ダンス
プロが教える「ダンサーとして成功するために必要な10のこと」
ダンスは世界中で大人気を獲得しており、踊りで成功と名声を得たいと思う人たちが年々増えている。そんな人のために10のアドバイスを集めてみた。
以下のヒントは、オーストリア・ウィーンで開催されたRed Bull BC One Cypher Austria 2019に用意されたB-Boy JuniorとMajidによる90分のトークショーの抜粋・要約となる。
B-Boy Junior & Majid
最初のスピーカーは紹介する必要がほとんどない。Red Bull BC One All Starsのメンバー、B-Boy Juniorだ。
百戦錬磨のベテランとして知られる彼は、20年以上に渡り世界中のB-BoyとB-Girlたちにインスピレーションを与えてきたブレイカーで、ブレイキンヒストリーの中で最も特徴的なスタイルの持ち主のひとりでもある。
Juniorはカルチャーとしてのヒップホップが秘めている可能性を愛しており、自分らしく生きる自由を与えてくれるところに感謝している。Juniorはブレイキンの魅力について「何者でもないところからスタートして、自分のスキル次第で何者になれる」と説明している。
MajidはJuste Deboutを2回制しているダンサーで、その他にも世界各地のダンスバトルでタイトルを獲得している。
16年以上ダンスを続けているドイツ出身の彼は、父親がダンサーだったこともあり、自分はこの人生を送るために生まれてきたと感じている。ヒップホップカルチャーから数多くを学んできた彼は現在ダンススタジオを経営しており、自分を育ててくれたシーンに恩返しをしている。
上の動画でJuniorとMajidが一緒にダンスをしている様子をチェックしたあと、2人が教えてくれたダンサーとして成長するためのアドバイスを読み進めていこう。
1:勝利のためではなく愛のために踊る
自分のダンスを上達させたいなら、正しい動機でダンスをしている必要がある。ダンスのことだけを考え、音楽と繋がり、自分を解放する。ベストのダンスを披露することではなく、勝つことを考えていれば、ダンスは上達しなくなる。
Majidは、間違った動機でダンスをしている人が最近増えていると感じている。多くの若手ダンサーはダンスが好きだからではなく、ビッグイベントで優勝して有名になりたいからダンスをしていると感じているMajidは、次のようにコメントしている。
「僕はビッグイベントがなかった頃にダンスを始めた。そのおかげで正しい姿勢でダンスと向き合えるようになった。ダンスを愛していないなら今すぐ辞めるべきだ」
ダンスを愛していないなら今すぐ辞めるべきだ
2:メンターを見つける
人間は師と呼べる存在から学び続けてきた。現在は情報や知識を簡単に集められるようになったが、メンターの需要はなくなっていない。クオリティを高めるための情報や知識だけではなく、貴重なフィードバックも得られるからだ。
自分のどこを直したら良いのかを教えてくれる人が必要になる時がある。それをしてくれるのがメンターだ。周りに見つけることができないなら、クルーメンバーに頼んでみよう。
3:時間をかける
トップダンサーに必要なもので時間をかけなければ得られないものが2つある。経験と自信だ。
経験はあらゆる状況で冷静さを保つ助けとなる。なぜなら「前に同じようなことを経験している」と思えるからだ。そして自信とは、目の前に何が立ちはだかっても対応できることを理解している状態を指す。
経験と自信は、自分のコンフォートゾーンの外側に身を置き続けることで増やせる。
また、ローカルジャムから少し規模の大きなイベントへ活動範囲を広げ、さらには世界最大級のイベントへの出場を目指しているなら、その過程を飛ばすことはできない。
その途中に存在するすべての小さなチャレンジに時間をかけて取り組む必要がある。間を飛ばしてしまえば、自分が扱えない状況に身を置くことになり、結果的に後退してしまう。
4:考えてから行動する
脳は最大のアセットだ。自分に正直になり、賢く自分を成長させよう。自分の弱点を把握し、それらを克服するための道筋を用意しよう。自分の強みを意識し、そこをさらに強めよう。
目標や道筋が用意されていなければ、自分がどこへ向かって良いのか分からなくなってしまう。考えてから行動しよう。
5:練習を重ねる
言うまでもないことだが、練習を重ねる必要がある。自分のダンスを高めていくなら、トレーニング方法を確立させなければならない。
自分のムーブが自動的に出せるようになり、あらゆるコンセプトに精通し、音楽を理解できるようになる必要がある。そのためには時間をかけて練習を続ける必要があるのだ。
6:リサーチする
自分のダンスとカルチャーがどこから来たのかを知っておくことは、自分のダンスを深く理解する助けになる。
リサーチをすれば、特定のムーブがなぜ特定の方法で行われているのか、その背景が理解できるようになる。また、シーンにいる仲間のことやカルチャーの成り立ちについても理解できるようになる。
最近はリサーチが簡単だ。インターネットを使えば概要を調べることができる。より深く知りたくなったら、パイオニアたちに直接訊ねれば良い。彼らの多くはまだ現役だ。ワークショップやイベントで声をかけたり、オンラインでメッセージを送ってみたりしよう。あらゆるチャンスを活かそう。
7:オープンに構える
すべてのアーティストがインスピレーションを必要としている。そしてどんなものでもインスピレーションになり得る。
ダンス以外のアートフォームでは、自分のフィールドとは違うフィールドからインスピレーションを得ているアーティストが多い。ダンサーもそうすべきだ。
ダンスだけしか見ていないダンサーは多く、そういうダンサーは他のダンサーの真似で終わってしまっている。それはバイティング(Biting)と呼ばれており、クールとは言えない。
他のフィールドでインスピレーションを探してみよう。オープンに構えていれば世の中には大量に存在することが理解できるはずだ。これは次のアドバイスにも繋がってくる。
8:旅をして他のカルチャーを学ぶ
Majidは「僕にとって最高の勉強になったのは旅だ。他の国の人たちと話すことで、自分に活かせる可能性を秘めた別の考え方を学ぶことができる」と説明している。
ジャムやイベントは世界各地で開催されているので遠征してみよう。ただジャムやイベントに参加したいという動機だけではなく、他のカルチャーと触れ合いたいという動機も必要だ。
異なるカルチャーには異なる考え方がある。人生へのアプローチが異なるのだ。そのような違いを実際に体験して、自分に活かしてみよう。
9:規律を守る
自分が達成したい目標からブレないようにしよう。プランを頻繁に変えてしまえば、十分な時間をかけて結果を出せなくなってしまう。多くの人が結果をすぐに知りたがるが、世の中はそういう風にはできていない。繰り返しが熟達に繋がるのだ。
これは練習に限った話ではない。インスピレーションの発見や遠征、目標設定とその遂行など、あらゆるプロセスに関わってくる。規律を守り、自分の目標に向けて努力しよう。
10:自分らしさを全力で表現する
世の中には星の数ほどダンサーが存在し、全員がトップを目指している。その中で頭ひとつ抜き出た存在にならなければならない。
その最短の近道が自分らしさを出すことだ。自分はひとりしかいない。そして誰もが自分らしさを持っていて、ちゃんと踊れるダンサーを見たいと思っている。
基本を身に付けたら、恐れずに他人と違うダンスに挑戦してみよう。自分が誰なのかを世界に占めそう。フィーリングが得られているなら、リスクを負って自分を解放しよう。その瞬間に魔法が生まれる。
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