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『Home Office』:ファビオ・ヴィブマーが自宅でトライアルバイクライド!
外出できないなら自宅でライディングするしかない。大人気YouTuberライダーが “ステイホーム” を最大限活用した最新動画&インタビューをチェック!
『Home Office』は、オーストリア人トライアルバイクライダーのファビオ・ヴィブマーが手がけた最新動画だ。
ロックダウンに飽きてしまったヴィブマーが自宅周辺にトリック用フィーチャーを用意し、慣れ親しんでいる環境を自分専用のバイクパークに変えてしまう様子が確認できるこの動画をチェックしたあとは、このアイディアを思いつくまでの経緯や700回もトライしたトリックについて本人が語ってくれたインタビューを読み進めていこう。
− 『Home Office』のアイディアはどこから?
“ステイホーム” で、とにかく外出できない状況だったから、どうやったら自宅でバイクを乗れるのかを考えた。それで、自分がいつもライディングしている環境を自宅に持ち込んでみることにしたんだ。
アイディアの一部は以前から温めていたものだけど、普段は山や街でライディングしているから、実現するチャンスがなかった。広い家に住めていることをあらためて感謝したよ。ライディングできるスペースが沢山あるし、庭もあるから、大きな助けになった。
自宅でライディングすることを決めたあとは、アイディアをさらに足して、どんなトリックがメイクできるのか確認していった。最初は無理に思えたトリックもあったんだけど、700回以上トライしたらメイクできた。
− 『Home Office』で一番難しかったトリックは? 何回トライしたの?
一番難しかったトリックを決めるのは難しいんだけど、一番時間を取られたのはバスケットボールを使ったトリックだった。リアホイールでバスケットボールを蹴ってバスケットに入れるトリックさ。
最初は絶対に上手くいかないと思っていたんだけど、あとはバスケットに入れるだけってことが分かったから、入るまでひたすら続けたよ。
700回以上トライしたんだけど、バスケットに届かなかったのは3~4回しかなかった。成功する直前のトライがかなり惜しかったんだ。リングに当たったんだけどこぼれてしまった。で、その次のトライが成功したのさ。言うまでもなくメイクできた瞬間は全員で大騒ぎしたよ。
運が味方した部分が大きかったね。地面にボールをぶつけるタイミングと角度がパーフェクトになる必要があったし、正しいスピードも必要だった。あとはもちろん、リアホイールでパーフェクトにヒットしなければならなかった。
1分
Home Office -ダイジェスト-
コロナ禍で外出できない中、ファビオ・ヴィブマーは家の周辺や宅内にちょっとした仕掛けをつくった。遊び心あふれる彼ならではのコンパクトな挑戦を、コンパクトにお届け。
− メイクしたかったのにメイクできなかったトリックはあった?
最初に山ほどアイディアを出して、そこから絞り込んでいったんだ。絞り込んでいなかったら今も撮影が続いていたんじゃないかな。選んだトリックのほぼすべてが上手くいった。あまりにもスムーズに進んだから少し驚いたよ。
トランポリンを使ったトリックのアイディアがひとつあって、あれがメイクできたら最高にクールだったんだけど、ちょっと僕には難しすぎた。
− 屋上からのバックフリップは近所から何か言われなかった?
四方を家に囲まれているんだけど、みんなクールだと思ってくれた。あと、今回の動画には近所のみんなにも参加してもらっているんだ。仲が良いし、クールでナイスな人たちなんだよ。
もちろん、庭でゆっくりしている時に隣家の屋上からバイクが飛び出してバックフリップをすれば驚くと思うけど、撮影中は何のトラブルもなかった。僕たちが少し騒ぎすぎてしまった時もあったんだけどね。
− 少人数での撮影は難しかった?
もちろん、チャレンジだったし、『Wibmer’s Law』や『Urban Freeride Lives 3』のようなビッグプロジェクトと比べると少し勝手が違った。でも、制限があったから逆にチームとしてまとまり、できる限りクリエイティブになろうと努力することができた。
今のチームとは長年一緒に近い距離感で仕事をしてきたから、準備は整っていたし、撮影はいつも楽しめている。長年一緒に過ごしてきた人たちと仕事をする方がリラックスできるんだ。なぜなら、どこに注意すべきなのかを全員が理解できているし、すべてが上手くまとめられているからさ。
僕たち全員が高いプロ意識を持って仕事をしているけれど、親友同士でもある。相性はとても大事だと思う。相性が悪ければプロジェクトは上手く進まない。
− DIYは得意なの? スクリュードライバーは普段から使っているのかな?
昔は小型のランプからフォームピットまで全部自分で作っていたんだ。時間が経つにつれて自分で作る機会が減っていった。でも、ここ数週間はハンネスと一緒に色々作ったよ。ハンネスはDIYが大好きだからね。ハンマー、ノコギリ、スクリュードライバーを使って何かを作るのはとても楽しかった。
− ポジティブな姿勢を保って次々とクールな動画を制作していくためのモチベーションはどこから得ているのかな?
バイクそのものからモチベーションを得ているんだ。僕のドキュメンタリー動画『To The Limit』で僕の考えを説明しているから時間がある人はチェックしてもらいたいね。僕のモチベーションはバイクにある。
不可能だと思っていたトリックがメイクできた時や長時間を費やしてきたプロジェクトが完成した時の喜びが僕のモチベーションになる。この喜びはアスリートにとってかけがえのないものだし、最大のモチベーションなんだ。
もちろん、面白い動画でみんなの気持ちをポジティブにできた時も嬉しいよ。
特に最近はファンからメッセージをもらう機会が増えているんだけど、僕の動画がどれだけポジティブな気持ちを保つ助けになったのかを伝えてくれているメッセージを読むと、これからもエキサイティングなコンテンツを作り続けようっていう気持ちになれる。
− 『Home Office』で伝えたいメッセージは?
何よりも重要なメッセージは、普段とは異なる難しい状況でもクリエイティブ&ポジティブになれるってことさ。今の状況でクールな何かを生み出すためには “クリエイティブ&ポジティブ” が何よりも大事だし、試すチャンスがなかったアイディアを試すには絶好のタイミングだ。
(了)
◆Information
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