サイクリング
ジロ・デ・イタリア2025:ジャージの種類・意味を解説!
ジロ・デ・イタリア2025には4種類のジャージが用意されているが、それぞれ誰が着用できて、何を意味しているのだろうか? 各ジャージが理解できれば観戦がさらに楽しくなるはずだ!
ジロ・デ・イタリアは最もタフなグランツールであり、無慈悲なコース、残酷な上り、そして熱波を受けながらスタートし、冠雪した山頂でゴールするような予想不可能なコンディションがライダーたちを待ち受ける。
そのため、このロードレースに設定されている4種類のジャージのいずれかを着用することは、グランツールライダーの真の証明と言える。では、ピンク、ブルー、パープル、ホワイトの各ジャージはどう異なるのだろうか? また、着用資格はどのように決まるのだろうか?
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ジロ・デ・イタリアのジャージ
ジロ・デ・イタリアには4種類のジャージが設定されており、どのジャージも3週間をかけて着用を巡る激しいバトルが繰り広げられる。
その中で最も有名なものがピンクジャージ(マリア・ローザ)で、各ステージ終了時の個人総合(GC:General Classification)首位のライダーが着用する。個人総合は合計タイムを競うもので、最短タイムのライダーが首位となる。今年は、最終日となる6月1日終了時点でこのジャージを着ているライダーが個人総合優勝ライダーとなる。
ホワイトジャージ(マリア・ビアンカ)の着用資格はピンクジャージと同じで、合計タイムが最短のライダーが着用できるが、開幕時に25歳以下の若手ライダーのみが対象となる。
ブルージャージ(マリア・アッズーラ)は、山岳ポイントを最も多く獲得した山岳賞ライダーに着用資格が与えられる。ジロ・デ・イタリア最強クライマーの称号に値する。
パープルジャージ(マリア・チクラミーノ)はポイントを最も多く獲得したポイント賞ライダーに着用資格が与えられる。ポイントは中間スプリント地点やステージゴールで与えられる。
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マリア・ローザ
ピンクのマリア・ローザはジロ・デ・イタリアの個人総合首位のライダーが着用資格を得る。グランツールで最も重要なジャージであり、第21ステージ終了時点で着用資格を有しているライダーが今年の優勝ライダーになる。
ジロ・デ・イタリア2025では、レッドブル=ボーラ=ハンスグローエのエース、プリモシュ・ログリッチが2023年に続くキャリア2回目のマリア・ローザを狙う。スロベニア出身ライダーのログリッチは優勝候補の一角を占めているが、そのまま本当に優勝した場合、1990年以来25年ぶりの「35歳以上でマリア・ローザを獲得したライダー」になる。
また、今年は新たな中間スプリントポイント《レッドブルKM》が設定される。個人タイムトライアルステージを除くすべてのステージに設定されており、最大6秒のボーナスタイムを獲得できる。
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マリア・アッズーラ
ブルーのマリア・アッズーラはジロ・デ・イタリアに設定されている2つの賞ジャージのひとつで、山岳賞ライダーが着用する。山岳賞は、各ステージ終了時点で山岳ポイントを最も多く獲得しているライダーに与えられる。
山岳ポイントは、コース穣に設定されている各種山岳ポイント地点を上位で通過するライダーたち(チーマ・コッピのトップ9や4級山岳のトップ3など)が獲得する。
今年のマリア・アッズーラは、最終日となる第21ステージには山岳ポイントが設定されていないため、第20ステージ終了時点で決定する。
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マリア・チクラミーノ
パープルのマリア・チクラミーノは、全21ステージで最も多くポイントを獲得したライダーに着用資格が与えられる。ポイントは個人タイムトライアルを除くすべてのステージのゴールや中間スプリントポイントで獲得できる。
獲得できるポイントは各ステージによって異なり、山岳ステージよりも平坦・丘陵ステージの方が多い。そのため、マリア・チクラミーノはスプリンターたちに適しており、これまではマーク・カヴェンディッシュ、ピーター・サガン、エリア・ヴィヴィアーニなどが着用してきた。
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マリア・ビアンカ
2007年に初めて設定されたホワイトのマリア・ビアンカの着用資格は、マリア・ローザと同じく合計タイムが最も短いライダーに与えられるが、開幕時で25歳以下のライダーに限定されている。
4種類のジャージの中では最も低い位置づけと言えるが、未来を担う若手ライダーを見極める方法のひとつとして機能しており、エガン・ベルナル(2021年)やテイオ・ゲイガンハート(2020年)のように、マリア・ローザとマリア・ビアンカを同時に獲得するライダーが出るときもある。
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ジロ・デ・イタリア:よくある質問
ジャージ着用者は頻繁に入れ替わるのか?
