Gwin puts the YT Tues through its paces in SoCal
© The YT Mob
MTB

最速の市販ダウンヒルMTB ベスト5!

納車当日から実戦投入できるほど高性能な市販ダウンヒルMTBをピックアップ!
Written by Ric McLaughlin
読み終わるまで:5分公開日:
MTBダウンヒルは、バイクを構成する各パーツのあらゆる部分にまで強大な負荷がかかる過酷なサイクルスポーツだ。そして、UCI World Cupでしのぎを削るトップメーカーたちは、その過酷な競争で鍛え上げられた技術をそのままフィードバックした高品質な市販バイクを続々と市場に投入している。
レースに初エントリーするまでには多大なコストが必要なので、できるだけ安価なモデルを選んでコストを抑えたいと思うのは常人の性だ。しかし、レースのレベルが上がるほど修理コストがかさみ始めるので、「最初に予算を惜しむべきじゃなかった…」と悔やむことになる可能性も高い。
そこで今回は、UCI World Cupで鍛え上げられたプロ直系の市販ダウンヒルMTBを5台チョイスしてみた。いずれも、納車当日からローカルレースで存分に性能を発揮できるハイクオリティなバイクだ。
(編注:本記事に掲載されているYT Tues CF Proの価格は英国国内での販売価格となっており、日本での販売価格とは異なります。尚、ポンド/円の換算は2016年8月末時点のレートに基づいています)

1. YT Tues CF Pro

YT Tues CF Proはアーロン・グウィンが実戦で使用するバイクと同一仕様

YT Tues CF Proはアーロン・グウィンが実戦で使用するバイクと同一仕様

© YT Mob

UCI World Cupでポイントリーダーの座を保持しているアーロン・グウィンがレースで使用しているバイクは、何を隠そうドイツのオンライン・ブランドYT Industriesが市販しているものと事実上同一のものだ。これだけでも、YT Tuesが持つクオリティの高さが十分に窺い知れるだろう。
市販車のCF Proには即座にアジャストが可能なFox Racing Shoxエア・サスペンションが搭載されているという点を踏まえると、市販車のほうがレース仕様よりもアップグレードされているという見方もできそうだ。尚、レース仕様、市販仕様共に、優れた柔軟性を保証するカーボンファイバー・フレームが使用されている。
販売価格:4,266ポンド(約57万2,000円)
メーカーウェブサイト: YT Industries

2. Trek Session 9.9

Trek Session 9.9

Trek Session 9.9

© Trek

思わず目玉が飛び出してしまうほどの高価な価格設定だが、レースの純血種は決して安価では手に入らないものなのだ。レイチェル・アサートンが実戦で使用しているSession 9.9には、リアトラベル210mmのフルカーボン・フレームが奢られており、2016年8月末現在までにエントリーしたレースでのこのバイクの勝率は実に100%に上る。サイズ設定はミディアムとラージの2種類のみ(日本はS・M・L)なので、購入の前に自分のサイズに合うかどうかは必ず確認しておくべきだ。それにしても、鮮血のような赤色をまとったTrek Factoryダウンヒル仕様のカラーリングは最高にクールだ。
販売価格:1,200,000円
メーカーウェブサイト: Trek

3. Canyon Sender CF 8.0

Canyon Sender CF 8.0

Canyon Sender CF 8.0

© Canyon

言いたいことは分かる ―「CanyonはWorld Cupチームを持っていないだろ?!」― 確かにその通りだが、何を隠そうそのSenderは2度のワールドチャンピオンを誇るファビアン・バレルが何百時間も開発作業に参加したモデルであり、仮にこのモデルが来シーズンのワールドカップに姿を現したとしても我々は決して驚かないだろう。今回リストアップした5台のDHバイクの中では最も安価だが、スペックシートをチェックすると他のバイクに比べてもほとんど見劣りはしない。余った予算でスペアのタイヤと表彰台用の新品ウェアも十分買えるはずだ。プライベーターにとっての切り札となる1台。
販売価格:527,000円
メーカーウェブサイト: Canyon

4. Scott Gambler 710

Scott Gambler 710

Scott Gambler 710

© Scott

Gamblerは、長らくScottのフラッグシップモデルに冠されてきた由緒正しきモデル名だ。最近ではブレンダン・フェアクローの活躍もあって世界的に知られるようになっている。緩やかなフレーム形状を持ち、可変ジオメトリーを採用しているという意味では新世代といえる1台だが、その一方で質実剛健なアロイ素材を採用して信頼性を確保している点は実にオールドスクールでもある。Gstaad-Scottファクトリー・チームによってつい最近まで実戦での開発が重ねられてきた新プラットフォームを使用した次期モデルが間もなく市販化される見込みなので、旧型となる本モデルはいずれオンライン上でセール販売されるかもしれない。
販売価格:798,000円
メーカーウェブサイト: Scott

5. Specialized S-Works Demo 8

Specialized S-Works Demo 8

Specialized S-Works Demo 8

© Specialized

今年初頭のケアンズにおけるUCI World Cupでのロイク・ブルーニの勝利によって、S-Works Demoの驚異的な性能はある種の熱狂を含んだ賞賛を得た。片面タイプとなったシートタワー・アッセンブリー、美しいフルカーボン・フレーム、特別なチューニングが施されたÖhlins製リアショックを搭載した、稀有な美しさを放つ1台だ。もちろん恐ろしいほどの速さを持つバイクであり、臆病で神経質かつ財布の中身が寂しい人には向いていない。初心者は、まずアロイ製フレームを使用したDemo 8 I Alloyを試すほうが賢明だろう。
販売価格:990,000円
メーカーウェブサイト: Specialized