『レディ・プレイヤー1』や『ジュマンジ』だけじゃない! ゲーマーが活躍する映画たち
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ゲーム

『レディ・プレイヤー1』や『ジュマンジ』だけじゃない! ゲーマーが活躍する映画たち

最近、立て続けに劇場公開されている、ゲーマーが主人公のハリウッドムービー。これらを楽しめたらぜひ観ておきたい映画をゲーマー目線で紹介【動画あり】。
Written by 戸塚伎一
読み終わるまで:8分公開日:
テレビゲームのプレイヤーが物語の主人公になれることは、マンガ『ゲームセンターあらし』(著・すがやみつる)が『コロコロコミック』に連載(1979年~1983年)されていた時代から知っていた。
しかし、そのおよそ40年後、ゲーマーを主人公にした『レディ・プレイヤー1』『ジュマンジ』といったハリウッド映画が立て続けに公開されるという未来は予想できなかった。
テレビゲームがそうなるにふさわしい歴史を重ねてきた証拠とも言えるし、ネットワークやVRといったゲームに近しいテクノロジーの水準が高まり、一般生活に浸透しだしたから題材にしやすくなったのだとも言える。
もちろん、ストリーマーやeスポーツのアスリートたちの活躍の影響も少なくないだろう。
いずれにせよ、かつてムービースターにのみ与えられていた"主人公"の特権は、ゲーミングデバイスを介せば──ゲームさえ上手ければ、誰でも享受できる時代になったということだ。
今回は、そんな時代を迎える以前のゲーマーたちの闘争の日々を記録した映画を4編、紹介する。
各時代のゲーマーたちはテレビゲームを介して何と戦い、何を勝ち取ろうとしていたのか……。
否、正確には、一部の人間が熱狂するテレビゲームが各時代の"世間"からどう捉えられていたか……。
そして(観客を驚かせ面白がらせることを第一とする)映画製作者たちはそこから何を見出していたのか、それぞれの作品を通して感じてほしい。

●『ウォー・ゲーム』 (War Games)

公開

配給

監督

1983年/アメリカ

MGM/UA

ジョン・バダム

『ウォー・ゲーム』
『ウォー・ゲーム』
『ウォー・ゲーム』
『ウォー・ゲーム』
【作品概要】
電話回線を介してのコンピュータ通信でいろんなシステムに侵入し、自分に関係あるデータ(学業判定など)を改ざんして喜んでいた高校生が、北米大陸防空総司令部のコンピュータにアクセスし、うっかり世界全面核戦争の引き金を引きそうになる物語。
お目当てのゲーム会社のコンピュータにアタックしていたと思っていたら、実はそれが国家の重要なシステムだった……という展開はなかなか強引だが、インターネットが普及する10年以上前の時代に、"遠くにあるコンピュータがリアルタイムで繋がり、簡単に操作できること"の不思議さと便利さ、そして危険性を見事に描いている。
【ゲーマー的ポイント】
主人公のデビッドは、明らかに犯罪なハッキング行為を"ゲーム"として楽しみつつ、市販のゲームもちゃんと遊びたい、人生是テレビゲームな少年。
いろいろあった末、SF映画お約束(?)の暴走コンピュータの人類滅亡計画を止めることになるのだが、その手並みも実にロジカルでゲーマー的。
「もしゲーム世界と現実世界に根本の違いがないとして、現実世界が手詰まりだとしたら、ゲーム側から現実を変えていってやろう」という姿勢には、腕力や火力でピンチをなんとかする系のヒーローにはない魅力がある。
【2018年時点での視聴難易度】★★☆☆☆
2018年3月にブルーレイディスク版がAmazonDVDコレクションとしてリリースされるなど、視聴環境は充実。

●『ニルヴァーナ』 (Nirvana)

公開

配給

監督

1997年/イタリア・フランス(合作)

K2エンタテインメント(※日本国内)

ガブリエレ・サルヴァトレス

『ニルヴァーナ』
『ニルヴァーナ』
『ニルヴァーナ』
『ニルヴァーナ』
【作品概要】
人気ゲームクリエイター(プログラマー)のジミーは、コンピュータウイルスによって意志を持ったゲームの主人公"ソロ"の願い──「自分と、この虚しい世界を消してほしい」という願いを叶えるため、契約する大手ゲーム会社のサーバーに保管されているデータの消去を試みる旅に出る。
それは、約1年前に去っていった妻の足跡を追う旅路でもあった。
本作のアイデアは、インドに行った時、ガンジス川のほとりでファミコンのゲームを遊んでいる子供たちの姿を見て得たインスピレーションが元になっているとのこと。
人が気づきを経てニルヴァーナ(涅槃)に至るまでの精神的な道のりが、怪しげなサイバーパンク的世界観で描かれている。
【ゲーマー的ポイント】
本作はジミーの視点を中心に進む物語で、実際、開発中のゲームのテストプレイという形でゲームもプレイする。
しかし、誰がよりゲーマーらしいかといえば、自分がゲームキャラと気づき、誰かに殺されたとしても後でまた生き返ることを前提にいろんな行動を自発的にとっていくソロの方だ。
自由のない虚構世界に縛られ続ける虚しさから解放されるため、消えてなくなることを望むソロの心境がわかってしまった時、自分は何をできるだろうか……そんなことを考えさせられる。
【2018年時点での視聴難易度】 ★★★★☆
映像ソフトは1999年に発売されたきり。映像ストリーミングサービスでもあまり見かけない。レンタルショップに運よくあれば。

