Cassie De Pecol walking the sands of the United Arab Emirates.
© Cassie De Pecol
探検

全世界196カ国を訪問した女性トラベラー

世界最速・女性初の全世界訪問を達成した女性トラベラーが旅の思い出と今後の目標について語った。
Written by Mary Anne Potts
読み終わるまで:6分Published on
2017年2月、バスで国境を越えてイエメンに入った早朝4時、キャシー・デ・ペコル(当時27歳)は全世界196カ国単独訪問の旅を終えた。同時に彼女は、地球上の全主権国家世界最速訪問・女性初訪問という2つのギネス記録を打ち立てた。また、「Expedition 196」と名付けられた1年半強に及ぶこの世界一周の旅は、彼女の大きな目標に光を当てることにもなった。
「旅の良さは世界、文化、人間についての理解が深められることです。そのためには、偏見を取り払い、完全なオープンマインドになることが必要です」とデ・ペコルはコメントしている。

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旅を終えた今、デ・ペコルはドキュメンタリー映像の制作と本の執筆、そしてGoogle ExpeditionsとTEDでの講演に取り組んでいる。全てはサステイナブルな旅と女性による偉業達成という彼女の目標を前進させるためだ。今回は、世界一周の旅から得た素晴らしい体験や教訓を彼女に振り返ってもらった。
Cassie de Pecol on a mountain in Oman a yoga pose.

オマーンにて

© Cassie De Pecol

成長

「旅を始める前はベビーシッターをしていました。どこか自信のない人間でした。ですが、今回の旅によってわたしは今の自分に成長することができました。旅の始めは自己中心的な人間でしたが、旅を終える頃は落ち着いた人間になりました。人生について深い理解を得ることができましたし、世界に対して何かできるはずという大きな希望も得ることができました。訪れた全ての国でそこに住む人たちを理解しようとしました。彼らのストーリーを学ぼうとしたのです。ストーリーは誰もが持っているものです」
Cassie De Pecol at the site in Jordan where Miles Daisher BASE jumped.

ヨルダンのペトラ遺跡

© Cassie De Pecol

計画

「旅のルートはビザ取得の難易度を元に決めていきました。大学生と交流したり、市長や観光庁と会見したりしながら、教育用ドキュメンタリーの撮影もしました。また、植樹をしたり、水のサンプルを集めたりする時もありました。予定は常に変わっていきました」
「自由な時間がある時は、ただシンプルに現地を歩き回りました。できる限り脇道にそれて、現地のリアルな姿を確認しようとしました。たとえば、オマーンはかなり安全な国で、楽しいことも色々あります。ちょっとした脇道に入った時に、女性に招かれてパンとラクダのミルクを一緒に頂くチャンスに恵まれました。わたしはアラビア語を話せませんでしたし、彼女も英語を話せませんでしたが、一緒に座り、お互い笑顔でした。彼女はわたしと一緒の時間をずっと楽しんでいて、わたしが食事をする様子を嬉しそうに眺めていました。このような経験を沢山したことで、わたしは旅と文化の真の魅力に気付けました」

お気に入りの国

「モーリシャスは予備知識がありませんでしたが、到着すると、美しい自然、珊瑚礁と礁湖(しょうこ)の保全要素、人々の優しさと活気に本当に驚かされました。モーリシャスは、付近のセーシェルやモルディブが観光立国として有名なので、ついつい忘れられてしまう存在です」
Cassie De Pecol in a car with a Syrian woman, who revealed that the fear of terrorism is felt by citizens in those nations as well.

シリアの女性と親交を深める

© Cassie De Pecol

未知の世界へ

「周りはシリア、北朝鮮、イラク、スーダンの訪問は心配していましたが、わたしはそこまで心配していませんでした。ソマリアの方が心配でした(セキュリティは最も厳しいものでした)。あとはバスで入国したイエメンも心配でしたね(イエメンの治安は夜間よりも日中、日の出から日没までの時間の方が悪かったです)」
「多くの人に中々理解してもらえないのは、このような国に住む人たちもテロを恐れているという事実です。彼らは西欧諸国のわたしたちと同様にテロの犠牲者なのです。彼らとわたしの間には、テロに対する共通理解と連帯感がありました」
Cassie De Pecol sitting on a building rooftop looking at the view in Iraq.

