ラグビー

プロラグビー選手の好きなエクササイズ・嫌いなエクササイズ

Written by Jennifer Bozon
プレミアシップラグビーのエクセター・チーフスで活躍するトップ選手3人がジムで取り組んでいるエクササイズについて教えてくれた!
ルーク・カウワン=ディッキー
ルーク・カウワン=ディッキー
筋力と体力の向上に関しては、ラグビー・ユニオンに所属するプロラグビー選手はベストアドバイザーのひとりと言えるだろう。
スピードとクラッシュが詰まっている長時間の試合を乗り越えるためには、常人には考えられないレベルのパワーと回復力、そして強烈な筋肉が必要になる。
そのため、プレミアシップのトップチーム、エクセター・チーフスも、先日、所属選手のフィジカルコンディションをベストに保つためにスポーツ科学センターをクラブ内に新設している。
そこで今回は、チーフスのスター選手3人、ジャック・ノーウェルルーク・カウワン=ディッキーサム・シモンズに、ラグビーの試合に役立つエクササイズ(と嫌いなエクササイズ)について教えてもらった。

サム・シモンズ:リバース・トロージャン / ベンチプレス / トレッドミルインターバル

サム・シモンズ
サム・シモンズ
フランカーだけではなくNo.8もこなせるイングランド代表バックローのサム・シモンズは、スクワットをトレーニングに取り入れていない。
本人は「スクワットは嫌いですね。背中を痛めてしまうんです」と説明し、次のように続ける。
「僕はリバース・トロージャンというエクササイズを取り入れています。タイヤ引きの逆と呼べるエクササイズで、腰にロープを付けてソリのような重りを下がりながら引くんです。大腿四頭筋を鍛えるのに良いですが、かなりキツいですよ」
「クラブ内に10mコースがあるので、そこで4セットこなしています。かなりハードですし、しっかりと休む必要があります。両脚に乳酸が溜まるのが分かります」
「下半身のトレーニングは好きですが、上半身のトレーニングの方が簡単ですね。下半身のトレーニングが組まれている日はチーム全員が嫌っています(笑)」
「ですが、ラグビー選手には必要ですので、下半身系は数多く取り入れていますね。下半身に持久力をつける必要があります」
では、シモンズが一番好きなエクササイズは何なのだろうか? それは上半身系エクササイズだ。
「ジムワークに限って言えば、ベンチプレスショルダープレスが好きですね。上腕二頭筋や胸筋を鍛えられます。ビーチ向きと言いますか。チーム全員がこのタイプのエクササイズを好んでいますよ」
下半身のトレーニングが組まれている日はチーム全員が嫌っています(笑)
サム・シモンズ
しかし、シモンズがこの夏のオフシーズンに取り組んでいた心肺系エクササイズは、意外なチョイスだった。バーピーとトレッドミルダッシュを組み合わせたインターバルトレーニングに取り組んでいたのだ。
「トレッドミルを使って、ウォームアップから快適に走れるスピードまで徐々に上げていきます。トップスピードの手前くらいまでですね。そのスピードで90秒走ったあと、トレッドミルから飛び降りて、バーピーを5セットこなし、90秒休みます」
「それからまたトレッドミルに戻って同じようにトップスピードの手前のスピードで90秒走って、バーピー4セットをこなし、90秒休みます。これをバーピー1セットになるまで続けてから、次にバーピー5セットまで増やしていきます」
「相当キツいですよ。ウォームアップを含めて全部で20分くらいですね」

ルーク・カウワン=ディッキー:ベンチプレス / ランニング

ルーク・カウワン=ディッキー
ルーク・カウワン=ディッキー
シモンズと同じく、ルーク・カウワン=ディッキーもベンチプレスを好んでいる。イングランド代表経験を持つフッカーとして活躍中のカウワン=ディッキーは次のように語っている。
「チーム全員がベンチプレスのファンですよ。最も簡単なエクササイズのひとつですからね。ベンチプレスは比較的若い頃から興味を持つエクササイズのひとつですし、正直に言えば、チーフスに加入した時も、選手間で最もポピュラーなエクササイズでした」
しかし、カウワン=ディッキーは、筋力アップを目指しているアマチュアのラグビー選手や一般的なジムファンなら全身を鍛えられるエクササイズに取り組むべきだとアドバイスを送っている。
「週に数回ジムに通うレベルなら、全身を鍛えるエクササイズを中心にこなすべきですね。ハイクリーンパワークリーンハンドクリーンバックスクワットなどが良いと思います。複数の筋肉に刺激を与えることができます」
スクワットも良いと思いますよ。僕はあまりしませんが。スクワットは大腿四頭筋を鍛えるエクササイズと思うかもしれませんが、実は全身に効果があるエクササイズです」
また、カウワン=ディッキーはランニングを楽しいと思っておらず、特に「何も考えずにひたすら走る」のは大嫌いだとしているが、心肺系エクササイズの一環として積極的に取り組んでいる。
「クラブでは色々なゲームと組み合わせてランニングを行っています。かなり楽しいですよ。また、課題として捉えて積極的に取り組んでいます」
「ですが、基本的にランニングは好きではありませんし、“義務でこなしている” エクササイズです。個人的には、ランニングは最も置き換えるのが簡単なエクササイズだと思っています」
「たとえば、バイクのロングランに置き換えることもできます。僕に言わせれば、ランニングは他のトレーニングより置き換えやすいエクササイズですね」

ジャック・ノーウェル:スクワット / スイミング

ジャック・ノーウェル
ジャック・ノーウェル
イングランド代表ウイングとしても活躍するジャック・ノーウェルの筋力とコンディショニングのエクササイズの好みは他とは異なる。
ノーウェルは、たとえ他のチームメイトから「ウソつけ!」とツッコミを入れられても、下半身のトレーニングが組まれている日が一番好きだとしている。
「チームメイトの多くは、僕が好きなのは上半身のエクササイズだってツッコミを入れるだろうね。でも、本当は下半身のエクササイズが好きなんだ。他のエクササイズとは少し異なる、ユニークな面白さがある」
脚は鍛えるのが一番難しい部位だから、誰もがトレーニングを嫌がっている。でも、僕はスプリットスクワットが大好きだ。自分を変人だと思うよ
ジャック・ノーウェル
「僕は膝の怪我に悩まされてきたから、脚力を鍛えるウエイト系に取り組んできたんだ。スプリットスクワットフロントスクワットレッグプレスなどを大量にこなしてきた。だから、楽しいと思えるようになったんだ」
「脚は鍛えるのが一番難しい部位だから、誰もがトレーニングを嫌がっている。でも、僕はスプリットスクワットが大好きなんだ。まぁ、変わってるよね。自分を変人だと思うよ」
また、ノーウェルは、オフシーズンの心肺系エクササイズについては、ランニングよりもスイミングの方が好みだとしている。
「スイミングは大好きだ。結構な距離をこなしているよ。子供の頃からよく泳いでいたし、キツいと思ったことはないね」