Jost Arens zeigt beim Rolling Loud Festival in Rotterdam einen Bigspin Frontside Bluntslide.
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スケートボード

【スケートボード】ウォームアップ・怪我予防用エクササイズ&ストレッチ 7選

柔軟性を高めて怪我を予防しよう! スケートボードのセッション前後に取り入れたいエクササイズを紹介する。
Written by Stefan Schwinghammer
読み終わるまで:6分Published on
スケーターなら誰もがスポットに到着したらすぐにボードに乗ってライディングを始めたいはずだ。しかし、スケートボードのイメージには反するかもしれないが、数分かけてストレッチをしてウォームアップをすれば、セッションに向けてパーフェクトな準備ができる上に怪我も防げるようになる。
サイモン・クレーマー(左)とヨスト・アレンス

サイモン・クレーマー(左)とヨスト・アレンス

© Stefan Schwinghammer

ヨスト・アレンスはこのことを良く知っている。
「ウォームアップをすればすぐにライディングできるようになりますが、長い時間をかける必要はありませんね。ウォームアップをしなければ最初のキックフリップで足に痛みを感じますし、身体も重くてほぐれていない感覚を得てしまいます」
プロスケーターの彼は怪我を重ねてきたため、身体をできる限りフィットさせてレジリエンスを高めておくことの重要性を理解している。
10年後もライディングを続けていたいので、数年前からエクササイズを取り入れています
ヨスト・アレンス
有り難いことにアレンスには整形外科と外傷外科を専門にしており、スケートボードにも詳しい友人がいる。その友人サイモン・J・クレーマーウォームアップのメリットについて次のように語っている:
体内酸素量が増える

ヒント

ウォームアップは筋肉と腱の血流を促進して関節に栄養を補給し、心臓血管系に刺激を入れるので、体内の酸素量が増えます。

サイモン・J・クレーマー

また、心臓血管系の機能がより速く最大限に達する助けになる。
素早く動けるようになる

ヒント

ウォームアップは自分の意識を “運動モード” に切り替えます。これはライディングとベイル(転倒前にボードから離れること)の両方に向けた準備ができることを意味します。つまり、素早く動けるようになると同時に怪我を防げるようになるのです。

サイモン・J・クレーマー

それでは早速ウォームアップ・怪我予防用のエクササイズとストレッチを紹介していこう。
01

レッグスウィング

後方へのレッグスウィング

後方へのレッグスウィング

© Stefan Schwinghammer

前方へのレッグスウィング

前方へのレッグスウィング

© Stefan Schwinghammer

3km圏内のスポットはプッシュで向かっていますが、レッグスウィングはプッシュと同じ動作です。これを取り入れたことでより楽にスポットへ向かえるようになりました
やり方:最大限のパワーでプッシュしているイメージで脚を前後に振る。片脚10回ずつを1セットとして2セット。身体を安定させるために腕も振ろう。
目的:
  • 太腿、脚全体、臀部、腰、腹筋をウォームアップする。
  • 臀部の可動性を高める。
防げる怪我:
  • 股関節痛み
  • 太腿の張り
  • 腰痛
  • 肉離れ
02

レッグスウィング(サイド)

斜め前に振り出す

斜め前に振り出す

© Stefan Schwinghammer

真横に振り出す

真横に振り出す

© Stefan Schwinghammer

キックフリップの動きに近いので、そのためにこのエクササイズを取り入れています。負荷が小さくて痛みが少ないのも良いですね
やり方:まっすぐ伸ばした脚を軸足の斜め前と体側側で往復させる。片脚10回ずつを1セットとして2セット行う。
目的:
  • 臀部をほぐして可動性を高める。
  • 太腿と体幹をウォームアップする。
防げる怪我:
  • 股関節痛
  • 太腿の張り
  • 外転筋痛
  • 腰痛
  • 肉離れ
03

足首のストレッチ

足首をストレッチする

足首をストレッチする

© Stefan Schwinghammer

このエクササイズを取り入れてからは、足首をひねっても捻挫のような大怪我になったことがありません。柔軟性が高まるので捻挫を防げるようになり、さらにはフリップもしやすくなります
やり方:内側か外側に傾けて10秒間維持する。両側を行ったら足を入れ替えて同じ動作を繰り返す。両足1セットで2セット行う。
目的:足首(足首の靱帯)の伸展。足首はライディング中に無防備になる部位のひとつなので伸ばしたり、断裂したりしてしまう可能性がある。アレンスはこのエクササイズで柔軟性を高めて怪我を防いでいる。
防げる怪我:
  • 足首の靱帯損傷
  • 足首の靱帯断裂
  • 足首の骨折・ヒビ
04