●『イグジステンズ』(eXistenZ)

公開

配給

監督

1997年/カナダ・イギリス(合作)

ミラマックス/ギャガ(※日本国内)

デヴィッド・クローネンバーグ

『イグジステンズ』
『イグジステンズ』
『イグジステンズ』
『イグジステンズ』
【作品概要】
『ビデオドローム』、『裸のランチ』などの作品でカルト的人気を持つ鬼才・デビッド・クローネンバーグ監督が、VRゲームを題材にしたサスペンスもの。
"ゲームポッド"と呼ばれる有機的構造のゲーム機の先行体験イベントに参加したら、仮想世界のあまりのリアルさに現実と虚構の区別がつかなくなって……といったストーリーが展開する。
もともと現実感覚がグロテスクに溶けていくさまを描くのに定評があるクローネンバーグ作品だからしょうがないといえばしょうがないが、多くの視聴者にとって生理的嫌悪感をもよおす描写が、現実感覚への違和感・非現実に馴染んでしまった狂気として表現されている。
【ゲーマー的ポイント】
ゲームポッドの参加者全員がゲーマーであるともいえるし、現実とゲームの区別がつかなくなるほどのリアリティにどっぷり浸かっているのであれば、それはゲーマーと言えないのではないだろうか?
……などと、考えれば考えるほどわけがわからなくなっていく危うさが、全編に渡って描かれていく。
結局のところ、どこからどこまでがゲームという行為の範疇であるかを決めるのは自分自身であって、その基準を第三者と共有できるほどの説得力をもって提示できる者が、現実世界を動かしていけるのだろう。
【2018年時点での視聴難易度】 ★★★☆☆
2014年にブルーレイディスク版がリリース。カルトな人気を持つ監督の作品ということで、何かと目にする機会はある。

●『GAMER』 (Gamer)

公開

配給

監督

2009年/アメリカ

ライオンズゲート/ショウゲート(※日本国内)

マーク・ネヴェルダイン/ブライアン・テイラー

『GAMER』
『GAMER』
『GAMER』
『GAMER』
【作品概要】
マインドコントロール技術が発達した近未来を舞台にしたSFアクション。
制御用の特殊な細胞を脳に埋め込まれた生身の人間が、バーチャルコミュニティや、本物の武器を使用した戦闘ゲームのアバターとして利用される退廃的なエンターテイメント世界と、そこに熱狂する人々が描かれる。
物語は、強さとカリスマ性を備えた戦闘ゲームの人気アバター"ケーブル"が、大企業が促進するマインドコントロール化に反対する地下組織と接触し、徐々に自由を取り戻していく過程を中心に描かれる。
生身の人間同士の命がかかった戦いを見世物にしている舞台設定だけに、前半はかなりエグいバイオレンス描写が満載。
【ゲーマー的ポイント】
ゲームのルールおよびその無邪気なプレイヤーに行動を制限される存在を人間味たっぷりに描く本作は、ゲームにのめり込む人、ゲームにのめり込ませる側の人に対する批判的なメッセージが、ストレートに表現されている。
そういうわけで、主人公のケーブルをマイアバターに使用しているゲーム少年の描かれ方も、ステレオタイプなオタクの域を出ていない。
そこから何かあるだろうよ……という部分をゲーマー視点で描いたのが、2018年公開のスティーブン・スピルバーグ監督最新作『レディ・プレイヤー1』だが、そのたった10年ほど前の映画で、最新鋭技術によるゲームが生み出すリアリティがここまで敵視されていたのだ。
【2018年時点での視聴難易度】 ★☆☆☆☆
劇場公開年が最近ということもあり、各種ストリーミングサービスでも比較的観やすい。『ゲーマーズ(Gamers)』という作品もあるので間違えないように(間違えてもそれはそれでいいが)。
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このほかにも、"ゲーマー"──テレビゲームのプレイに入れ込む人々にスポットを当てた映画は数多く存在するので、気になった人は探してみよう。
そのすべてがゲーマーにたいして肯定的なメッセージを放っているとは言い難いが、それもまた、テレビゲームの認識を深める機会だ。
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