強烈なバンク角を誇るザントフォールト
© Getty Images/Red Bull Content Pool
Motoring

F1カレンダーで最も○○なコーナー 10選

F1トリビア! 世界各地のサーキットの中から、スピード・身体的負荷・難度・歴史など様々な視点における “世界で一番” な名コーナー群をまとめて紹介!
Written by Paul Keith
読み終わるまで:10分Updated on
圧倒的なスピード、またはレース展開を変えるオーバーテイクのチャンスなど、すべてのレースファンが “スリリングなコーナー” についてそれぞれ独自の意見を持っている。しかし、たとえ経験豊富なF1ドライバーにも恐怖、または少なくとも大きな苛立ちを覚えさせるコーナーが確かに存在する。
ここでは、世界最高のドライバーたちをレーシングスーツの中で色々な意味で身震いさせている名コーナーの数々を見ていこう。
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最も "見応えのある" コーナー

ターン1 / サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(米国)

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのターン1では複数のラインが選べる

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのターン1では複数のラインが選べる

© Getty Images/Red Bull Content Pool

アイコニックなF1コーナー群を参考にしたセクションが集まっているサーキット・オブ・ジ・アメリカズはサーキットデザインの “グレイテスト・ヒッツ” だ。しかし、テキサス州にあるこの素晴らしいサーキットは、独自の個性を放つ名コーナーも擁する。それが、地元の人々から “ビッグレッド” として親しまれているターン1だ。
マシン群はメインストレートを疾走し、丘を駆け上がってサーキット最高標高地点に到達したあと、左コーナーのエイペックスを目掛けて鋭くターンインする。他の大半のサーキットと異なり、ここではオーバーテイクに繋がるアプローチラインが複数存在する。
また、サーキット・オブ・ジ・アメリカズは最もファンフレンドリーなサーキットのひとつで、観客たちはグランドスタンドからレースの興奮を味わいつつ、グランプリ後はテイラー・スウィフトのコンサートを楽しむこともできる。
ダニエル・リカルドのコメント:
「カレンダーの中でもベストサーキットのひとつだ。オーバーテイクできる場所が4カ所もある。オーバーテイクする場所をひとつ見つけるのにも苦労するサーキットもあるけれど、ここにはコーナーやエイペックスの形状が異なる4カ所のオーバーテイクチャンスがあるし、サーキット全体がバトルする気持ちを駆り立てる最高の雰囲気を作り出している」
02

最も "アイコニックな" コーナー

オー・ルージュ / スパ・フランコルシャン(ベルギー)

ラディオンの丘の上から望むオー・ルージュの威容

ラディオンの丘の上から望むオー・ルージュの威容

© Getty Images/Red Bull Content Pool

モナコは豪華絢爛と格式のサーキットだが、スパ・フランコルシャンはレーシングドライバーの総合力を問う究極の修練場であり続けている。この広大なサーキットではプーオンやブランシモンも名コーナーとして挙げることができるが、代表的なコーナーといえばオー・ルージュ / ラディオンだ。
マシン群はメインストレートを抜け、ラ・ソースのヘアピンを回り、サーキットの最低標高地点となるオー・ルージュに向けて駆け下ったあと、急坂を登りながら左に曲がっていくラディオンでエイペックスを見極め、ケメル・ストレートへ向かっていく。
ベルギーはマックス・フェルスタッペンにとってのホームレースであり、彼はこのサーキットが大のお気に入りだ。「オー・ルージュは驚異的なコーナーだ。最近のF1マシンだと楽に全開で行けるけれど、抜けるときに感じるコンプレッション(圧)は強烈だ。間違いなく、シーズン中で最もお気に入りのコーナーのひとつだ」
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最も "難しい" コーナー

ターン11 / バーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン)

Sebastian Vettel driving during day four of 2014 Formula One Winter Testing at the Bahrain International Circuit in Bahrain

中東初のF1開催サーキットとなったバーレーン

© Getty Images / Red Bull Content Pool

天候が安定していることから、バーレーンはF1テストの定番ベニューとなっており、たびたびシーズン開幕戦の舞台にも選ばれているが、F1ドライバーに馴染みがあるサーキットであるにもかかわらず、依然として予測不可能となる場合もある。そして、この左コーナー以上にその性質を象徴する場所はない。
低地のバーレーンでは強い横風が吹き、マシンをレーシングラインの外側に追いやる。また、路面のグリップは高いものの、湿度の高い砂漠の大気ではダウンフォースが低下する上、このターン11はDRSゾーンの終端に位置しており、空力の扱いに一層厄介な要素を加えている。
ターン11に良い形で進入できれば、コーナー全体でスロットルを踏み込んで最終セクションに向けて加速できる。
しかし、DRSセクションの終端にあるこのコーナーは絶好のオーバーテイクポイントでもあり、ブレーキングを遅らせたドライバーはポジションを上げられる可能性がある一方、コーナー進入のバランスを崩せば簡単にポジションを失ってしまう可能性もある。
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最も "Gフォースが大きい" コーナー

