HYROXの魅力は、どのレベルのどのアスリートでも参加できることだ。しかし厄介なことに、ローレン・ウィークスやハンター・マッキンタイアのようなトップアスリートたちはまだ引退からほど遠く、世界記録の更新を続けている。
しかし、希望を失ってはいけない。HYROXではとにかく頻繁に記録が更新されているので、誰にでもトップに立つチャンスがあると考えることもできるのだ。
そこで本記事では、トレーニングのインスピレーションとして、HYROXのレジェンドアスリートたちのランキングと世界記録をまとめてみることにした。努力を積み続ければ、自分の名前がランクインする、あるいは歴史に残るかもしれない!
01
男女エリート15
HYROXエリート15はHYROXの頂点に位置している。男女各トップ15がHYROXマスターの称号を賭けて真剣勝負を繰り広げるカテゴリーだ。
女子エリート15最速記録は女子ワールドチャンピオンに3回輝いているローレン・ウィークスが保持している。ウィークスはHYROXエリート15の2025シーズン開幕戦アムステルダムで57分28秒を記録した。
尚、このレースは楽ではなく、2位の元ワールドチャンピオンのメガン・ジャコビーが32秒遅れで猛追する展開となったがが、それでもウィークスは自己ベスト58分3秒を大幅に上回って女子エリート15最速記録を更新した。
また、このレースでは、男子ワールドチャンピオンのアレクサンダル・ロンチェビッチがHYROX歴代2位の53分31秒を記録。ロンセビッチのこの記録も、22秒差で迫っていた2位ジェームズ・ケリーが貢献したと言えるだろう。
02
男子プロ
ワールドチャンピオンに3回輝いているハンター・マッキンタイアは間違いなく史上最強のHYROXアスリートで、当然ながら2023年のストックホルムで男子プロ最速記録53分22秒を記録している。
その他の男子プロ年齢別最速記録:
- 16-24歳:ティム・ヴェニッシュ(56分7秒 | ケルン2023)
- 35-39歳:リッチ・ライアン(54分28秒 | シカゴ2024)
- 40-44歳:ルーカス・ストラス(56分18秒 | アナハイム2024)
- 45-49歳:ダビド・マルティン・ペラル(1時間1分20秒 | マラガ2023)
- 50-54歳:ガイ・ポートロック(1時間2分35秒 | ベルリン2025)
- 55-59歳:ジョゼ・コイ(1時間2分55秒 | ベルリン2025)
- 60-64歳:マルク・チースマー(1時間18分34秒 | ハンブルク2023)
- 65-69歳:ジョン・ハウス(1時間43分42秒 | ラスベガス2022)
03
女子プロ
女子プロは、万能アスリートのローレン・ウィークスが2025年3月12日にグラスゴーで記録した56分22秒が最速記録となっている。
その他の女子プロ年齢別最速記録:
- 16-24歳:ジョアンナ・ヴィトリック(56分49秒 | グラスゴー2025)
- 25-29歳:ヴィヴィアン・タフト(59分38秒 | グラスゴー2025)
- 30-34歳:ローレン・ウィークス(58分3秒 | ウィーン2024)
- 35-39歳:ローレン・ウィークス(56分23秒 | グラスゴー2025)
- 40-44歳:イザベル・クレーマー(1時間2分58秒 | グラスゴー2025)
- 45-49歳:マリーサ・ロバートソン(1時間7分33秒 | メルボルン2023)
- 50-54歳:エイミー・ベヴィラクア(1時間1分9秒 | トロント2024)
- 55-59歳:アンナ・ブクソ(1時間15分39秒 | 世界選手権2024)
- 60-64歳:ハイジ・ウィリアムス(1時間30分32秒 | ダラス2020)
04
男子プロダブルス
リッチ・ライアンとペラヨ・メネンデス・フェルナンデスが2025年4月のマイアミで男子プロダブルス最速記録48分31秒を記録した。男女ともにプロダブルスでは頻繁に世界記録が更新されており、この事実はアスリートたちがアプローチやフィットネス、チームワークを微調整して挑むほどこのカテゴリーが成熟していることを示している。
その他の男子プロダブルス年齢別最速記録:
- 16-29歳:チャーリー・ボッテリル&オーリー・ラッセル(50分2秒 | ロンドン2025)
- 40-49歳:ジョフリー・ヴォワザン&ギヨーム・ルヴォイ(50分57秒 | ロンドン2025)
- 50-59歳:サイモン・パスモア&ダニー・セビージャ(58分2秒 | フランクフルト2024)
05
女子プロダブルス
ティア=クレア・トーメイとジョアンナ・ヴィトリックが2025年3月にヒューストンで女子プロダブルス最速記録54分24秒を記録した。素晴らしいことに2人は最年少カテゴリー16-29歳でこのタイムを記録しており、さらなる記録更新の可能性が大いにあることを示した。
その他の女子プロダブルス年齢別最速記録:
- 30-39歳:メガン・ジャコビー&リンダ・マイアー(55分2秒 | ケルン2024)
- 40-49歳:イザベル・クレーマー&ムンスタ・シウロ(58分33秒 | パリ2024)
- 50-59歳:クリスティアナ・ヒルダー・グナスドティール&カミラ・アベルグ(1時間4分26秒 | コペンハーゲン2025)
06
