ギリシャ人BMXライダーのジョージ・ンタヴティアンが、オランダ・ホーイ湖を航行中の船から逆方向へ航行中の船へ飛び移るループジャンプをメイクし、史上最恐の水上トリックのひとつを成功させた。ミスをできる余地がほとんどないこのトリックは、少しでもタイミングを間違えば、水上に落下する可能性があった。
以下の動画を視聴したあと、ンタヴティアンのトリックメイクの舞台裏ストーリーを読み進めよう。
高難度トリックの舞台裏
ギリシャ・カラマタでンタヴティアンがBMXと出会ったのは偶然だった。トップレベルのMTB / ロードライダーだった父の影響で、彼はBMXのテクニカルで危険なトリックに魅了されるようになり、2024年にはトンネルで直径7.5mのフルループのメイクに成功した。
結果、最近は “ループマスター” として世界的に知られるようになっているンタヴティアンは、オープンループの難しさを理解していた。高いスピードで飛び出してビッグループを空中でメイクし、反対側に着地するというのは、非常に高難度のスタントだ。
しかし、水上ではすべてが違った。固定されているランプから飛び出す代わりに、ンタヴティアンは風、波、常に変化する船の速度に対応しながら、不慣れなトリックのメイクに挑まなければならなかった。
問題を乗り越えて
当然ながら順風満帆ではなかった。本番当日を通じて、ンタヴティアンはいくつもの問題に直面した。失敗したアテンプトで脛を痛め、また別のアテンプトでは途中でシューズを失った。失敗を重ねたことでフィジカルとメンタルの両方が疲弊していき、ミスをできる余地がほとんどないことが大きなプレッシャーになっていった。「本気で怖かったですね」と本人は本番終了後に振り返っている。
しかし、痛みや苛立ち、プレッシャーにもかかわらず、ンタヴティアンは諦めなかった。アテンプトごとに心身をリセットした彼は、最後にはスピード、タイミング、気持ちのパーフェクトな組み合わせを見出し、歴史的な船から船へのオープンループを成功させた。
「他と比べることはできないですね。このようなトリックは一度もメイクしたことがありません」と成功後にンタヴティアンはコメントした。「着地点がどんどん自分から遠くなっていきますし、メイクできるかどうかは、空中に飛び出して逆さになるまで分かりません。いつもの自分を完全に忘れて、いちから取り組み直す必要がありました」
エキスパートも息を呑むトリック
トップライダーのンタヴティアンの基準から考えても、このトリックは素晴らしい功績であり、エキスパートたちもこのプロジェクトの複雑さに舌を巻いた。元BMXプロライダーでオランダ代表コーチのダニエル・ヴェデマイエルは、リスペクトの念とともに本番を見守った。
ヴェデマイエルは次のように説明した。「ジョージはこのタイプのトリックメイクが非常に得意で、BMXシーン全体がそのことを知っています。今回のプロジェクトの難度を高めていた要素はタイミングと風、波でした。このトリックがメイクできるのは世界で彼だけです」
この世界初のトリックがオランダでメイクされたのは偶然ではない。ンタヴティアンとオランダの関係は長く、10代の頃にアイントホーフェンのスケートパークArea51でBMXの魅力に取り憑かれた彼は、自身初のバックフリップをロッテルダムでメイクしていた。そして昨年、オランダを訪れていた彼は、その運河を観てこの歴史に残る物理法則無視のBMXスタントのアイディアを思いついたのだった。
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