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◆ Information ◆
Red Bull Jukeboxのライブの全貌が遂に公開!
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01
【時間には限りがある!締め切りを決めて全力で走り抜けよう】
この日の取材は14:00から。
《ドライフラワー》や《ベテルギウス》、カラオケで何度歌ったか数え切れないあの名曲たちを生みだした優里センパイへのインタビュー。気合いが入って1時間前に到着。
ふふ、ちょっとワクワクして早く来すぎたかな?なんて思っていたら、程なくして「優里さん、入られま~す!」
!? え~!!早~い!あ、危なかった……! 今日は、失敗談として人生最大のピンチを聞くつもりが、いつも通り来ていたら自分の失敗エピソードが生まれるところだった......! でも、そんな時間厳守の優里さんも、昔は遅刻の常習犯だったらしい。
『僕、本当せっかちって言われるんですよ。タクシーの扉をまだ運転手さんが開けてないのに勝手に開けちゃって、ちょっと待ってください! って言われたりするぐらい(笑)。
でも10代の時はそんなことなかったんですよ。むしろ遅刻癖があったから学校でもバイト先でも謝ってばかりでしたね。仕事を始めるようになってから、遅刻をすると帰りも遅くなるし、相手も自分も大変で、良いことないなって気がついたんです。今は早すぎるぐらいだけど、遅刻よりはずっと良いかなって(笑)』
なんとも意外な過去だ。今では一変して、基本的に30分~1時間以上前には現場に到着するように。優里さんはとにかく時間を大切にする人だった。そして、その裏には、夢を叶える為の覚悟が垣間見える。
『時間には限りがあるって意識してから、だんだん自分が変わっていったんです。というのも、僕は、20歳ぐらいから真剣に音楽をやり始めたんですけど、25歳までに売れなかったら就職するって母親と約束していました。締め切りを設定したことで、ダラダラせず、それまでの時間120%で走ることができました。時間の使い方はいちばん大事だから、目標と一緒に期間は決めた方がいいと思います。でも、あんまり自分に厳しすぎない期間がいいのかな。僕にも、もちろん寄り道した時期があったので』
02
【勘違いから始まることもある。口に出すことで現実を引き寄せる!】
そんなストイックな一面もある優里さんだが、下積みの頃はやんちゃな時代もあったようだ。ただ、どんな時も自分の歌には自信があった。いつか自分はミュージシャンとして成功する! その思いは常に胸の中に燃えていたんだとか。
『特に10代の頃は楽しいことだけを考えて、親孝行してませんでした。それは少し失敗だったなというか、心配のかけすぎはよくないなって思いますね。夜に出かけて帰りも遅くて。でもいつも母親に、そのうちMステ出るから大丈夫だって! なんて言ってましたね。本当に出れたから今じゃ笑い話ですけど、なぜかいける気がしてたんですよ。まぁ勘違いなんですけど、ただ、できるって思うのはすごく大事なことで、きっと本気で思ってたから本当にできたんですよね』
いや~かっこいい! いろんな成功の仕方があるけれど、有言実行をするっていうのは本当に難しいこと。なぜなら、まだ遠く及ばないゴールに居る自分を想像して、口に出すのは怖いから。周りの目も気になるし、ましてや失敗した時になんて言われるかを考えただけでもう……。でも、だからこそ、その言葉と行動には、輝きが宿るのかもしれない。
『自分は音楽でプロになる。きっとなんとかなる。ここで終わるわけがない、って思ってたし、実際いつも言ってました。大きい夢ってはたから見れば馬鹿げてるから、なかなか本気で言えないんだけど、冗談っぽく笑いながらでも口に出すことは、すごく力になるんです。達成できた時は、周りも喜んでくれるし、ほらね! って言えるから自分も気持ち良い。声に出して言うことって大事ですよ』
03
【他人の意見で諦めない。個性を殺さない!】
だんだん自分の芯を持つことの大切さが分かってきた。でもやっぱり周りの声は気になってしまうって人も多いんじゃないでしょうか。だって、このSNS時代の世の中では、ダイレクトに反応が数字に出るし、個性が受け入れられないことも全然あると思う。自分らしさと世間の反応のバランス。僕らと同じこの悩みは、優里センパイも通って来たらしい。
『自分を知ってもらう為に路上ライブをしていた頃は、まだオリジナル曲が少ないから、カバー曲も歌ってました。カバー曲をアレンジして自分の色を出しすぎると、ネットで「あれはやりすぎww」とか言われるんですよね。最初はそういう反応が気になって自分らしさを抑えたりして。でもある時気づいたんです。このまま我慢して歌っていたら、いつか認められて世に出られても、後々自分が辛くなってしまうって』
なるほど。自分の意志に反して無理に形を変えることは、近道のようでもあり、長い目で見ればそうでないのかもしれない。自分が納得した状態で進む。自分の中にあるかっこいいを信じる。それが優里さんの美学だ!
