How to improve your cycling position

ロードバイク:ライディングポジションを見直そう!

© Red Bull Content Pool; Graeme Murray/

ロードバイクでは、乗車姿勢のわずかな違いが大きなパフォーマンス差を生む。最善のライディングポジションを手に入れるためのポイントを解説!

   

アマチュアレースへの参加や週末のロングライドは、自分とバイクの実力を試すのに最適だ。

では、自分のサドル高が正しくセットアップされているかどうかを知るにはどうすれば良いのだろうか? また、パフォーマンスを向上させつつ、ロングライド後に生じる身体の痛みを軽減させるという一石二鳥な方法はあるのだろうか?

幸いなことに、ポール・ミルが助けの手を差し伸べてくれる。

元プロサイクリストのポールは、英国内外のあらゆるカテゴリーのライダーたちを指導している。そこで、今回は、我々アマチュアライダーのライディングポジションを最適化するための8つの方法を教えてもらうと同時に、良好なライディングポジションがパフォーマンスやライディング後のリカバリーにどう役立つかについても説明してもらった。

1. サドル高のスイートスポットを見つける

サドルの高さが正しくないと身体に負担がかかる。アマチュアレースなどの長距離ライドでは特にそうだ。サドル位置が高すぎると、大腿部や臀部、前膝痛などのトラブルに繋がり、サドル位置が低すぎても膝の怪我を引き起こしてしまう。

一方、サドルポジションを正しく設定すれば、生体力学的な効率に優れたライディングが可能になる。

自分に合ったサドルポジションを見出すためには、まずペダルに両かかとをつけて、ペダルを逆方向に回してみると良いだろう。サドル高が正しく設定されていれば、尻が左右に揺れないはずだ。

最適なサドルポジションを見出すもうひとつの方法は、バイクの横に立ち、サドルを尻と同じ高さに調整することだ。

とはいえ、上記に紹介した方法はあくまで大まかなものだ。バイクはそれぞれ異なるクランク長(ペダルが装着される部分)を有している。サドルポジションに問題を抱えているなら、熟練したバイクフィッターにチェックしてもらおう

2. 無駄のない円運動ペダリングを心がける

脚を上下動させてぎこちないペダリングをしているライダーを良く見かける。しかし、このような半円で区切るペダリングよりも、ひとつの円を描くペダリングをイメージすべきだ

私がライダーたちを指導する時は、彼らを鏡の前に座らせたあと、体幹を連携させて尻を下げない連続的な円運動の片脚ペダリングを反復練習させている。

3. ヒルクライムではハンドルのドロップ部分を握る

ヒルクライムでは、大半のライダーがハンドルバー中央のフラット部分やブレーキブラケットを握っている。ドロップ部分を正しく握れているライダーは多くないが、ドロップ部分の活用は、緩やかな登り区間での力行(りっこう)にわずかながら役立つ

私は、下りではドロップバーを握ることを勧めている。ブレーキブラケットを握るとコントロール力が落ちるという安全上の理由もあるのだが、コーナーを抜ける時もドロップバーを握ったポジションの方が空気抵抗の面ではるかに有利だ。

ライディング中に握る位置を変えるのも、手の同じ位置に圧力がかかるのを防ぎ、指先の血の巡りを促進するので有用だ。

4. ヒルクライム:ダンシング? シッティング?

サドルから立ち上がる "ダンシング" と、サドルに座ったままの "シッティング" のどちらを選ぶかは、ヒルクライムの長さや勾配によって変わってくる

とはいうものの、手のポジションでも説明したように、体のポジションを変えれば体の一部を休ませることができる上に、ハムストリングスや大腿四頭筋が硬くなるのを防げる。

レースのヒルクライム区間で集団を引き離すには2つの方法がある。ひとつは、やや高めのギアに切り替え、集団の後方からダンシングで一気にアタックをかける方法。もうひとつは、シッティングのままコーナー出口ので加速して集団から一気に抜け出す方法だ。

5. 空気抵抗の少ない姿勢を心がける

下り区間の多くで、プロサイクリストたちはフロントホイールよりも前に頭を突き出さんばかりの低い姿勢をとっているが、アマチュアライダーがこの姿勢のまま平地区間で速く走るのは無理だ。

ともあれ、ヒルクライム区間以外では、体を低くしておくのがベストだ。体を低くすればするほど、背中をフラットにすればするほど、空力性能に優れた姿勢になる。また、肘を曲げて頭をできるかぎり低くしておくことも重要だ。

6. クリートの位置を最適化する

サドルを正しくセットアップできれば、クリートを前後に動かしすぎることで起きる足の痛みが解消される。

クリート位置を足の母子球(ぼしきゅう:足の親指の付け根の少しふくらんだ部分)の中央から後ろのあたりに設定しよう。最も簡単な方法は、サイクリングシューズを履いたままの状態で自分の母子球の位置を探り、そこにマジックペンでマーキングしておくことだ。

マーキングが終わったらサドルに座り、水平位置にペダルを持ってきて、書き込んだマークがペダル軸に対してまっすぐになっているか確認しよう。

また、クリートを立った姿勢の足の角度と同じ角度にセットアップしよう。立った時につま先が開き気味なら、セットアップにもそれが反映されるべきだ。

サドル高と同様、これもまた大まかなガイドにすぎないので、必要があればプロのバイクフィッターに見てもらおう。

7. 腕のリーチを最適化する

リーチが短すぎるとハンドリングがとても過敏になってしまうが、リーチが長すぎる場合はステアリングが緩慢でスローになってしまう。

簡単にまとめて言うなら、ドロップを握ってサドルに尻が乗っている姿勢では、フロントホイールのハブはステムとハンドルバーに遮られて見えないのが理想だ。

ステムより後ろにハブが見えているなら、ステムが長すぎることを意味し、ステムより前にハブが見えているなら、ステムが短すぎることを意味する。これらの問題を解決するためには、バイクのステムを交換する必要がある。

8. サドルの前後位置を正しく調整する

クランクアームが水平の位置にある時、膝裏がペダル軸と垂直の位置関係になるようにしよう。膝裏がペダルよりも前にきているようなら、ペダルを押し下げる時に大きな力が膝に集中してしまい、大腿四頭筋が生み出す力をフルに伝えられなくなる。

サドル位置を後側にずらせば、大腿四頭筋の力をしっかりペダリングに活用できるばかりか、ハムストリングスや大臀筋も連携して動かせるので、大腿四頭筋を酷使して生じる痛みを軽減できる。

(編注:一般的に、日本人は欧米人に比べて大腿部が長いという身体的特徴があると言われており、効率の高いペダリングと空気抵抗の少ない姿勢を実現するためのサドルセットアップの基準は、欧米のそれとは異なる部分がいくつか存在する。ライディングポジションの最適化は、微調整と実走行を繰り返しながら着実に行おう。もちろん、本文中でも何度か触れられているように、専門知識を有するバイクフィッターの診断を受けるのはグッドアイディアだ)