Vladimir Gusev from Russia performs during the 3rd stage Kazan-Perm at the Red Bull Trans-Siberian Extreme race in Russia on July 26th, 2018
© Denis Klero/Red Bull Content Pool
サイクリング

【サイクリスト用 熱中症・脱水症状・日焼け対策】夏場のロングライド 9つの注意点

晴れた夏の日は自転車にパーフェクトだが、注意しなければならないことが沢山ある。専門家にアドバイスを送ってもらった。
Written by Howard Calvert
読み終わるまで:6分Published on
日が長くなり、気温が上がってくれば、愛車にまたがってロングライドに出掛けたくなる。
しかし、気温や湿度が不快を感じるレベルまで上がってしまえば、バイクライドは汗まみれと同義になり、さらには熱中症脱水症状日焼けなどを含む数多くのリスクが発生する。
そこで今回は、梅雨から夏にかけてバイクライドをする時の注意点をエキスパートたちに教えてもらうことにした。

1:ライド前に水分補給をする

最高の天気に心を奪われてこの基本中の基本を忘れてしまうライダーは少なくない。
ロングライド前の水分補給は不可欠

ロングライド前の水分補給は不可欠

© Leo Francis/Red Bull Content Pool

スポーツ栄養士のウィル・ガーリングは次のように説明する。「エクササイズの2~4時間前の水分補給はとても重要です。1時間500mlを目安にしてください。暑い日はもっと飲んでください。水だけでも良いですが、電解質を加えることで吸収力を高めることができます」
また、ガーリングは体内の水分補給レベルを自分でチェックすることも重要だとしている。「尿の色が濃いなら水分が不足している証拠ですので、水分を補給するようにしてください。エクササイズ前に水分補給レベルを調整しておくことは、最も優れた熱中症・脱水症状対策のひとつです」

2:ライド中に水分補給をする

ガーリングが話を続ける。
「通常時で1時間にボトル1本、500mlが最低レベルですので、気温がさらに高くなる夏場はボトルの本数を増やしたり、サイズアップをしたりしても良いでしょう」
気温が高い日はボトルをサイズアップするか本数を増やそう

気温が高い日はボトルをサイズアップするか本数を増やそう

© James Mitchell / Red Bull Content Pool

水100mlあたり3~4g電解質炭水化物を加えることで吸収力が増し、水分補給能力が向上します。マルトデキストリンがベストですが、もし手に入らないなら、ハチミツ砂糖でカバーできます。ただし、砂糖は虫歯など口腔衛生上理想的ではないので注意が必要です」
最近は水分補給関係の製品が数多く出ているが、効果にそこまで大きな差はないので、最終的には個人の好みと体質次第になる。時間的余裕を持って様々な種類を試して、自分の体質に合った製品を選びたい。

3:ライド終了後も水分補給をする

ロングライド終了後は「冷たいビール!」と言いたくなるところだが、エクササイズ後の水分補給という意味では、アルコール類は最悪の部類に入る。
ライド後は喉の渇きに合わせた水分補給を

ライド後は喉の渇きに合わせた水分補給を

© Bram Berkien / Red Bull Content Pool

バイクライドを終えたあとの水分補給について、ガーリングは次のようにアドバイスを送っている。「エクササイズ後の水分補給量は喉の渇きに応じて調整してください。ですが、ここでもやはり最低500mlは飲むようにしてください」
また、ガーリングはエクササイズ後の飲料にはミルクを勧めている。「ミルクには電解質約4~5g炭水化物が含まれているので、ただの水よりも水分補給に向いているという結果が出ています」

4:日焼け止めを塗る

家を出てしばらく経ってから日焼け止めを塗り忘れたことを思い出しているライダーは少なくない。
紫外線指数が3以上なら日焼け止めを塗りたい

紫外線指数が3以上なら日焼け止めを塗りたい

© Pavel Sukhorukov / Red Bull Content Pool

英国皮膚科医協会ブライアン・ディフィー教授は、ロングライドに出掛ける前は必ず紫外線指数(UVインデックス)を確認するべきだとし、「UVインデックスが3以上なら、皮膚が弱い人は日焼け止めを塗るべきです」と説明している。また、ディフィー教授は、出掛ける30分前に《SPF30・PA+++》以上の日焼け止めを塗ることを勧めている。
汗や水に強い製品、長時間持つ製品、さらには男性向け、女性向けなど、日焼け止めには様々な種類が存在するので、自分の目的と肌に合った製品を選ぶようにしたい。

