Johan ‘N0tail’ Sundstein celebrates at The International 2018
© Ten100/Red Bull Content Pool
eスポーツ

『Dota 2』:OG n0tailが振り返る "TI8優勝を引き寄せた瞬間"

OGにTI初制覇をもたらすきっかけとなった2018年のグランドファイナルの重要な一瞬をJohan "n0tail" Sundsteinが振り返る。
Written by Ric Cowley
読み終わるまで:4分公開日:
『Dota 2』での見事なタワーダイブ。『FIFA』シリーズ でのアディショナルタイムでの逆転劇。『ストリートファイターV』での体力ドットからのパーフェクトな必殺技。ビデオゲームを楽しんでいる人なら、細部まで明確に覚えている “自慢の瞬間” をいくつか持っているはずだ。
このような素晴らしい瞬間はそれぞれの人生で重要な位置を占めているが、eスポーツプレイヤーはそのことを誰よりも良く知っている。彼らにとって、このような瞬間はトロフィーへの接近とトーナメント敗退を分ける対戦の分水嶺 / ターニングポイントになる場合が多いからだ。
今回は、『Dota 2』のトップチームOGを率いるJohan “n0tail” Sundsteinをキャッチして、2018年に開催された同シーン最高峰トーナメント “The International 8” のグランドファイナルを振り返ってもらった。テキストと動画(英語音声)でトッププロプレイヤーの “究極の瞬間” を追体験しよう。
01

長い道のり

2018年8月25日、OGはThe International 8のグランドファイナルでPSG.LGDと対戦した。OGはオープン予選を勝ち抜いてグループリーグ進出を決め、苦しみながらグループリーグを何とか4位で抜けると、メインイベントで真の実力を発揮し、強敵を次々と倒してグランドファイナル進出を決めた。
最後の決戦まで駒を進めたOGは、優勝に相応しいのは自分たちだと思えるだけの自信を得ていた。しかし、PSG.LGDは簡単に倒せる相手ではなかった。n0tailは次のように振り返る。
「PSG.LGDとの対戦はあのときが2回目だった。過去の対戦経験から、彼らのことはリスペクトしていた。最強の対戦相手と思っていたし、なんなら僕たちよりも強いとさえ思っていたね。やりづらさを感じていた」
02

想定外

グランドファイナルのゲーム1は重要だ。このゲームを取れれば主導権を握ることができる。また、対戦相手のクセや戦い方を学べる機会でもある。しかし、ゲーム1でOGはいきなり虚を突かれた。
「PSG.LGDはそれまでやったことがないことをやってきた。レーンを入れ替えたんだ。ゲーム1から彼らの気迫が感じられた」
しかし、この想定外のレーンスワップは機能せず、逆にOGがリードを奪うことになる。そしてOGはリードをさらに広げるべく、獲れば大きなアドバンテージを得られる中立クリープ “Roshan” を狙いに行く判断を下した。逆にPSG.LGDは “Roshan” を絶対に獲らせてはいけなかった。
n0tailの鋭い読みがタイトルを引き寄せた
n0tailの鋭い読みがタイトルを引き寄せた
03

瞬間

“Roshan” を獲ろうとするOGを止めたいPSG.LGDに残されていた手は、ギリギリのタイミングでジャンプインして彼らよりも先に “Roshan” を獲ることだった。しかし、戦況と対戦相手のヒーローたちを完全に把握していたn0tailは、PSG.LGDがその手で来ることを予想し、カウンターのカウンターを用意した。
PSG.LGDが送り込んだヒーローは、n0tailをスタンさせることができる《Elder Titan》と “Roshan” のピットにジャンプインしてOGの目の前で “Roshan” を獲ることができる《Storm Spirit》の2体だけだった。彼らのこのプレイは置かれている状況への最適解になるはずだった。しかし、n0tailの中でこの最適解は想定内だった。
04

読み勝ち

PSG.LGDが最適解に沿ってプレイをしようとした瞬間、n0tailは《Elder Titan》のスタンを封じ込めるべく立ち回った。しかし、これだけでは彼らを完全に止めることはできなかった。
そこでチームメイトのSébastien "Ceb" Debs“クローザー” を担い、PSG.LGDが “Roshan” のピットにジャンプインしたタイミングで [Meteor Hammer]を放って彼らを止めた。こうして、オブジェクト奪取に成功したOGは、そのまま敵のベースへ向かうとゲーム1を手にしたのだった。n0tailは次のように振り返る。
「あのプレイは、僕たちのチームとしての強さとグランドファイナルへの入り方を説明している。僕たちはプランを変えることなく、自分たちのプレイに徹していた。一方、PSG.LGDは何か変える必要があると感じていた。だからこそ、ゲーム1から奇策を取ってきたんだけど、上手く機能させることはできなかった」
結局、OGはこのグランドファイナルを3-2で制してチーム初のTI優勝を手にし、レジェンドの仲間入りを果たした。ゲーム1のこの瞬間が、彼らに “優勝できる” という自信を与えたのだ。
▶︎世界中から発信される記事を毎週更新中! 『新着』記事はこちら>>