Ryan Sandes pictured during his attempt to run the Great Himalaya Trail in a record time in 2018.
© Dean Leslie/Red Bull Content Pool
ウルトラ ランニング

【孤独を活かす】ライアン・サンデスがグレート・ヒマラヤ・トレイルで学んだこと

ヒマラヤ山脈1,504kmを24日で走破するビッグチャレンジに挑めば、多くの時間を自分との会話に費やすことになる。トップウルトラランナーがヒマラヤ山脈で得た学びを語る。
Written by Ryan Sandes
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多くの人が雪に覆われたヒマラヤ山脈に対してロマンティックなイメージを持っています。ですが、実際に現地へ向かい、そびえ立つ山々を見上げれば、まったく違う視点を持ちます。ロマンティックさがひとつもない厳しい現実を目の前に突きつけられるのです。
2018年、僕はライノ・グリーセルと全長1,504kmグレート・ヒマラヤ・トレイル世界記録更新を狙っていました。言うまでもなく、僕がそれまでに経験した中で最もワイルドでクレイジーな旅でしたし、究極のアドベンチャーになることが予想されていました。しかしチャレンジが始まると、自分の予想を遙かに超える壮大な旅になりました。
24日連続で走り続けてこの距離を走破するというのは僕にとって初めてでしたし、非常にチャレンジングでした。100kmランなら10kmランに区切って考えることができますが、グレート・ヒマラヤ・トレイルでは不可能でした。
Quotation
ヒマラヤでの孤独な時間を通じて多くを学びました。小さなことに感謝するようになります
ライアン・サンデス
僕たちはそれまで一度も想像したことがなかったチャレンジに毎日遭遇しました。これが2人にとても大きな影響を与えました。集中できる日が1日もなかったんです。
チャレンジにひとつずつ対応しながら、大きな村に辿り着けたり、ある程度ちゃんとした食事が摂れたりした瞬間をちょっとした “勝利” として捉えて自分たちを祝福していく必要がありました。小さな進捗を意識していくのです。
チャレンジを通じて僕はライノと一緒でしたが、このような状況ではどうしても自分と向き合う時間が長くなります。僕はそういう時間が好きですし、孤独になることで自分のパフォーマンスを守れるようになっていきます。孤独になると自分の頭で物事を考える時間が得られます。
グレート・ヒマラヤ・トレイルを進むライアン・サンデスとライノ・グリーゼル

グレート・ヒマラヤ・トレイルを進むライアン・サンデスとライノ・グリーゼル

© Dean Leslie/Red Bull Content Pool

僕はヒマラヤでの孤独な時間を通じて多くを学びました。ほんの小さなことに感謝するようになりました。
僕はレースで優勝した経験や表彰台に上った経験がありますが、今回のチャレンジはそれらとは異なり、チェックボックスをひとつずつチェックしていくような感覚が得られました。ちょっとした成功を喜び、ちょっとしたプロセスを楽しむことが重要なのだということを学びました。
また、寛大で優しい心を持ち、ひとりひとりに丁寧に対応することの大切さも学びました。寝る場所の提供など色々な形で僕たちを助けてくれたヒマラヤに住む人たちの優しさがなければ、僕とライノはこのプロジェクトを完了させるどころか、生き残ることもできなかったでしょう。広い心で人と接することを学びました。
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ポジティブな出来事に目を向けるようにしてください。それしかできない時があります
ライアン・サンデス
チャレンジを通じてライノと強固な関係を築くことができましたが、とにかく彼はタフでした。僕は彼ほど強い意志を持っている人間を知りません。彼は絶対に諦めませんでした。ライノは酷い凍傷を煩い、怪我も数回負ってしまいましたが、失神するまで前進を止めませんでした。
このチャレンジは僕たち2人から多くを奪いました。完全にリカバリーして自分が何をしたのかを理解するまではかなり長い時間が必要になりました。フィジカルよりもメンタルのリカバリーが大変でした。
チャレンジ中は、自分たちが置かれている状況を最大限活かそうとしていたことをよく覚えています。生きていると色々な出来事が起きますし、ネガティブな出来事もありますが、ポジティブな出来事に目を向けるようにしてください。それしかできない時があります。

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