『もちろん届くように歌うんだけど、媚びるのは良くない。世の中に音楽はたくさんあるから嫌いだったら他のものを選ぶんだし、自分を選んでくれる人を大切にしようと思って。歌い方は曲げずに貫いてました。同い年が大型フェスで歌ってるのに、自分のライブのお客さんは2、3人。おれの耳がおかしいのか(笑)? って不安になったり。お金がなくて部屋の電気は止まるし、もう辞めちゃおうかなって何度も思いました。でもやっぱり音楽が好きだったから、おれのかっこいいを認めさせてやる! って燃えて、がむしゃらにやって、ここまで来れた。あの時辞めなくて良かったなって本当に思います』
04
【自分らしさの美味しい伝え方を研究しよう!】
なんとも勇気がもらえて、メラメラとやる気が出てくるような熱い話の数々……。いや、待てよ。これだけ大きな成功を掴んだ理由は、とにかくポジティブなマインド! だけではないはず。きっと冷静な計算もあったんじゃないかと睨んでるんですが、そこら辺はどうなんでしょう!?
『路上ライブは楽しかったし、だんだん人が集まるようになって来ました。その頃から自分の武器は、しゃがれてる声だと分かったんです。だからそこを強調して、一曲まるまるしゃがれ声で歌ってた時期もあって。でも、これなんか違うかも?って思いました。この声イケてるだろ! って歌ってたんじゃ伝わらないなと。必殺技の出しっ放しは良くない。ドラゴンボールでも悟空はかめはめ波を最後の一発に取っておくじゃないですか。聴かせたいサビがグッと響くように、その前は優しく語りかけるようにするとか、音楽も駆け引きが大事ってことが分かりました。そういう組み立てができるようになったらもっと歌が楽しくなりました』
人の意見を鵜呑みにするのは考えものだが、自分で感じて修正していくのはむしろ良いことだと言う優里センパイ。彼は行動を続け、失敗を重ね、どうすれば人の心を掴めるかを模索していた。だから自分の武器を知り、その適切な伝え方に辿りつけたのだ。
『路上ライブを動画に撮られるようになって、聴き手の感情が動いてないのが分かったんです。切ない曲を歌っても、拍手で盛り上がったり、皆が楽しい気持ちになっちゃってたんですよね。嬉しいんですけど、本当は涙を流す状態が理想なわけじゃないですか。そこからどうすれば曲のメッセージが伝わるか、心を揺さぶることができるか、意識するようになりました。それまで自分主体の音楽をやっていたからなんですけど、勉強になったし、良い失敗だったと思います。そうやって、自己満足の音楽から、寄り添う音楽に成長していけました』
05
【失敗を恐れるな。大人は皆なんとかなってる!】
最近の若い世代は、いろんな情報を持っていて賢いから、昔よりも失敗を避けたがる傾向にあるって話も聞いたりする。そんな時代だからこそ、若者に伝えたいアドバイスを話してくれた。
『失敗はすごく大切なことだと思う。怒られるかもとか、周りが離れて行っちゃうって思うかもしれない。でも、必ずどこかに話を聞いてくれる人はいる。愚痴ったっていい。何を言われてもやるべきことをやってれば別にいいと思う。失敗してもいつか見返してやるって気持ちが大事。音楽をやること、夢を目指すのって大変なこともあるけど、みんな一度は何にも気にせずガムシャラに挑戦してみて欲しいです』
優里センパイには夢中になれる”音楽”があった。じゃあ、やりたいことがない、まだ分からない、っていうか、そもそも見つかるのかな?ってタイプはどうしたらいいんだろう。そういう人、結構多い気がするんですよね。
『頑張れって言うのは違う気がするんです。何を頑張ればいいか分からないのにキツいだけじゃないですか。とにかく頑張ってる時って何もかも上手くいってなくても、結構充実してるものだから、実は頑張れない時期が一番辛いんじゃないかな。でも、家に篭ってるだけじゃ頑張りたいことは見つからないよ。とりあえずどんどん飛び込むことが大事。いろんな世界を見て違うと思ったらやめればいい。なかなか見つからなくても、あんまりヘコまずにふらふら遊んじゃえばいい。僕もその時期長かった方だから。いつか絶対見つかる。だって大人はなんとかなってるんだから。みんな意外と楽しく生きてるし大丈夫』
そうか。そう言われると、なんとかなる気がする。好きなことで生きていけるし、その気になれば誰でも成功できる、なんなら何者かにならないといけないような、そんな空気がしんどい時もあるけど、なんだか少し気が楽になった。
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最後に昔の自分にメッセージを送ってもらった!
『もうちょっと早く音楽に集中してたら、もっと早く売れたんじゃない?(笑)。でもやってることは間違ってなかったよ』
(了)
一夜限り、セトリや演出をみんなで一緒になって創り上げた(優里自身)最大規模のワンマン音楽ライブ
『Red Bull Jukebox 2023』
に関する情報は《こちら!》