ジロ・デ・イタリアではステージごとにポイントや山岳ポイントが設けられているため、ブルーとパープルのジャージ着用者が日々入れ替わる可能性がある(第10ステージと第21ステージは山岳ポイントが設定されていない)。また、それに応じて総合ポイントも変動するため、パープルとホワイトのジャージ着用者も頻繁に入れ替わる可能性がある。
マリア・ローザはなぜピンクなのか?
マリア・ローザは1931年に導入された。1909年にこのレースを創設したイタリアのスポーツ紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』の紙面がピンクのため、この色が選ばれた。
ジロ・デ・イタリアのジャージは何種類?
ジロ・デ・イタリアには、マリア・ローザ(ピンク:個人総合)、マリア・ブランカ(ホワイト:若手個人総合)、マリア・チクラミーノ(パープル:ポイント賞)、マリア・アッズーラ(ブルー:山岳賞)の4種類が設定されている。
ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスのジャージの違いは?
ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスのジャージの大きな違いは色だ。ツールでは個人総合はピンクではなくイエロー(マイヨ・ジョーヌ)、ポイント賞はパープルではなくグリーン(マイヨ・ヴェール)、山岳賞はブルーではなくレッドのポルカドット(マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ)となる。若手個人総合はどちらもホワイト(ツールでは “マイヨ・ブラン” と呼ばれる)が設定されている。
ジロ・デ・イタリア2025のジャージ着用者は?
ジロ・デ・イタリア2025が開幕すれば、ステージが終了するたびにジャージ着用者が決定する。詳細は公式サイトなどで確認できる。
山岳ポイントの振り分けは?
ジロ・デ・イタリアの山岳ポイントは5つのカテゴリーに分けられており、各カテゴリーとその順位によって獲得できるポイントが異なる。詳細は以下の通り:
- チーマ・コッピ(最高標高地点):1位50ポイント・2位30ポイント・3位20ポイント・4位14ポイント・5位10ポイント・6位6ポイント・7位・4ポイント・8位2ポイント・9位1ポイント
- 1級山岳山頂通過:1位50ポイント・2位24ポイント・3位16ポイント・4位9ポイント・5位6ポイント・6位4ポイント・7位2ポイント・8位1ポイント
- 1級山岳:1位40ポイント・2位18ポイント・3位12ポイント・4位9ポイント・5位6ポイント・6位4ポイント・7位2ポイント・8位1ポイント
- 2級山岳:1位18ポイント・2位8ポイント・3位6ポイント・4位4ポイント・5位2ポイント・6位1ポイント
- 3級山岳:1位9ポイント・2位4ポイント・3位2ポイント・4位1ポイント
- 4級山岳:1位3ポイント・2位2ポイント・3位1ポイント
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レッドブルKM
ジロ・デ・イタリア2025の全21ステージ中19ステージにレッドブルがブランディングされた全長1kmの中間スプリントポイント《レッドブルKM》が設定される。この1kmを最初に通過したライダー3名がボーナスタイム6秒・4秒・2秒を獲得できる。
《レッドブルKM》はボーナスタイムが獲得できる唯一の中間スプリントポイントになるため、このセクターでは激しいバトルが展開されることが予想されている。
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