ガチくん
© Apolline Cornuet / Red Bull Content Pool
eスポーツ

Capcom Cup 2018:ガチくんが優勝!

世界を代表するトッププレイヤー32人がひしめく『ストリートファイターV』のシーズンフィナーレを、レッドブルアスリートが制した!
Written by Virginia Glaze
読み終わるまで:6分Published on
Red Bull Kumite 2017の素晴らしいパフォーマンスで一躍グローバルな格闘ゲームコミュニティ内での知名度を高めたレッドブルアスリートのガチくんが、猛者たちが集うシーズンフィナーレ、Capcom Cup 2018の王者に輝いた。
EVO 2017王者ときどやベテランの板橋ザンギエフなどの強豪たちと対戦しなければならなかったガチくんは厳しい戦いを強いられたが、自信溢れるラシードのプレイと格闘ゲームコミュニティからの声援をバックボーンに次々とチャレンジを乗り越えていった。Capcom Cup 2018のハイライトを振り返っていこう。

日本の格闘ゲームコミュニティの強さ

ガチくんはRed Bull Kumite 2017終了直後に『ストリートファイターV』の経験値とスキルを高めるために広島から上京した。広島時代はオンラインプレイで自己鍛錬に取り組んでいたガチくんだったが、上京後は充実したオフライン環境を活用してスキルを高めていった。
ガチくんは環境の変化について「広島時代もハードワークを重ねていましたが、オンラインが中心でした。東京に移住してからは、ときどさん、ウメさん、ボンさん、マゴさんのようなプロプレイヤーの皆さんが、僕の戦い方を成長させる助けになってくれました。オフラインで一緒に練習するだけではなく、行き詰まった時やアイディアが思いつかない時に相談もさせてもらっています」と語っている。
Capcom Cup 2018のグランドファイナルは、ガチくん vs 板橋ザンギエフとなった。

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Capcom Cup史上初のグランドファイナル日本人対決だったということ、そして、2016年はDu “NuckleDu” Dang(米国)、2017年はSaul “MenaRD” Mana(プエルトリコ)が制してきたこのシーズンフィナーレを今回ガチくんが制したことは、『ストリートファイター』シリーズ日本最強時代の再来を感じさせる。
ガチくんは日本の格闘ゲームコミュニティについて次のように説明している。
「Capcom Cupのようなビッグトーナメントの前はみんなで集まって、グループとして成長しようとしています。去年もそうしていたのですが、個人的にはその効果が感じられませんでした。ですが、今年は自信が得られました。ラシードを上手く使えている感覚がありました。EVO 2018王者のBenjamin “Problem X” Simonや、Victor “Punk” Woodleyなども強いですが、日本人プレイヤーはグループとして強くなろうとしています」

嵐を呼ぶ男

ガチくんのCapcom Cup 2018のトップ8は、同じくレッドブルアスリートのボンちゃんとの対戦から始まった。ラシード使いのガチくんに対し、ボンちゃんは強キャラクターとは言えないナッシュを当ててきたが、ガチくんは “ラストナッシュ” の実力と、ラシードはナッシュに対して分が悪いことをすでに十分理解していた。
「ラシード使いにとって、ナッシュはかなりキツいキャラクターだと思います。分が悪いのは分かっていたので、その分しっかりと準備してきました。ボンさん戦は練習の成果が出たと思います」
ガチくんが乗り越えなければならなかったチャレンジはボンちゃん戦だけではなかった。グランドファイナルは、アビゲイルと共に緊張感と迫力に溢れる対戦を繰り返して会場を盛り上げていた板橋ザンギエフとの対戦になった。
ガチくんは板橋ザンギエフの自信溢れるプレイに飲まれていきなり3-0でリセットされてしまったが、リセット後は立ち直り、逆に板橋ザンギエフを飲むようなプレイを連発した。本人は細かい部分を修正したことが結果に繋がったと振り返っている。
「リセットされるまでは板橋さんが圧倒的に見えたかもしれませんが、僕の中ではどれも接戦でした。全てのラウンドを小さなミスにつけこまれて落としていただけでした」
「勝つために必要なものは全て揃っている、あとは小さなミスを修正するだけだということは分かっていました。そのようなミスがなければリセットされずに勝てたという感覚がありました。この感覚が僕に再び自信を与えてくれました」

その他のハイライト

Capcom Cup 2018の対戦は、リセット後にガチくんが板橋ザンギエフを3-1で破って終わったが、最終日のトップ8は、他にも激しい対戦が数多く繰り広げられ、ホームヒーローのJustin Wongやももちなどが次々と素晴らしいプレイを見せた。
Justin Wongはウィナーズのセミファイナルで藤村に敗れてルーザーズに落ちたあと、板橋ザンギエフを相手に接戦を演じたが、残念ながら3-2で破れた。
尚、ホームプレイヤーの活躍はトップ8以外でも確認できた。SoCal(南カリフォルニア)の人気プレイヤーBryan “Dankadillas” Teranは、最終予選のグランドファイナルでChia-Chen “ZJZ” Tsengと対戦し、その素晴らしいプレイは、SoCalコミュニティとPunk(東京ゲームショウでのZJZのプレイを観たあと、ZJZのスポンサーとなった)の間のステージ前でのチャント合戦を生み出した。
残念ながら、結局、Dankadillasのダルシムとブランカを切り替える戦術は、ZJZのメナトの戦術を上回ることができず、トップ32進出はならなかった。ZJZはゲージを丁寧に管理しながら、クリティカルアーツでのラウンドフィニッシュを連発して流れを引き寄せ、最終予選を突破した。

シーズン4と未来

Capcom Cup 2018は、想定内だった新キャラクター、殺意の波動の化身 “影ナル者” の発表トレーラーで幕を閉じた。『ストリートファイターV』の未来はこの新キャラクターに相応しい盛り上がりを見せているが、Capcom Cup 2018を制したガチくんの未来も明るい。ガチくんは今回の勝利によって、自分が新世代の格闘ゲームプレイヤーたち、特に地元広島のプレイヤーたちのロールモデルになることを願っている。
「プロプレイヤーとして今後も自分のプレイを高めていきたいですが、同時に、僕は東京ではない広島から出てきたプレイヤーなので、環境がそこまで整っていない中でも情熱があれば、僕のようにプレイヤーとして成長してビッグトーナメントで優勝できるということ、上を目指せることを示していきたいですね」
シーズン4がスタートし、世界中のプレイヤーが影ナル者と大型バトルバランス調整の内容を吟味している。新シーズンはまだ始まったばかりで、何が待っているのかは誰も分からないが、Capcom Cup 2018は、日本人プレイヤーが初めて制したCapcom Pro Tourシーズンフィナーレとして永遠に記録に残るだろう。
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