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『Dota 2』:OGのDota Pro Circuit 2021シーズンを読む

© Valve Corporation / Red Bull Content Pool
一新された『Dota 2』のプロリーグ “Dota Pro Circuit” が2021年1月からスタートする。The International 3連覇を目指すワールドチャンピオンの新シーズンを予想する。
Written by Tom Cockram公開日:
2020年の『Dota 2』ファンは、2011年以来初めてシーズンフィナーレのThe Internationalを楽しむことができなかった。また、9月末に開幕する予定だったDota Pro Circuitもずれ込み、ファンはさらに3ヶ月待たなければならなくなった。しかし、2021年1月18日、Dota Pro Circuitが新しい地域リーグとともに遂に開幕を迎える。
2021年1月頭、ValveはDota Pro Circuitにいくつかの変更を加えることを発表し、マイナーリーグが削除され地域リーグ(リージョナルリーグ)が追加されることになった。シーズンは3つのサブシーズンに分割され、各8チームのアッパーディビジョン(1部相当)ローワーディビジョン(2部相当)に振り分けられた6つの地域リーグが用意される。
ヨーロッパCIS(独立国家共同体)中国SEA(東南アジア)NA(北米)SA(南米)で構成される6つの地域リーグの目的は『Dota 2』シーンの安定化と深化で、各リーグには過去最大となる合計16チームが組み込まれる。尚、プロチームが対戦スケジュールに沿って定期的にプレイすることで各プロチームとスポンサーがプランを立てやすくなるというメリットもある。
現ワールドチャンピオンで、The International連覇を達成している唯一のチームでもあるOGは開幕ダッシュを狙うだろう。OGがValve主催のイベントに参加するのは久々のような気がするが、自信と共に万全の状態で新シーズンに臨むはずだ。

新シーズン・新ロースター

OGがロースターを変更するのは珍しいことではないが、2020シーズンは大半を現ロースター(Yeik “MidOne” Nai ZhengMartin “Saksa” Sazdovは2020年1月加入)のまま戦った。
MidOneは、Team Secret時代のThe International 9でチーム過去最高となる4位フィニッシュをマークするなどいくつかの成功をすでに収めており、Saksaも2016シーズンにDigital ChaosのロースターとしてThe International 6のグランドファイナル進出を経験している(結果はWings Gamingに敗れて準優勝)。両プレイヤー共にThe Internationalを制覇した経験はないが、それぞれのロールでワールドクラスのひとりに数えられている。
この2人に、Topias “Topson” Taavitsainen(The International勝率100%)、軍師役を担うSébastien “Ceb” Debs、不動のキャプテンJohan “N0tail” Sundsteinを含むOGレギュラーたちを加えれば、ソリッドなロースターが完成する。
最近のインタビューで、Cebは新規加入した2人が素晴らしいチームメイトであることと、ゲームを熟知している彼らから色々と学んでいることを明かしていた。新シーズンに向けて新パッチがリリースされたことを踏まえると、2人はOGに大きなアドバンテージをもたらすことになるだろう。

新パッチ

先日、Valveは『Dota 2』の新パッチをリリースし、メタを大きく変えると同時に新しいアイテムや新しいヒーローアビリティ、新しい購入アイテム “Aghanim’s Shard” を追加した。
このような変更が加えられた結果、プロチームはトレーニングの時間を延ばし、パッチを細かく分析して、最強のヒーローの性能と立ち回りを学ばなければならなくなっている。通常、これらの大半は実装直後に理解できるが、今回の新パッチはスケールが大きいため、完全に把握するまでは数ヶ月かかるはずだ。
しかし、OGは既存のアイディアを捨て、独自の理論で新しいアイディアを生み出すことに長けている。そのひとつの例が、彼らがThe International 9で起用した “IOキャリー” だ。これはトーナメント最強ピックのひとつとなり、OGはファウンテン・ファームも見せていた。また、ミッドレーナーのTopsonは他のミッドレーナーがまずピックしない《Ancient Apparition》をはじめとする多種多様なヒーローをピックできることで知られている。
新パッチがOGの独自の理論を編み出せる能力と多種多様なヒーローを扱える能力をさらに引き出し、ライバルチームより先にメタを理解する助けになる可能性は十分に考えられる。
OGはTI3連覇を目指す
OGはTI3連覇を目指す

Dota Pro Circuit

OGはValve主催のビッグイベントで強さを発揮するチームとして知られてきた。
この傾向が初めて確認されたのは、2015シーズンに開催された初のValve主催イベント、Frankfurt Majorだった。当時のOGはまだ新チームで、世間は彼らの活躍を予想していなかった。そして実際、その予想は正しいように思えた。なぜなら、グループステージの彼らは全敗でこのトーナメントを終えることになるTeam Unknownから1勝を挙げるのが精一杯だったからだ。
しかし、ここから先のOGは完全な別チームだった。ロウワーブラケットから素晴らしい勝ち上がりを見せた彼らはグランドファイナルへ進出し、Team Secretを3-1で下して優勝した。
また、OGのThe International初優勝時も同じだった。直前にロースターが大きく変わったため、OGの優勝はまずないと見られていた。彼らを最下位候補に挙げるアナリストもいるくらいだった。現在、彼らをその位置に置く人はいないが、Valve主催のイベントでOGに何かしらのマジックが発生するのは確かだ。そのマジックの源が何なのかは分からないが、OGが同じくValve主催のDota Pro Circuitで活躍する可能性は大きい。

The International 10への道

1年に及ぶ中断期間を経て、The International 10への戦いが再開する。OGは2020年を通じてそのための準備を重ねてきた。何しろ、彼らはタイトルを防衛し、史上初の3連覇を達成しなければならないのだ。
多くのプレイヤーにとって、2020シーズンの『Dota 2』は完全停止していたようなものだった。Valve主催の公式イベントはひとつも開催されず、The Internationalも延期になった。そのため、1月からスタートするDota Pro Circuitは『Dota 2』シーンを再活性化させると同時に、Valveが何年も前から構想していた地域リーグをファンがようやく目にするチャンスを与えることになる。
Dota Pro Circuit 20211月18日開幕予定(各リーグの詳細スケジュール)。
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