130R / 鈴鹿サーキット(日本)

どのドライバーにとってもシーズン最難関コーナーのひとつとなる鈴鹿130R

どのドライバーにとってもシーズン最難関コーナーのひとつとなる鈴鹿130R

© Getty Images/Red Bull Content Pool

F1最難関サーキットのひとつとされる鈴鹿の名物コーナーで、レース系ビデオゲームでもお馴染みなのが130Rだ。半径130mにちなんで名付けられているこのダブルエイペックスコーナーは世界最速かつ最恐のひとつだ。
ドライバーはスプーンカーブを立ち上がり、長いバックストレートを駆け抜け、ほぼスロットル全開で130Rに飛び込む。のちほど紹介するパラボリカ(モンツァ)と並び、F1カレンダー最速コーナーのひとつであり、勇敢なドライバーは見返りが得られる。
2025シーズンの日本GPで、マックス・フェルスタッペンはコースレコードを更新してポールポジションを獲得。その後の決勝でも会心の勝利を挙げた。鈴鹿でパーフェクトラップをものにする感覚についてレポーターから尋ねられたマックスは、次のように答えた。「もしあなたがこのマシンをドライブしてみたいのなら、試させてあげるよ。ただし、きっと漏らしてしまうと思うけどね!」
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最も "攻め甲斐のある" コーナー

マゴッツ〜べケッツ / シルバーストン(英国)

素早い切り返しでマゴッツ〜ベケッツを流れるように駆け抜ける

素早い切り返しでマゴッツ〜ベケッツを流れるように駆け抜ける

© Getty Images/Red Bull Content Pool

マゴッツ / べケッツは最も要求度が高くてテクニカルな複合コーナーとして広く知られているが、シルバーストンは極めて高速で流れるようなサーキットのため、単独セクションに切り分けて説明することは困難だ。
もうひとつ前のコーナーまで遡り、コプス〜マゴッツ〜べケッツをまとめてひとつのセクションとして説明する方が良いかもしれない。この複合コーナーの入り口は大きな弧を描くコプスコーナーの次に構えている。
進入を上手くまとめれば、マシンは高速の右・高速の左と続くコーナーを這うように抜け、2回ダウンシフトして出口にあるもうひとつの高速の右コーナーに飛び込む。このセクションはほとんど全開で、ドライバーの首に相当な負荷がかかる。
立ち上がりからチャペルカーブまで直進し、ハンガーストレートへ続いていく。そのため、コプス〜マゴッツ〜べケッツ〜チャペルはまったく息をつく暇を与えないセクションとなっている。
ジョリオン・パーマー(元F1ドライバー / 現TV解説者)のコメント:
「スロットルを踏みっぱなしなので、現代のマゴッツとべケッツは実質的にひとつのコーナーと言えます。最後のコーナーは全開では抜けられませんが、出口に向けて適切なラインを取るためにここで妥協するのもアリですね」
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最も "身体への負荷が大きい" コーナー

カンプサ / カタロニア・サーキット(スペイン)

カタロニア・サーキットのカンプサ・コーナーはドライバーの度胸を試す

カタロニア・サーキットのカンプサ・コーナーはドライバーの度胸を試す

© Getty Images/Red Bull Content Pool

このジェットコースターのような6速全開の右コーナーは強烈なトルクに感覚遮断を組み合わしている。カンプサは完全なブラインドとなるエントリーから始まったあと、急峻な登り坂のセクションから急な下り坂の出口へと切り替わるため、ドライバーたちは立ち上がりのラインを見誤って人工芝のランオフエリアに飛び出してしまいがちだ。
マーク・ウェバー(2010シーズン スペインGP優勝)のコメント:
「Gフォースで自分の身体が押し潰されるような感覚になる。高速コーナーを旋回するときは、横方向にGフォースがかかるので、あばらや腰、首がシートの縁まで押し付けられる。Gフォースは最初ゆっくりとかかり、コーナー中央で最大になるが、ブレーキペダルを踏めば、Gフォースが急上昇・急降下する。あの感覚は完全に別物だ。思いきりハードにブレーキを踏めば、Gフォースは極限まで高くなるけれど、一瞬で抜ける」
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最も "景観が美しい" コーナー

