Participants start Wings for Life World Run in Cambridge, Great Britain on May 8, 2016.
© Andreas Langreiter/Red Bull Content Pool
マラソン

【目標:自己ベスト更新】マラソンランナー用アドバイス 7選

今年マラソンデビューを考えている人のために英国人プロコーチがトレーニング方法を教えてくれた
Written by Laura Fountain
読み終わるまで:7分Updated on
マラソン完走には大いなるコミットが必要になる。自己ベスト更新を狙っているなら尚更だ。しかし、すべてが望み通りに進んでゴールを迎えることができれば、あらゆる犠牲が報われる。
そこで今回は、マラソンランナー / ランニングコーチ / パーソナルトレーナー / ライターのローラ・ファウンテン自己ベスト更新に役立つ賢くて効果的なトレーニングアドバイスを教えてもらうことにした。
尚、2023年前半にマラソン出場を予定しているなら、5月7日に開催されるWings for Life World Runに参加して、キャッチャーカーに追われながら42.195km超えを目指してみるのも良いだろう。詳細はこちら>> Wings for Life World Run

1:週間走行距離を現実的に設定する

短くて簡単なランからスタートしよう

短くて簡単なランからスタートしよう

© Gines Diaz/Red Bull Content Pool

「マラソン完走を目的としているからといって、毎週のトレーニングランの距離を長く設定する必要はありません。エリートランナー週160km以上を走るかもしれません」
「ですが、私たちのような一般レベルのランナーは、たとえフィジカル的に問題なかったとしても、日常生活があるのでそのような距離を走る時間を確保できないというのが現実です」
「ですので、トレーニングに割ける時間や自分にフィジカルレベルを現実的に考えた上でレースに向けたプランを立てるようにましょう。マラソンに向けたトレーニングプランの第1週の総距離と回数は今のランニングと同レベルに設定するべきです」
「たとえば、フィットネス維持を目的として10km x 3日を毎週走っている人が、マラソンのトレーニングプランに切り替えた週に10km x 5日を走れば望まない結果に終わるでしょう。数週間はそのトレーニングプランを維持できるかもしれませんが、そのあとは身体を痛めてしまうでしょう」
「トレーニングプランへ切り替える前にベーストレーニングを数週間こなして、徐々にペースアップしていくようにしてください」

2:休息を軽視しない

休息は非常に重要

休息は非常に重要

© Graeme Murray / Red Bull Content Pool

「アマチュアランナーはしばしばプロランナーのトレーニングからヒントを得ていますが、その時に休息とリカバリーをプロほど重視しないケースを見かけます。休息日はランニングと同じくらいトレーニングの中で重要です。尚、休息は “一歩も走らない” を意味します」
「筋肉を痛めつけて組織を少し壊したあと、十分な時間を空けて筋肉をさらに強くする、これがストレングストレーニングです。休息とリカバリーで筋肉は適応させていくのです。身体に十分な休息を与えなければ、トレーニングプランを最大限まで活かせなくなってしまいます」

3:ストレングストレーニングで怪我を防ぐ

ウルトラランナーのトム・エヴァンスはストレングストレーニングの重要性を知っている

ウルトラランナーのトム・エヴァンスはストレングストレーニングの重要性を知っている

© Ian Corless / Red Bull Content Pool

「ランニングだけではなくストレングストレーニングにも取り組む必要があることに世間は気づき始めています。より強い筋肉が手に入れば、ストライドパワーが向上します。また、体幹と上半身を鍛えれば、苦しくなるレース後半にフォームを維持できるようになります」
「ランニングは片側ずつ動かす運動です。片脚ずつ前に出しますよね。ですので、ランジシングルレッグ・デッドリフトなどの片側ずつ動かすエクササイズをストレングストレーニングのメニューに組み込むことが重要です。このようなエクササイズなら、筋肉を鍛えつつバランス安定度を高めることもできます」