ヒップローテーション

臀部を回転させる

臀部を回転させる

© Stefan Schwinghammer

股関節痛を患ったとき、3人の医者から股関節の手術が必要と診断されましたが、サイモンには股関節ではなく臀部の問題だと診断されました。これは臀部の問題を回避するためのエクササイズです
レッドブルからサイモンを紹介されたアレンスはこのときの診断に満足したため、現在はサイモンと理学療法士に診てもらったあと、自分を含めた3人でリハビリプログラムを組んでいる。このエクササイズはそのプログラムに組み込まれている。
やり方:軸足に重心を置く。軸足ではない脚を膝から曲げて太腿を体側から前方へ90度回転させる。前方への回転を10往復したあと、後方へ10往復する。そのあと軸足を入れ替えて同じ動作を繰り返す。
目的:
  • 臀部の柔軟性と可動性を高める。
  • 腹筋と腰の安定性を高める。
防げる怪我:
  • 股関節痛
  • 痙攣
  • 内転筋痛
05

ディープスクワット

ディープスクワット

ディープスクワット

© Stefan Schwinghammer

これも臀部用です。トリックに長時間取り組んだあと、休憩後に立ち上がると足が前に出なくなる問題を2、3年抱えていましたが、これを取り入れると問題が解消されました
やり方:両膝を曲げて沈み込む。背中は伸ばし、両腕は前に出して伸ばす。余裕があれば左右に少し揺れて重心を右足から左足、左足から右足へ動かしても良い。
目的:
  • 太腿と腰のすべての筋肉に刺激を入れてストレッチする。
  • 臀部と膝の関節を深く曲げることで柔軟性を最大限高める。
防げる怪我:
  • 腰の張り
  • 膝の靱帯の怪我
06

背中のストレッチ

背中に刺激を入れる

背中に刺激を入れる

© Stefan Schwinghammer

床につける位置を変えて刺激を入れる部位を変える

床につける位置を変えて刺激を入れる部位を変える

© Stefan Schwinghammer

1年前は指でつま先に触れられませんでしたが、今は手のひらを床につけられます。痛みが伴うエクササイズですがすぐに効果が得られるのでモチベーションを維持しやすいです
やり方:両脚を広げて立ち、手の指を床につける(もしくはつけようとする)。指の位置を変えていくことで異なる筋肉群に刺激を与えていく。背中側を伸ばして可動性を高めることができる。
目的:
  • 腰とハムストリングのストレッチ。
防げる怪我:
  • 腰の張りと痛み
07

肩の回転

肩を回転させる

肩を回転させる

© Stefan Schwinghammer

肩に問題を抱えたことはありませんが、問題を抱えている仲間を知っています。足首と同じく肩も怪我をしてしまえばスケートボードが楽しめなくなるので予防策として取り入れています
やり方:リラックスして立ち、両腕を横に開いたあと肩から回転させる。前後いずれかの方向に10回転させたあと、逆方向に10回転させる。手首を振りながら回転させても良い。
目的:肩と肩甲骨のウォームアップ。肩の安定性と肩周りの関節の可動性を高められる。スケートボードでは両脚が重視されるが、上半身を過小評価してはいけない。たとえば、180や360のメイクでは両腕をかなり使うことになる。また、転倒時の肩と背中の怪我を防ぐのにも役立つ。
防げる怪我:
  • 肩の脱臼
  • 肩周辺のヒビ
08

最後に

ストレッチはクールダウンにも適している。ライディングを終えたあとにもストレッチすれば柔軟性がさらに高まり、筋肉がより早くリカバリーできるようになる上に筋肉痛も軽くなる
ライディングを終えたあとはのんびりと自転車で帰るのがベストだ。こうすることでライディング中にかなりの衝撃を受けた関節の軟骨を休ませることができる。余裕がある人はサウナアイスバス(温冷交代浴)も試してみよう。アレンスは冷たいシャワーをエクササイズの前後に浴びるようにしている。
また、回復の効果を高めるためには正しい食事十分な水分補給も重要だが、残念なことに「終わったあとにビールを飲む」は水分補給には含まれない。
自分の身体をケアするためには自分を律することが必要だが、アレンスは常にそれができているわけではない。
アレンスは、タフなセッションを終えたあとは必ずストレッチをしているが、近所のスケートパークで仲間と一緒に軽くライディングするだけのときはストレッチをしないで終えるときがある。自分を上手くコントロールする必要があるのだ。
「ストレッチは楽しくないので、不要なときはスキップしていますね」
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Jost Arens

Jost Arens straddles the world of street skating and contests seamlessly and is fast becoming one of European skating's undeniable stars.

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