男子オープンシングルス
アレクサンダル・ロンチェビッチが2024年4月のケルンの男子オープンを50分38秒でフィニッシュし、エリート15の記録を軽々と上回った。普段は小学校の先生をしているアスリートにとっては上々の結果だ。
その他の男子オープンシングルス年齢別最速記録:
- 25−29歳:ディラン・スコット(53分42秒 | ワシントンD.C.2025)
- 40−44歳:チアゴ・ロウサ(53分55秒 | ウィーン2025)
07
女子オープンシングルス
2024年9月のケープタウンから女子シングルオープンはルールが改正され、ウォールボールを75回ではなく100回完了しなければならなくなった。つまりこれは女子最新カテゴリーであり、今後いくつもの記録更新が行われることが予想される。現時点では2025年3月にワシントンD.C.でローレン・ウィークスが記録した55分38秒が最速記録となっている。
その他の女子オープンシングルス年齢別最速記録:
- 16-24歳:ルーシー・プロクター(57分35秒 | グラスゴー2025)
- 25-29歳:ソフィア・パルヴィツィ・ウェイン(57分36秒 | ウィーン2025)
08
男子オープンダブルス
16-29歳のジェイク・ウィリアムソンとファビ・アイゼンラウアーが2025年のベルリンで47分57秒を記録し、世界記録を更新した。
その他の男子オープンダブルス年齢別最速記録:
- 30-39歳:リッチ・ライアン&ペラヨ・メネンデス・フェルナンデス(48分36秒 | ダラス2023)
- 40-49歳:アレクサンダル・ロンチェビッチ&ジョゼ・コイ(51分4秒 | ウィーン2025)
- 50−59歳:ガスパー・ヴァラン&ジョゼ・コイ(54分40秒 | ワルシャワ2025)
- 60-69歳:シュテファン・アイヒホルン&ピーター・ケリー(1時間3分45秒 | コペンハーゲン2024)
- 70+:スチュアート・チョーリー&マリノ・マリンカ(1時間35分16秒 | ロンドン2024)
09
女子オープンダブルス
こちらもボールウォール100回で、メグ・マーティンとモリー・エモンドが2025年3月のブリスベンで30-39歳の枠で出場して54分20秒でフィニッシュし、世界記録を更新した。
その他の女子オープンダブルス年齢別最速記録:
- 16-29歳:アレックス・ヒル&ローレン=リー・リチャードソン(55分12秒 | ベルリン2025)
- 40-49歳:サム・ビルビー&ジョルジーナ・ウッド(58分4秒 | マンチェスター2025)
- 50−59歳:ルーシー・イーガン&キャサリン・オハラ(1時間7分34秒 | マラガ2025)
- 60+:ジュリー・パンバーン&メリッサ・ヴァン・ドーレン(1時間10分20秒 | マイアミ2025)
10
混合ダブルス
2025年前半のヨーロッパでは混合ダブルスで記録ラッシュとなり、5つの世界記録のうち3つが更新された。当然ながら、アレクサンダル・ロンチェビッチもここに絡んでおり、2024年4月のケルンで、アリス・シューラーと組んで50分58秒を記録した。
その他の混合ダブルスオープン年齢別最速記録は以下の通り:
- 30-39歳:メガン・ジャコビー&ルーカス・ストラスリ(51分8秒 | ケルン2025)
- 40-49歳:ジョフリー・ヴォワザン&イザベル・クレーマー(53分43秒 | uウィーン2025)
- 50−59歳:ティロ・シュマルコーク&アレクサンドラ・ヴァージン(59分54秒 | マラガ2025)
- 60+:ウェンディ・ウィリアムス&ピーター・ケリー(1時間11分59秒 | マイアミ2025)
11
HYROXのレジェンドたち
女子第一人者
2024年のHYROXエリート15女子ワールドチャンピオンに輝いたメガン・ジャコビーは、初めて1時間切りを記録した女子アスリートとして歴史に名を残している。ジャコビーがHYROXを始めてからわずか2年後、2024年にフランス・ニースで開催された世界選手権で彼女は58分を記録した。
ライバル関係①
ここまで読めば、女子アスリート2名(メガン・ジャコビー&ローレン・ウィークス)が際立った存在であることが分かるはずだ。2人の親密なライバル関係は今のところメガン・ジャコビーがリードしているが、今後どうなるかは誰にも分からない。
ライバル関係②
ハンター・マッキンタイアは世界最強のHYROXアスリートなのかもしれないが、ジェームズ・ケリーがいなければどうなっていたか分からない。オーストラリア出身のケリーはアグレッシブなレーススタイルで知られており、マッケンタイアのタイトルを奪取することに命を燃やしている。
最速ウォールボール
ひとつのステーションに拘っているトラヴィス・オウルズは男子ウォールボールのマスターで、HYROXオリンピアリレーで2分54秒を記録。男子ウォールボールの平均タイムは3分40秒から4分程度なので、圧倒的と言えるだろう。
妊婦最速記録
HYROXワールドチャンピオンに3回輝いているローレン・ウィークスは、2022年のHYROX世界選手権に妊娠8ヶ月で出場し、14人中9位でフィニッシュした。
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