ターン3 / レッドブル・リンク(オーストリア)

レッドブル・リンクの丘の上から望む絶景

レッドブル・リンクの丘の上から望む絶景

© Getty Images/Red Bull Content Pool

ファンからの支持も厚いレッドブル・リンクは、松の木が繁り、キャンプサイトが点在する山腹に建設されている。このサーキットからは、遥か眼下にホストタウンであるシュピールベルクの平原を一望できる。
ドライバーたちはメインストレートを抜けて右に鋭くターンインし、このサーキットの最高標高地点のターン3に続く丘陵で加速していく。ターン3を立ち上がるとDRSが使用可能になり、山を駆け下りてメインストレートに戻るテクニカルセクションの前にオーバーテイクできるチャンスが生まれる。
カメラを持ち込むなら、ターン3は山並みと起伏のあるスティリアのカントリーサイドをバックにしたセルフィーに最適だ。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・リンク通算5勝)のコメント:
「オーストリアGPは常に特別なレースだ。言うまでもなくここはレッドブルの地元なので、オーストリアのファンからの応援が多い。オランダからのファンもね」
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最も "通過スピードが高い" コーナー

ターン21&22 / ジェッダ・コーニッシュ・サーキット(サウジアラビア)

F1最速の市街地サーキットであるジェッダ

F1最速の市街地サーキットであるジェッダ

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ここでようやくシケインを紹介する。普段ならシケインは見応えがあり、ドライバーにとっても楽しいものだが、ここで紹介するシケインは “F1最恐” で、カレンダー最速市街地サーキットの最高難度セクションだ。
ジェッダ・コーニッシュ・サーキットターン21はエントリーがブラインドとなる左コーナー。6速で進入すると左側にはウォールが迫り、素早い切り返しで右にステアする。このサーキットがF1に初登場した2021シーズン、シャルル・ルクレールとミック・シューマッハは揃ってこのシケインの餌食となった。
2023シーズンには進入スピードを落としつつコースを広げるための改修が行われたが、今も世界最高のドライバーたちにとっても厳しい試練であり続けている。
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最も "バンク角が大きい" コーナー

フーゲンホルツボフト / ザントフォールト(オランダ)

強烈なバンク角を誇るザントフォールト

強烈なバンク角を誇るザントフォールト

© Getty Images/Red Bull Content Pool

ザントフォールトは強風吹き荒ぶ北海沿岸に位置するタイトでツイスティなサーキットで、マックス・フェルスタッペンファンのオレンジアーミーがグランドスタンドを埋め尽くす。カレンダー中最も過激なこのサーキットの最もクレイジーなコーナーが、高速で左に回り込むフーゲンホルツだ。
フーゲンホルツは18°のバンクを擁しており、出口で合流する前にライバルを出し抜くべく、ワイドなラインを取って外側から進入しても、タイトなラインを取って内側から進入してもよい。
鈴鹿サーキットの設計者としても知られるサーキットデザイナー、ジョン・フーゲンホルツにちなんで名付けられたこのコーナーは、砂浜に建つスタンドの声援を浴びて疾走するマックス・フェルスタッペンの全力ドライビングスタイルに相応しい。オランダメディアのインタビューによると、マックスはいつの日かシェイブラック・コーナーに自分の名前が付けられることを望んでいるという。
マックス・フェルスタッペン(オランダGP通算3勝)のコメント:
「このサーキットは本当に最高だ。ターン3のバンクは特に素晴らしいね。これほど大きなバンクになるとは予想していなかったけれど、ここをF1マシンでドライブするのは本当にクールだ。最終コーナーにもかなり強いバンクがついていて、新しくなったマシンでDRSをオープンにした状態で駆け抜けるのはなかなかチャレンジングであると同時にすごく楽しいよ」
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最も "歴史のある" コーナー

パラボリカ / モンツァ(イタリア)

“スピードの殿堂” と称されるイタリア・モンツァ

“スピードの殿堂” と称されるイタリア・モンツァ

© Getty Images/Red Bull Content Pool

リストの最後を飾るのは、他でもない “スピードの殿堂” の長く大きな弧を描く最終コーナー、パラボリカだ(現在はクルヴァ・アルボレートに改称)。このF1最速サーキットの最終コーナーを制するには、100%のコミットメントと度胸が求められる。
最小限のダウンフォースで不安定なマシン群は、タイヤにグリップを任せながら徐々にスロットルを踏み込んで加速してこの長いコーナーを抜けていく。
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