イラクの広場を見下ろす

© Cassie De Pecol

恐怖

「驚くことに、辛いと感じた瞬間は数えられるほどしかありませんでした。最も辛かったのは、インターネット上のネガティブな意見でした。インターネット上で人間が下劣で偏見に満ちた存在になる姿を確認するのは、最も恐ろしい体験のひとつでしたし、個人的には何よりも辛い体験になりました。ひとり旅でしたし、このようなテクノロジーをリラックスの手段として利用する時もありましたが、最終的にインターネットはわたしのメンタルを右へ左へと振り回す存在になってしまい、新しい土地を訪れても集中できなくなってしまいました。ですので、できる限りインターネットからは遠ざかっていました」

最後の国

(4時間バスで移動して到着した)オマーンとイエメンの国境で、オマーン側の職員にイエメン入国を拒否されました。なぜなら、イエメン入国後にオマーンに戻れる許可を米国大使館経由でオマーン政府に申請していなかったからです。ですので、一度マスカット(オマーンの首都)にある米国大使館に戻り、イエメン入国後にオマーンに戻れる許可を得たあと、わたしはまたイエメン国境を目指しました。そして曲がりくねった道をひたすらバスで進み、午前4時に唯一の欧米人としてイエメンに入国しました。
「いざ入国して、2時間をかけてガイダに到着したあとは、地元の家族と一緒に昼食を取り、遊歩道を散歩し、木曜日の午後を家族と一緒に楽しんでいるイエメンの女性と会話をし、現地のゴマ油の作り方を見学し、チャイも飲みました。一方で、この国は貧困も目立っており、子供たちや家族からお金ではなく “水” を恵んでくれと頼まれました。わたしは1日中ペットボトルを買って彼らに与え続けました。日没前にオマーンに戻りましたが、とても貴重な経験になりました」
Cassie De Pecol holds in the snow in Antarctica.

南極大陸を訪問

© Cassie De Pecol

最高の瞬間

「南極でペンギンに囲まれながら氷山が崩れる様子をボートの上から眺めていた時、またはインターネットや携帯電話から解放されてパオに寝泊まりしながらモンゴルの大自然の中で過ごした1週間のどちらかですね」
As part of her mission for sustainable tourism, Cassie De Pecol planted many trees in different countries during her journey.

ブータンでは植樹に参加

© Cassie De Pecol

女性のひとり旅

「ひとり旅を怖いと思ったことはありません。怖く感じない理由を突き止めようとしましたが、18歳からひとり旅をしているので良く分かりません。ですが、女性は常に注意する必要があります。護身術をいくつか身につけておくことが重要ですね。あとは常に周囲に気を配りましょう。フレンドリーになりすぎないことも重要ですね」

旅の目的

今回の世界記録樹立は、サステイナブルな旅を通じて平和を訴えるという大きなミッションのための資金を獲得する大きな助けになってくれました。今回の旅を通じて、わたしは自分自身に挑みたいと思っていました。自分の予想を上回りたいと思っていました。そして、目標を持つことの重要性、世界を変えることの重要性を若い世代に伝えたいと思っていました。また、戦争によって荒廃した国に対するイメージも変えたいとも思っていました。このような国には嫌悪の目が向けられていますが、住んでいる人たちは善良ですし、安全な国だということを示したかったのです。
「旅の良さは世界、文化、人間についての理解が深められることです。そのためには、偏見を取り払い、完全なオープンマインドになることが必要です。宗教や性別、人種などで外側から判断するのではなく、その地域に密着する形で人と文化を理解できれば、世界はもっと平和になると思います」
Cassie De Pecol speaking at a conference; she met with leaders and influencers in each different country.

サステイナブルな旅行を推進するデ・ペコル

© Cassie De Pecol

次の旅

「休暇で旅行できるとするなら、北極を訪れてホッキョクグマを見たいですね」
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