4:閾値走に取り組んでハイペースを維持できるようにする

10kmをレースペースより約1分遅く走るペースがスレッショルドランの目安になる

10kmをレースペースより約1分遅く走るペースがスレッショルドランの目安になる

© filadendron / Getty

閾値走(いきちそう / スレッショルドラン)はマラソン用トレーニングに効果的です。閾値走はテンポランの一種で、乳酸閾値のペースで走ることで長距離のスピードアップを狙うトレーニングです」
「乳酸閾値とは、乳酸の生成スピードが代謝スピードを上回って体内に溜まり始める値を意味します。いわゆる “乳酸が溜まった” 状態です。乳酸が体内に溜まるとパフォーマンスが低下します」
ベテランランナーなら10kmランハーフマラソンのペースが乳酸閾値付近と言えます。とりあえずは、1.5kmあたり10~15秒プラスした10kmのペース、または5kmランで1.5kmあたり20~30秒プラスした5kmのペースをイメージすれば良いでしょう」
「まずはこのペースで8分ランを2本(リカバリー3分)こなしてみましょう。ここから、同じペースで15分ランを2本(リカバリー3分)をこなせるまで上げていきます」

5:本番のペースでトレーニングする

マラソンペースを向上させるには様々なペースで練習に取り組む必要がある

マラソンペースを向上させるには様々なペースで練習に取り組む必要がある

© jacoblund/Getty Images

「マラソンに向けたトレーニングのロングランではレース本番のペースよりも1.5kmあたり約60秒遅いペースで走っても問題ありませんし、そのくらいのペースを維持すべきですが、ショートランでは本番と同じペースで走る必要があります」
「このようなショートランに取り組めば、本番の効率を高めてくれると同時に、本番での自分のスピードが理解できるようになります」
「本番同様のテンポランをトレーニングに組み入れましょう。同じペースで5~8km走るのは余裕に思えるかもしれませんが、効果は十分あります。練習から体に刻みつけておけば、ペースを維持できるようになり、スマートウォッチ要らずになれます」
「トレーニングから本番のペースで走るようにすれば、その現実性を実感できるようにもなります」
「週を重ねるごとにテンポランの距離を最長16kmまで延ばしていきましょう。または、ロングランのラスト3kmほどを本番のペースで走るようにしましょう」

6:本番で飛ばしすぎない

本番では飛ばしすぎないようにする

本番では飛ばしすぎないようにする

© Philipp Schuster for Wings for Life World Run

「数ヶ月に及ぶトレーニングプランをこなすのですから、本番でその努力を台無しにしてしまうミスは避けたいはずです。多くのランナーが犯してしまうミスの中で最大と言えるのがペースの上げすぎです」
「テーパリングを経てフレッシュなコンディションでレースに臨めば最初の数kmが楽に感じます。 “なんだ楽勝じゃないか” と思ってしまうのです。ですが、調子に乗って飛ばしてしまうと42.195kmの完走は難しくなります。周りのランナーのペースに振り回されず、自分のペースを冷静に保つことが必要です」
「自分のペースに合った集団と走るのもグッドアイディアです。そのような集団に加われば、自分のレベルに相応しいペースでベテランランナーに引っ張ってもらえます」
スタートラインで自分のレベルに合った位置につくことも重要です。そのためには余裕を持って会場に到着するようにしましょう。正しいスタートポジションにつくことができれば、スタートから自分のペースで走ることができます」

7:正しいマインドセットを手に入れる

モチベーションが得られればトレーニングをハードにこなせるようになる

モチベーションが得られればトレーニングをハードにこなせるようになる

© Craig Kolesky / Red Bull Content Pool

「トレーニングプランはフィジカルを鍛えるためのものではありません。マインドも鍛えてくれます」
「たとえば、ロングランを終えるたびに本番に向けて自信を深めることができますし、本番ペースのショートランをこなせば目標達成が現実味を帯びてきます。また、インターバルセッションを積極的にこなせば、最終盤で必要になる持久力を手に入れることができます」
「自信を深めるきっかけになるのは “トレーニングが上手くいった” という実感だけではありません。上手くいかなかった部分の修正もきっかけになります」
「ロングランを目標距離の手前で終えてしまったり、テンポランの設定距離を走れなかったりしたら、翌週に再チャレンジする - これがマラソンで成功を収めるために必要なマインドセットなのです」