サイクリング
【ロードレース】プロライダーが教える栄養補給・食事管理方法
スキーマウンテニアリングからロードレースへ転向したアントン・パルツァーが活躍の礎となっている栄養補給・食事管理方法を明かしてくれた。
スキーマウンテニアリングとマウンテンランニングでチャンピオンに輝いたアントン・パルツァーは2021年に新たな情熱を追い求めることを選択。自転車ロードレースに転向するとすぐにトッププロチームのボーラ=ハンスグローエに入団した。
転向後は1日5時間をバイクトレーニングに費やしているこのドイツ出身プロライダーが、その卓越した持久力の源となっている食事内容について説明してくれた。
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炭水化物はサイクリストの親友
パルツァーにとって大切なのはヘルシーな食生活だ。余分な糖分をできるだけ避ける代わりに脂質の少ない新鮮で自然な食材を優先している彼は次のように切り出す。
「自分が適切な物を食べているかどうかは、食事後の身体の感覚が普段の良い目安になります」
一般的な持久系スポーツと同じく、当然ながらロードサイクリングもパルツァーのようなアスリートに固有のチャレンジを課す。
「もちろん、アスリートの食事法はそれぞれの競技の要求に合わせて調整されるべきです」と語るのは、オーストリア・タールガウにあるレッドブル・アスリート・パフォーマンス・センター(APC)に所属するパフォーマンス栄養学者、スティーブン・スミス博士だ。
「ロングライドでは、ライド前の食事に加え、炭水化物を豊富に含んだドリンクやジェル、エナジーバーなども活用しています」とパルツァーは語る。これらには一定量の砂糖が含まれているが、激しい運動を伴う長時間ライドには糖分も必要だ。パルツァーはさらに続ける。
「炭水化物は最高のエネルギー源です。エクササイズ前・中・後に炭水化物を摂取できれば、まず問題は起きません」
トレーニングセッションを乗り切るために、パルツァーはライディング1時間あたり約100gの炭水化物を必要としている。また、ジムでのトレーニングでは約60gの炭水化物が必要になる。
トレーニング中はライディングしながらの補給が欠かせないが、これにはある程度の “慣れ” が必要だ。スミス博士は次のように説明している。
「運動中の胃、特に消化管がエナジーバーやエナジージェルの消化に慣れるまでは一定時間が必要です」
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アントン・パルツァーの食事メニュー
- 朝食:身体をエネルギーで満たし、炭水化物を豊富に含んでいて食べ慣れている食事が朝食には理想的だ。パルツァーはボウル1杯のオートミールにミルク(あるいはその代用品)を注ぎ、そこにナッツ類とバナナ1本を加えた朝食で1日をスタートさせている。
- 昼食および夕食:米またはポテトにカッテージチーズと大量の野菜類を添えたメニューが普段の昼食・夕食だ。つまり、炭水化物と新鮮な野菜、タンパク源の組み合わせとなる。サヤインゲンなど緑の豆類も非常に相性が良い。
- 軽食:激しいトレーニングのあとは、栄養を速やかに再補給することが重要だ。トレーニング後の軽食について、パルツァーは「炭水化物70%・プロテイン30%の割合で構成されたリカバリーシェイクが理想的です。私の場合、トレーニング後30分以内にこのようなリカバリーシェイクを飲んでいます」と語っている。
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継続のカギは “ご褒美システム”
パルツァーは “ご褒美システム” を設けることが重要だとしている。これにはトレーニング中のモチベーションを向上させる効果がある。
「非常にハードなトレーニングやレースを終えたあとは、たまに好物を食べて自分にご褒美をあげるべきです。私の場合は、間違いなくピザですね。自宅にピザ用オーブンを備えているくらいですから!」
また、パルツァーはこれからプロロードレーサーを志すサイクリストたち、特に自重が原因で登坂を難しく感じている人たちにもヒントを授けてくれている。
「世界のトップアスリートたちが忠実に守っているルールは、“トレーニングの日は食事に対してあまり厳格にならない代わりに、休息日はカロリー摂取量をできるかぎり低く抑える” です。このルールを守れば、ご褒美の食事がますます楽しみになるはずです」
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専門家が教える理想的な食生活
最後にスティーブン・スミス博士の栄養補給・食事管理のアドバイスを紹介しておこう。
- あくまで中心は新鮮な食材:シェイクを軸にした食事法やサプリメントは目的と必要性があって初めて取り入れられるべきであり、食事法の中心になるべきではない。
- 過大な効果を謳う食事法は避ける:「すぐに体重を落としたり筋肉量を増やしたりできる」など過大な効果を謳う食事法は絶対に避けよう。「雨垂れ石を穿つ」— つまり、小さな努力を少しずつ積み重ねてこそ大きな成果を生み出せることを覚えておこう。
- 健康的な食生活は1日にしてならず:体重を落とす・筋力をつける・全体的なフィットネスを高めるなど、運動面での目標はもちろん、栄養面での目標も達成したいのなら、時間をかけてじっくりと取り組むべきだ。時間をかけることなくして目標の達成はない。長期的に考えて行動すべきだ。
- 自分へのご褒美を忘れずに:一貫性は重要だが、目標に達した際はリワードを用意するべきだ。ここでは “80 / 20ルール” が効果的だ。このルールは食生活の80%をフルーツや野菜、プロテインなどのヘルシーな食事で構成し、残りの20%をピザやチョコレートなど自分の好きな食べ物にしてよいという考え方だ。
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