アイザック・ハジャー:急成長を続けるF1ルーキーの素顔
— テニス選手ラファエル・ナダルがサーブ前に顔や身体を触るクセは試合中に起きたことを忘れるためと言われています。あなたにも同じようなクセはありますか?
ステアリングホイール以外に触れる場所はほとんどありませんし、クラッシュしないように気をつけているので、答はノーです。
— では逆に、どのようにしてレースから自分を切り離していますか? 瞑想、ゲーム、映画、それとも読書?
必要なのは友人たちとテーブルを囲んで地元の美味しいお茶を楽しみ、他愛もない話をすることだけです。親しい人たちとのお茶。基本的にはそれだけです。
— フィットネスの話題に移りましょう。最近の数カ月であなたのルーティンに変化はありましたか?
F1ドライバーのトレーニングは本当に複雑です。移動が多すぎますし、同じ場所に3日間滞在することも稀です。また、レースウィークエンド中はトレーニングできません。トレーニングは必要ですが、する意味がないような感じです。フィットネスを維持しなければなりませんが、トレーニングをすればさらに疲労してしまいますから。
シーズンを通じてフィットネスを維持する努力をしていますが、本気で自分を追い込めるのは冬のオフシーズンかサマーブレイクだけです。ですので、やりたくなくても、貴重なバケーション中にフィジカルトレーニングに取り組まなければならないのです!
F1ドライバーのトレーニングは本当に複雑です。移動が多すぎますし、同じ場所に3日間滞在することも稀です
— ボクシングはどうですか? あなたは幼少期にボクシングをしていたそうですが、今でもグローブを着けることはありますか?
なるべくそうするようにしています。
— 今でもファイターのスピリットを保っていますか?
ファイタースピリットは生まれたときから備えていますよ。生まれた日からずっとです。
— 今でも格闘技をフォローしていますか?
そうですね。特にMMA(総合格闘技)はずっとフォローしています。開催中のイベントはすべて追っていますし、ボクシングのビッグマッチも追っています。すべてをフォローしていますよ。
— 格闘技を観戦する時間はありますか?
レースウィークエンド中、午前10時にサーキット入りする日は朝5時に起床して試合を観戦しています。
— それでモチベーションを得ているのでしょうか?
朝5時に起床したのに好きなファイターが負けてしまったときは難しいですね。落ち込んでしまいます。そんなときはまたベッドに潜り込みます。その日は大変な1日になることが分かっていますからね。
— F1デビュー直後を振り返って、どのような部分が最も成長したと思いますか?
各サーキットへの適応と、ペースを掴むのが早くなったと思います。シーズン序盤と比べると、レースウィークエンドへの入り方はかなり良くなりました。今では、サーキットを2〜3周もすればペースを掴めています。
シルバーストンを例に挙げると、フリープラクティスではしばらくの間僕が最速でした。マクラーレンに乗っているわけでもないのにですよ!
瞬発力がかなりつきました。早くに調子を掴めているので、「ここで0.5秒ロスしている、あそこで0.3秒ロスしている」などと思い悩むことなくマシンのセットアップに集中できています。悩めば時間を失ってしまいますし、最初から自分が乗れていれば、レースウィークエンドはより良い方向に進んでいきます。
— では、まだ改善が必要な部分は?
正直に言うと、自分には特定の強みもなければ弱点もないと思っています。改善が必要なのは全体のパッケージですが、レースごとの経験に比例して高まっています。
— 思っていたよりも簡単にマスターできたことはありますか?
シーズン開幕前に僕が恐れていたことは、F1での経験がほとんどなかったことでした。F2からF1への昇格はかなり大きなステップアップですし、「F1に慣れて、チームメイトから0.2〜0.3秒も遅れないようになるまで、何レースが必要になるのか?」と考えていましたが、実際は違いました。ですので、F1の純粋なスピードは思っていたよりも簡単に慣れることができました。
— F1デビュー後で一番恐かったことは?
モナコの予選前はあまり調子が良くありませんでした。午前中にフリープラクティスを走りましたが、タイムは17番手で、まったく自信がありませんでした。厳しい状況でしたが、恐怖よりは不安が大きかったです。
「モナコで酷い週末を過ごして、トップ10にも食い込めないなんてあり得ないぞ」と自分に言い聞かせていたので、不安を抱えて予選を迎えました。ですが、蓋を開けてみると、それまでのシーズンで最高の週末を過ごせました(編注:この時点での自己最高位となる予選6番手・決勝6位を記録)。自分にプレッシャーをかけるアプローチが上手く機能しました。
— これまでで一番ゆっくりできた休暇は?
3月末に日本で過ごした1週間ですね。レースの1週間前に日本へ到着しました。ひとりで東京に降り立って、何の約束やメディア対応もありませんでした! 僕が何をして過ごしたかは詳しく言いませんが、日本には友人もいますし、素晴らしい休暇になりました。
—InstagramをはじめとするSNSのファンは声援やポジティブなメッセージをあなたに送っていますが、すべてのアスリートがそのようなファンに恵まれているわけではありません。あなたにとって、ファンからのサポートはどれほど重でしょうか?
誹謗中傷をする人たちはいずれ出てくるでしょう。彼らはどこからともなく何の理由もなく現れます。僕を応援し、フォローしてくれるファンたちには本当に感動していますが、正反対も覚悟しておかなければなりません。
僕は息の長いキャリアを望んでいますが、自分のパフォーマンスをして、タイトルを勝ち取ってきたあらゆるアスリートたちはヘイトや誹謗中傷の標的になる局面を経験してきました。いずれにせよ、僕が受け取っているすべての愛には今の100%感謝しています。