光景だった。2010年に不慮の事故で脊髄損傷を負ってしまった元体操選手のムゼーは二度と歩くことはできないだろうと診断されていたからだ。

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Wings for Life World Run 2019:ダビド・ムゼー ハイライト

ネバーギブアップ

9年間の厳しいリハビリを続けたあと車いすから立ち上がり、キャッチャーカーに追い抜かれるまでの30分間で390m歩いたムゼーの中には様々な感情が行き来していた。

革新的な治療法研究

ムゼーは、脊髄損傷の治療法発見を支援する非営利団体Wings for Lifeが支援するスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL:École Polytechnique Fédérale de Lausanne)とローザンヌ大学病院の治験に参加した。
彼が受けたSTIMO(Stimulation Movement Overground)と呼ばれる電気刺激治療法は、脊髄と神経系の特定のエリアに電極を当てることで脚の随意運動を指示する脳への信号をブーストするというアプローチが採用されている。

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レガシー

勇気と勇敢さに満ちたムゼーの歩行は、脊髄損傷を抱えるすべての人たちに未来への希望を与えると同時にWings for Life World Runの目標を体現していた。
「世界中の人たちが私に感動を覚え、インスパイアされる様子には興奮を覚えましたね。スタート直後は特に興奮しました。一緒に走っていたみんなが拍手をしてくれたんです。あれには圧倒されました」

Wings for Life World Run 2021

世界中の人たちと走れない人たちのために走るグローバルイベントWings for Life World Runの2021年バージョンは5月9日の開催が予定されている。