Freerunner Jason Paul gestures to the camera as he slides down the Streif on his back in Kitzbühel, Austria on January 17, 2026.
© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool
フリーランニング

スキー x フリーランニング:ジェイソン・ポールが超難関滑降コースに挑戦!

フリーランナーのジェイソン・ポールがオーストリア・キッツビュールの世界的に有名なアルペンスキーダウンヒルコース "シュトライフ" でフリーランニングに挑戦! ひとつのミスも許されない雪と氷の急斜面でのパルクールをテキストと動画でチェック!
Written by Günter Baumgartner and Agnes Aneboda
読み終わるまで:4分Published on
フリーランナーのジェイソン・ポールは、2025年のアルペンスキー・ワールドカップ “ハーネンカム” を観戦中に今回のアイディアを思いついた。
オーストリア・キッツビュールで開催されるこのレースの超難関ダウンヒル(滑降)コース “シュトライフ” をワールドクラスのスキーヤーたちが滑降しているのを見たポールは、このコースでフリーランニングをしたらどうなるのだろうと考えたのだ。
そして今年、ポールはそのアイディアを現実に変えた。しかし、1回で十分だったようだ。
「もう二度とやらないでしょうね」とポールは撮影終了後にコメントしている。

2分

ジェイソン・ポール:シュトライフでフリーランニング!

ジェイソン・ポールが超難関アルペンスキー滑降コースでパルクールに挑戦!

01

スキー滑走コースでフリーランニング?

シュトライフでのフリーランニングを成功させたジェイソン・ポール

シュトライフでのフリーランニングを成功させたジェイソン・ポール

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

シュトライフはただのスキーコースではない。ここでミスをした瞬間にその代償を払わなければならない超難関コースで、最後の直線がスキーヤーたちのキャリアの成否を分ける。ポールはこのことを理解していた。この高難度こそが挑戦する理由だったのだ。
フリーランニングは、一般人がまず無視するようなユニークなスペースに “人が通れるルート” を見出すスポーツだ。ゆえに、シュトライフのレースを観戦に訪れたポールも、そのコースを異なる視点から見ていた。ダウンヒルコースとしてではなく、テイクオフ、ランディング、トランジションが連続するシーケンスとして見ていたのだ。
「コース上に立ったときに、パルクールのスポットのように思えました。スタートゲートとその屋上を見たときに、パルクールのイメージができたのです」
02

氷と雪の世界

準備には1年を要した

準備には1年を要した

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

ポールのアイディアを現実に変えるためには1年という長い時間が必要だった。トリックの完成度を高めつつ、それらを現地でメイクできるかを判断していく必要があった。
はフリーランナーたちの敵だ。グリップが得られず、予測もできず、リスクは高い。すべてのジャンプが異なり、すべての着地に怪我の恐怖がつきまとった。
「シュトライフではミスが許されません。スキーヤーはもちろん、私にとってもそうなのです」
準備の大半は雪山から遠く離れた場所で進められた。現在、ポールは東京に住んでいるが、この大都市に雪と氷は存在しない。重要だったのはメンタルだった。動画を研究しながら、アングルを確認し、着地のヴィジュアライゼーションを進めていった。
「実際に練習できたのはヘリコプターからのジャンプだけでした。ジムのハイバーを活用しました」
03

空からのスタート

映画『007』のようなオープニングシーン

映画『007』のようなオープニングシーン

© Little Shao/Red Bull Content Pool

今回の動画プロジェクトのオープニングシーンは “空中” が選択された。
Flying Bullsのパイロット、ミルコ・フライムがヘリコプターを静止させると、ポールはスキッドからぶら下がったあと、約4m下のレッドブル・エナジー・ステーションに着地。そしてそこからさらにジャンプしたポールは、スタートゲートの凍てついたルーフへ着地した。
「アクション映画のようでしたね。まさに一生に一度の体験でした」
そこから、本格的なフリーランニングがスタートした。コースのグランドスタンドをフィーチャーに見立てたポールは、急峻なスロープをスライディングで滑降。すべてのムーブが正確に行われていった。ミスをすればそれで終わりだった…。
04

ハウスベルクカンテ

バックフリップをメイクするジェイソン・ポール

バックフリップをメイクするジェイソン・ポール

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

最も重要なセクションが、シュトライフ名物のビッグジャンプ “ハウスベルクカンテ” だった。
ここでポールはムーブをひときわ複雑にした。ひとりでアプローチする代わりに、スキーヤーのゼビ・モールとコンビを組んだポールは、モールの背中に掴まりながらハウスベルクカンテから飛び出しすと、モールから手を離してバックフリップをメイクしたのだ。
タイミングを正確に合わせ、バランスをパーフェクトにする必要があった。やり直しはできない状況だった。
「テイクオフした瞬間、完ぺきだと思えました。一瞬、すべてが逆さまになりました。太陽も顔を覗かせていましたし、最高でしたね」
05

フィニッシュ

美しいムーブでフィニッシュしたジェイソン・ポール

美しいムーブでフィニッシュしたジェイソン・ポール

© Little Shao/Red Bull Content Pool

ポールのフリーランニングもスキーと同じフィニッシュラインで終了したが、彼はコンマ数秒を競う代わりにスローダウンして、フリップを連続メイクしながらゴールした。
こうして、非常に大きなリスクを含んでいたポールのプロジェクトは意外なほど軽やかに終了した。
撮影を終えたポールは、シュトライフには敬意を払う必要があり、恐怖を感じたと振り返った。このコースは、彼が1年前の観戦時にイメージしていた通りの体験を与えてくれた。
それは最高に面白くて最高にクレイジーな体験だった。
しかし今、ポールは確信している。もう二度とやらないことを。
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