謎に包まれた気鋭フォトグラファー“#FR2”が、カメラ小僧になって切り取るSUPER GTの世界
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【SUPER GT x #FR2】世界一クールなカメラ小僧、現る!?
謎に包まれた気鋭フォトグラファー“#FR2”が、カメラ小僧になって切り取るSUPER GTの世界。
Written by 中三川大地
読み終わるまで:5分Published on
「写真が好き。でも、やっぱり女の子はもっと好き――」
「となると、それが合体した作業は、究極の趣味になるんじゃない?」
お気に入りのライカを触りながら、その“ウサギ”は笑みを浮かべる。若者に人気を誇る自身の名を冠したファッションブランドの創立者にして、自らもカメラマンとしても活躍するストリートクリエイター、「#FR2」だ(ちなみにその名前はFxxking Rabbitsの略だったりする)。
#FR2
#FR2© Kunihisa Kobayashi
とはいえ、いかに気鋭カメラマンの#FR2であっても、ちょっとでも油断すれば盗撮だ痴漢だと訴えられる世知辛い世の中である。被り物をしたオトコが街ゆく娘を撮りまくっていたら、きっと速攻でアウトだろう。
しかし、胸を張って堂々と「カッコカワイイ娘を撮りまくれる」世界があるという。
それがモータースポーツである。世界各国であらゆるモータースポーツが開催されているが、特に日本のそれはレースクイーンが絶大な存在感を放つ。レースそっちのけでレースクイーンを撮るカメラ小僧が後を絶たないという。
と、聞いたら#FR2は、もう居ても立っても居られない。早速、繰り出したのは日本最高峰モータースポーツであるSUPER GTの第5戦、富士スピードウェイだ。ちなみに、居ても立っても居られなさすぎて、前夜から富士を訪れ近くのネットカフェでしばしの仮眠を取るという気合いをみせつつ、でも、大切なウサギの被り物をすっかり家に置き忘れてきた……というのはホントの話だ。というわけで、今回は、本来なら「謎」扱いであるはずの、ウサギ内部のイシカワ・リョ……じゃなくて、ご本人がそれなりに見えちゃっていることをご了承いただきたい。
#FR2
#FR2© Kunihisa Kobayashi
決勝レース前のピットウォーク中は、そこかしこにカメラマンがいた。マシンを撮るひと、レースクイーンを撮るひと――。それぞれの趣味嗜好を被写体としてシャッターを切っている。
「ウワサには聞いていたけど、レースクイーンの娘を撮影する人たちのエネルギーは想像以上だね」
直射日光に加えて路面からの照り返しもひどく、なによりレースクイーンに群がるひとたちの熱気がすごい。熱中症の注意喚起をするアナウンスが絶えないなかで、滴る汗も気にせず大勢のカメラ小僧たちをかき分け、妖艶なその笑みにシャッターを切る#FR2がいた。自身でプロデュースしたキャップを被り、デザイン性に富んだカメラストラップを腕に巻いて、その一瞬一瞬を切り取る姿はカッコいい。そこには、“カメラ小僧”と括られるようなネガティブなイメージはまったくない。
#FR2
#FR2© Kunihisa Kobayashi
「ザ・レースクイーンって感じだけじゃなくて、アニメとコラボしたコスプレだったり、着物っぽいコスチュームだったりと、衣装にも色々あるんだね。企業がスポンサーをやるんだったら、レースクイーンと衣装にめちゃくちゃ力を入れるべき。こんなにバラエティに富んでいるのって日本だけなんでしょ。ゼッタイ海外からも注目されるよ」
と、人気アパレルブランドをプロデュースする#FR2ならではの視点をポツリとこぼしたりしながらも、彼の好みにドンズバな娘へとひた走っていく。いかに最前線を張るか。これもまた、レースさながらの闘いである。

【#FR2 撮り下ろしレースクイーンギャラリー】

(▼写真を右にスワイプしてください)
でも、#FR2はただレースクイーンを撮りまくっていたわけじゃなかった。お祭り騒ぎのピットウォーク中、張り詰めた空気の中で淡々と作業を進めるピットにも注目していた。
「ピットに入った途端、空気が変わる。これぞプロフェッショナルの仕事場って感じ。真剣な闘いとレースクイーンのお祭り。二面性がぶつかり合うことなく見事に同居しているのがいい。レースクイーンがいることでたくさんのひとが来てくれることをチームの誰もが分かってるし、レースクイーンだってチームがいて初めて大勢の前に立てる」
そう言いながら、闘いを目前に控えたピットとマシンの刹那なシーンを切り取っていく。昔からクルマやバイクが好きで、何台ものスポーツカーやクラシックカーを所有してきた。こういうメカニカルな世界はもともと大好物だ。

【#FR2 撮り下ろしレースギャラリー】

(▼写真を右にスワイプしてください)
PM13:30。決勝が始まる前、マシンがスタート地点に並べられるのを待ってメインストレートが一般に解放される。このグリッドウォークをもって大勢のカメラ小僧がグリッドへとなだれ込み、場の興奮は最高潮に達する。
PM15:30。決勝レースが始まる。グリーンシグナルが点灯するやいなや、総勢45台のマシンが轟音とともに1コーナーに向けて飛び込んでいく。その光景はクルマやレースに興味のないひとでも鳥肌モノだ。
#FR2
#FR2© Kunihisa Kobayashi
#FR2はいつの間にか、ひとつの空間に存在する二面性に惹かれていた。
「やるときゃやるけど、女には弱い――」
このウサギ自身、そんな二面性を持つ世界一スタイリッシュなカメラ小僧だった。
■Profile
#FR2
ファッションブランド「#FR2」のプロデューサー兼、気鋭フォトグラファー。フツウに中身をバラしてしまうと、人気アパレル「Vanquish」など若者に圧倒的な支持を得る数々のブランドを牽引する石川 涼氏がその正体だ。
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#FR2© Kunihisa Kobayashi
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