トライアルバイク
『Video Game』:ファビオ・ヴィブマーが最新作を公開!
オーストリア人トライアルバイクライダーがリリースしたビデオゲームと現実の境界線を曖昧にする衝撃的なバイクエディットを本人のインタビューと併せてチェック!
クリエイティビティにおいて、オーストリア人トライアルバイクライダーのファビオ・ヴィブマーは境界線を設定していない。
『Home Office』、『Wibmer’s Law』、『Fabiolous Escape』など多様で衝撃的なバイクエディットをいくつも送り出してきたファビオは、2022年11月に最新作『Video Game』をリリースした。この作品もトライアルバイクライダーとしての自分と画面上のアクションの見せ方を革新し続けることができる彼の能力をあらためて示している。
ビデオゲームに対する情熱にインスパイアされたこの最新作で、ファビオはユニークなライディングスタイルに自分が好きなアクションアドベンチャービデオゲームの要素を組み合わせているが、作品内のアクションはすべて現実のもので、CGではない。
今作のファビオはビデオゲームの感覚を持ち込ながら、複数のロケーションを巡っているが、どこでも必ずバイクに乗り、特定のシチュエーションでライディングスキルを披露しなければならないというナラティブが用意されており、ファビオが巨大な崖から海に飛び込むシーンも含まれている。今作ではコートダジュール周辺がロケーションに選ばれているのだ。
下の『Video Game』を視聴してファビオとチームがどのように『Video Game』を制作したのかを学んだあとは、ページ最上部の動画でトリックメイクに注がれた努力を確認しよう。
大半のビデオゲームと同じようにサードパーソン視点で撮影された『Video Game』は、視聴者にファビオを操作して次のステージへ導いているような感覚を与える。また、さらなるゲーミング感覚を与えるために、様々なサウンドトラックやビデオゲームに出てくるようなトランジション、バー、HUDが用意されており、ファビオがゲームキャラクターのように感じられる。
ファビオは次のように振り返っている。「『Video Game』のシーンは他の作品よりも複雑でした。たとえば、ヘリコプター、ボード、崖からのジャンプ、街中でのセット設営などですね。もうひとつのチャレンジは、異なるシーンを繋げてスムーズなリズムと流れを生み出すことでした」
また、ファビオは今作に異なるバイクを3台用意しており、Canyon Stitched CFR FW(トライアル)、Canyon Spectral(エンデューロ)、Canyon Torque(フリーライド)が地形に合わせて使用された。
ファビオをキャッチして、『Video Game』とコンセプト、撮影について話を聞いた。
— 新作『Video Game』にはイノベーティブでシネマティックなアプローチが採用されていますが、ビデオゲーム的要素を盛り込もうと思った理由を教えてください。
以前から、ビデオゲームに影響を受けたアクションをバイクで表現できるかどうか試したいと思っていました。現実では不可能でもビデオゲームのキャラクターならできてしまうようなアクションです。
視聴者が現実では無理だと思ってしまうようなことを僕たちは実際に撮影しましたし、そのすべてがリアルです。僕たちにとってこの作品は自分たちのビジョンでもありチャレンジでもありました。
— あなたとチームにとって最大のチャレンジは何でしたか?
どこから話したら良いのか分かりませんが、実は、怪我からの復帰作になるのでもう少し小さい規模の作品を考えていました。ですが、いざバイクに乗ってみると、自分のベストを尽くしたいと思うようになり、結果的にプロジェクトの規模がどんどん大きく、複雑になっていきました。ヘリコプターのバックフリップから崖からのジャンプまで、すべてを盛り込もうとしたのです。
アーティスティックな側面では、作品としてまとめることが難しかったですね。どのようなルックスにしたいのか、ゲーミング感覚を生み出して、視聴者にプレイしている感覚を与えるためにはどうしたら良いのかなどについて考えなければなりませんでした。
— 今作ではいとも簡単に3種類のバイクを乗りこなしていますね。
今作では求められるスキルが完全に異なる3種類のバイクに乗りましたが、クレイジーでしたね。撮影中に異なる種類のバイクに切り替えるのは簡単ではありませんでしたが、僕の目標はすべてのバイクでハイレベルなライディングを最高の形で披露することです。バイクスポーツとしては今作が一番難しかったですね。
— 今作はどこがユニークなのでしょうか?
まず、完全に異なる3種類のバイクのライディングを1本の映像にまとめていることと、作品から得られるフィーリングとバイブスですね。あとは現実と非現実のバランスです。アイディアを実現する方法を見つけるために自分を乗り越えなければならなかったところもユニークでした。
今作はバイクにまったく興味がなくて自宅でゲーミングをしている方が好きだという人も楽しんでくれるでしょうし、もしかしたらバイクでのトリックメイクに挑戦してくれるかもしれません。
— 撮影を振り返ってみてどうですか?
撮影が完了したときのフィーリングはただただ最高でした。安堵とプライド、緊張、純粋な感情が入り混じっていましたね。一番クールだったのは、そのような感情をチームと共有できたことです。チームは5人だったのですが、ほとんどの時間を一緒に過ごしました。
僕たちは自分の怪我が原因で長い間一緒に活動できていなかったので、今回の撮影は本当に楽しかったですね。長いブランクが空いていましたが、全員が準備を進めていたので、すぐに調子を取り戻せましたし、気温が40℃になる日もあったコートダジュールでも望んでいた結果を得られました。
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