G2 Esportsはチームの大黒柱を失ったのかもしれないが、彼らがもうひとりのビッグネームを獲得するまでに長い時間はかからなかった。Luka “Perkz” PerkovicのCloud9への移籍を受け、Martin “Rekkles” LarssonがボットレーナーとしてG2 Esportsへ加入することが発表された。
Perkzは『リーグ・オブ・レジェンド』のヨーロッパシーンで史上最高の成功を収めたプレイヤーのため、G2 Esportsは大きな損失を被った形となったが、LECのアイコンという意味では、Rekklesも負けていない。
PerkzとRekklesの移籍は今オフ最大の話題のひとつとなった。PerkzがCloud9へ移籍し、北米でLeague of Legends Championship Series(LCS)を戦うというニュースは、G2 Esportsに大きな風穴を開けたが、このニュースから間もなくして、RekklesがFnaticからG2 Esportsへ移籍することが発表された。Rekklesは過去5シーズンに渡りヨーロッパ最強ADキャリーのひとりに数えられてきたトッププレイヤーであり、G2 Esportsが彼の獲得を迷うことはなかったはずだ。
では、RekklesはG2 Esportsに何を持ち込むのだろうか? 2012シーズンに16歳でプロデビューを飾ったスウェーデン出身のRekklesは、G2 Esportsの現ロースターの誰よりも経験豊かだ。RekklesはFnatic、Copenhagen Wolves、Alliance、Elementsなどを渡り歩いたあと、2015シーズンにFnaticに再加入すると、それ以来、同チームの中心として活躍を続けてきた。
Rekklesはこれまでにヨーロッパタイトルを4回獲得している。これは個人ではPerkzとRasmus “Caps” Wintherに次ぐ回数だ。また、彼はインターナショナルレベルでも活躍しており、Worldsでは、初出場時を除くすべてでクォーターファイナル以上を記録し、セミファイナルも1回記録している。そして、誰もが知っている通り、2018シーズンにはInvictus Gamingに敗れたがグランドファイナル進出も果たした。Rekklesのようにトップレベルで活躍を続けているプレイヤーは多くない。
G2 Esportsはヨーロッパで最もアグレッシブなチームとして評価されているが、キルならRekklesだ。2019シーズンにプロキャリア通算1,500キルを突破したRekklesは、通算2,000キルに向けて順調に数字を伸ばしている。これはすでに圧倒的な記録だが、まだ24歳なのでこの先も伸びることが期待されている。このまま行けば、Rekklesは更新が難しいどころか、未来永劫更新されない可能性さえある大記録を打ち立てることになるだろう。
G2 EsportsはLEC 4連覇を達成しており、そのうち3勝はPerkzがミッドレーナーとして起用された時に記録された。ベテランADキャリーのRekklesが加わったため、2021シーズンはこの記録をさらに伸ばすと見られているが、Rekklesにはさらに大きな目標がある。
すでにヨーロッパ制覇を達成しており、トッププレイヤーとしての評価も手にしている彼にとって、最大の目標は昔から変わらない。G2 Esportsの移籍発表動画でRekklesは「Worlds優勝をチームに約束した。約束は必ず果たす」とコメントしている。
G2 Esportsの他のプレイヤーと同じように、RekklesはWorlds優勝に指をかけた経験を持つ。また、2018シーズンと2019シーズンのWorldsでは、それぞれFnaticとG2がグランドファイナルに進出したが、共に中国チームに敗れている。少なくとも、Rekklesはその悔しさをG2 Esportsのチームメイトたちと共有するはずだ。
G2 Esportsはトッププレイヤーを集めてきたため、“スーパーチーム” と言われる時もあるが、Rekklesの加入はそのイメージを維持することになる。またもトッププレイヤーを手にしたG2は、Worlds 2021で素晴らしい活躍を見せてくれるはずだ。
今後数ヶ月で、Rekklesは非常にまとまっているG2 Esportsのロースターに馴染みながら、2021シーズンのLES Springに向けて調整していくことになるが、Fnatic時代にCapsと2シーズンプレイした経験が役に立つだろう。Capsと同じくFnaticからG2 Esportsへ移籍し、Capsと一緒にLEC優勝を2回経験しているRekklesは、Fnatic時代の名コンビを復活させようとするはずだ。
とはいえ、RekklesがG2 Esportsにフィットできるかどうかは時間をかけて見守る必要がある。G2 Esportsは、ライバルチームに対するトラッシュトークやいじり、自虐的なジョークなどで知られているが、Rekklesはシリアスで情熱的なプレイヤーとして評価されており、カメラの前でも感情をストレートに表現する。また、インタビューは好まず、ソーシャルメディアに割く時間も短い。しかし、それでもRekklesはゲーム内の優れたパフォーマンスによってヨーロッパ最大クラスのファンベースを獲得している。
RekklesがG2 Esportsのチームメイトたちとジョークを共有するのか、それともミステリアスで真面目なイメージを維持するのかはまだ分からないが、ひとつだけ確かなことがある。それは、G2 Esportsがまたも “怖い存在” としてシーズン開幕を迎えるということだ。
ライバルチームも次々とプレイヤーを入れ替えてフレッシュなロースターを組んでいるが、RekklesのG2 Esports加入が今冬のヨーロッパストーブリーグ最大のニュースだ。G2 Esportsは過去数シーズンに渡りヨーロッパを圧倒してきたが、Rekklesの加入によって彼らの強さは維持されるだろう。
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