5:日焼け止めはこまめに塗り直す

日焼け止めは携行しよう

日焼け止めは携行しよう

© Pelotan

ディフィー教授がさらに続ける。
「ロングライドでは日焼け止めをこまめに塗るようにしてください。汗をかく人は特に注意が必要です。汗に強い製品も出ていますが、2時間おきに確認して塗り直すようにしてください。普通の人よりも汗が多く、腕や手で汗を拭う回数が多い人は、塗り直す頻度を高めるようにしてください。家を出る前に塗って終わりではなく、日焼け止めを小さなボトルに詰めて携行することを推奨します」
「製品の謳い文句に頼りすぎないようにすることが重要です。もちろん、日常生活では表記通りの効果が期待できますが、汗をかいたり、ぬぐったりしてしまえばすぐに落ちてしまいます」
「“出掛ける前に塗ったから大丈夫” と思っていても、塗れていない部分や途中で落ちてしまう部分が必ずあります。皮膚がんをはじめとする様々な健康リスクに繋がるのでこまめにチェックして塗り直してください」

6:UPF表示のあるサイクルウェアを着る

サイクルウェアを着ているから肌が守られていると思うのは大間違いだ。紫外線をカットしてくれる素材が使用されているサイクルジャージとサイクルパンツを選ぶようにしよう。
UPF表示のあるサイクルウェアで肌を守ろう

UPF表示のあるサイクルウェアで肌を守ろう

© Canyon

たとえば、Canyonの「Signature Pro Lightweight Short Sleeve」はUPF50超軽量(113g)優れた通気性が特長だ。また、鮮やかなカラーリングが魅力的なStolen Goatの「Women’s Core」もUVプロテクション素材を採用している。
dhb Aeron Ultra ビブショーツは、UVプロテクション機能とColdblackテクノロジーをフィーチャーしている。Coldblackはダークカラーの問題のひとつとして知られる日光の吸収率を下げてくれるテクノロジーだ。
そして、ライディング中の目を紫外線から守ってくれるサングラスも欠かせないアイテムだ。オークリーの「Prizm™ Road」シリーズは紫外線をカットして視界を確保してくれる。

7:時間帯を選ぶ

ライディングする時間帯によってアスファルトの温度が大きく変わってくる。アスファルトの照り返しや熱はサイクリストの体力を奪うので、可能なら日の出前にアラームをセットして、道路が熱を持つ前にライディングを終わらせてしまいたい。
朝一番でロングライドに出掛ければ気温が上がる前に帰宅できる

朝一番でロングライドに出掛ければ気温が上がる前に帰宅できる

© Alex Broadway / Red Bull Content Pool

早起きが苦手なら、午前中・昼・午後のライディングは避けるようにしよう。また、なるべく日陰や木陰が多いルートを選ぶようにして、直射日光を浴びる時間を短くしよう。

8:休憩を入れて身体を冷やす

コンビニ、アイスクリームショップ、コーヒーショップなどになるべく立ち寄るようにして、身体を定期的に冷やすようにしよう。ヒルクライムを終えたあとの冷たいアイスやドリンクは最高のご褒美になる。

9:体調が悪くなったらすぐに対応する

上記のアドバイスを守っていても熱中症や脱水症状になったらどうすれば良いのだろうか? ガーリングは次のようにアドバイスを送る。
少しでも体調が悪くなったら無理をしないで日陰に入り、冷たい水で体温を下げよう

少しでも体調が悪くなったら無理をしないで日陰に入り、冷たい水で体温を下げよう

© Pavel Sukhorukov / Red Bull Content Pool

「まずは直射日光を避けて、日陰に入ってください。そのあとは体温を下げる必要があります。冷たい水を飲んだり、氷やペットボトル、ドリンク缶などで手足や首の後ろ(盆の窪)を冷やしてください」
「そのあとで病院で手当を受けてください。スマートフォンは必ず携行してください。ロングライドは緊急時に備えて仲間友人と一緒に楽しむのがベストです」
(了)
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