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【FENNELに訊く】『Red Bull Home Ground 2025 Japan Qualifier』優勝後の心境

アジア予選を制覇し『Red Bull Home Ground 2025』世界大会への切符を手にした新生FENNEL。「一番負けたくない相手」MURASH GAMINGを下して日本王者の座を勝ち獲った彼らの心境を訊く。
Written by Shinnosuke Yao
読み終わるまで:7分Published on
Red Bull Home Ground 2025
© Red Bull Homeground
国内VALORANTシーンにおいては、来シーズンに向けて主要チームの完成度を推し量れるイベントとして、”秋の風物詩”となりつつある『Red Bull Home Ground』。
11月13日〜16日の4日間、今年はアメリカ・ニューヨークで開催される本大会への出場権を懸け、FENNELとMURASH GAMINGが相まみえた『Red Bull Home Ground 2025 Japan Qualifier Playoffs』は、マップカウント3-0でFENNELに軍配が上がった。
このプレイオフについては、僕たちは一度も練習していない状態で臨みました。それが逆に良かったのかもしれません
試合後にそう話したのは、FENNELでIGLを務めていたGON選手だ。振り返ってみると、この決戦はとても”対比的”なマッチアップだったと言えよう。
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練習しなかったからこそ“滅茶苦茶かました”

FENNEL

FENNEL

© Red Bull Japan

11月10日、FENNELの新ロスターが発表され、GON選手とMrTenzouEz選手は『Red Bull Home Ground 2025 World Final』の出場メンバーには含まれない構成となった。GON選手は「練習していない状態で臨んだ」という理由を、次のように語っている。
GON「ロスターが変わるかもしれないと言われている状態でガッツリ練習しちゃうと、逆に良くない方向へ向かうことってあるんですよ。だからこそ“滅茶苦茶かましてやろうぜ!”という気持ちになれました」
GON選手がそう話す一方で、MURASH GAMINGは本大会に“懸けてきた”チームだった。
人気配信者の加藤純一氏がオーナーを務める同チームは、世界でもっとも視聴者を集めるプロゲーミングチームのひとつと言っていい。その分、大会の度に所属選手へのしかかるプレッシャーは並大抵でない。
MURASH GAMING

MURASH GAMING

© Red Bull Japan

実績豊富な選手を揃え『VALORANT Challengers Japan 2025 Split 3』に挑んだ同チームは、Advance Stageで惜しくも敗退。重要な一戦で勝利を逃してしまった事実に、選手・コーチともに忸怩たる思いを抱いたことだろう。
そんな彼らが次の目標にしたのが『Red Bull Home Ground 2025』だった。加藤純一オーナーは自身のYouTubeチャンネルにて「2週間休み無しで(練習を)やっていた」と話しており、そのフォーカスが決勝戦進出という結果へと結びついたのである。
MVP - AACE

MVP - AACE

© Red Bull Japan

周到に準備してきたわけではない分、伸び伸びと臨んだチームと、この大会に焦点を合わせ、意気盛んに挑んだチーム。コントラストのはっきりした決戦は前者の勝利に終わったわけだが、振り返るとFENNELは本大会を無敗の8連勝で制したのだから、今まで積み重ねてきた実力を単に示したとも言えるかもしれない。
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MURASH GAMINGは「一番負けたくない相手」

Red Bull Home Ground 2025 Japan Qualifier

Red Bull Home Ground 2025 Japan Qualifier

© Red Bull Japan

マップカウントだけ見れば一方的な試合展開に見えるかもしれないが、1stマップ・カロードのスコアは13-10と、MURASH GAMINGも粘り強さを発揮していた。それでも、FENNELが続くサンセットで13-5、ヘイヴンで13-3と突き放したのは、“ピストルラウンド”と“少人数戦”の取得率に起因すると筆者は考える。
前日のQT DIG∞戦にて、FENNELが取得できたピストルラウンドは5マップのうち3回のみと、むしろ彼らはそれまで課題感を覚えていたはずだ。対して決勝戦でピストルラウンドを落としたのは1回のみ。なにか戦術を変えたのかと思えば、彼らが講じた策はMrTenzouEz選手にシェリフを持たせることだったという。
スキルを買わない分、集中してファイトできるっていうのはあります
試合後にMrTenzouEz選手はそう答えたが、一般的にVALORANTにおいて、彼が主に担当していたソーヴァやフェイドといった索敵系イニシエーターは武器よりスキルを優先するのがセオリーだ。そのようなことができたのは、彼の撃ち合いの強さへの信頼感が第一として、今回のFENNELだからこそフレキシブルに調整できた部分もあるのだろう。
「個人的に加藤純一さんのファンだからこそ良い姿を見せたかったし、SyouTaやTENNNという一緒に時を過ごした仲間を相手にするからこそのプライドもありました。特にSyouTaとは今でも一緒にご飯を食べに行くので、一番負けたくない相手ですね」
「Bullcoコーチが元々SCARZで一緒だったので、連絡取り合うくらい仲がいいんですけど。今回も“絶対勝つからな”といったやり取りをしましたね。それでもう負けられないなって」
なお、ひとつ勘違いして欲しくないのは、決してFENNELは試合の一つ一つを気楽に臨んできたわけではないということだ。チームメンバー同士が浅からぬ縁を持つ新生MURASH GAMINGとの決勝という大一番でのマッチアップ。GON選手とMrTenzouEz選手がそれぞれ上記のように語ったように、負けられない戦いであったことは間違いない。
だからこそ少人数戦は、どれもドラマのようなものを感じられた。筆者の個人的ハイライトのひとつは、カロードのAサイトで起こったGON選手とSyouTa選手の1on1。どちらもIGLでオーメンを担当しており、まさしく“ライバルのプライドを懸けた一騎打ち”は、マップ取得を左右したとも言える名場面だった。
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次の舞台は「ニューヨーク」

見事に『Red Bull Home Ground 2025 Japan Qualifier』を制したFENNELは、直前でのロスター変更はあったものの、これからアメリカ・ニューヨークで開催されるPlay-in Group Stageへと駒を進めることになる。そこで待ち受けるのは、彼らと同じように地域別予選を勝ち抜いた11チームだ。それを勝ち上がることで、ZETA DIVISIONやFnaticといった錚々たる招待チームが参加するMain Eventへ挑むことができる。
ちなみにFENNELにとっては、Game ChangersではないVALORANT部門が海外で国際試合に挑むのは初めてのことだ。
Red Bull Home Ground 2025

Red Bull Home Ground 2025

© Red Bull Homeground

2023年、同様に日本予選を勝ち抜いて、両国国技館で開催された『Red Bull Home Ground』に出場したFENNELは、常勝軍団・FnaticにBO1で10-13と喉元まで迫り、世界へ日本のTier2チームのポテンシャルを示した(当時はGON選手とSyouTa選手が所属)。
それ以来、VALORANT Challengers Japanでは安定した強さを出し続けるも、世界へその実力を見せる機会にはあと一歩がなかなか届かなかった彼らだが、奇しくもまた『Red Bull Home Ground』で、そのチャンスに恵まれたのである。
そんな『Red Bull Home Ground 2025 Play-in Group Stage』が幕を開けるのは現地時間11月13日から。国内VALORANTシーンの代表として、再び世界と戦う新生FENNELの勇姿を、どうぞ見届けてほしい。
『VALORANT』の強豪チームが集う

『VALORANT』の強豪チームが集う

© Marius Faulhaber/Red Bull Content Pool

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FENNELは『Red Bull Home Ground 2025 World Final』に出場するロスターを正式発表しました。
Anthem、Luca、Yowamuの3名が大会期間限定でスタンドインとしてチームに加入し、Aace・Halsの2名は来季(2026シーズン)も契約を継続。
チームはこの体制で、世界の強豪を相手に優勝を目指します。
また、GON、MrTenzouEz、nethの3名はロスターを離れ、Inactive(活動休止)として登録外となります。
GONは2025年12月末をもって契約満了予定、MrTenzouEzおよびnethについては、現在今後の活動について協議中であり、続報は改めて発表される予定です。
詳細はFENNEL公式Xからの投稿、または、公式サイト・PR TIMES掲載のプレスリリースをご参照ください。

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