ジャスティン・デュポンはポルトガル・ナザレ(※)の冷たい海の上で何時間もサーフィンをしていた。
そして他のサーファーたちが帰って行く中、もう一度だけトライすることにした彼女は、最後の最後で人生最大のビッグウェーブに出会った…。
28歳のフランス人ビッグウェーブサーファーは次のように振り返る。
※ナザレは優れたサーファー達でさえ、”超大波”でいとも簡単に飲み込んでしまう極限のサーフスポット。詳しくはこちら >> ポルトガルの巨人 “ナザレ” ハイライト映像!
1分
ジャスティン・デュポン in ナザレ
「4時間も海の上にいたから身体が冷え切っていたし、もう帰りたかった」
「でもその時、仲間のアンドレが崖側から無線でビッグセットが来ると伝えてきて、わたしたちの方からも確認できたから、もう少しだけ残ることにした」
「それでフレッド(ジャスティンのボーイフレンド。ジェットスキーでトーイングを担当)から海に入れと言われた瞬間、波が見えた。凄いサイズだと思ったわ!」
「ロープから手を離した瞬間、いつもよりスピードが速いと思った。GoProは時速66kmを示していたし、飛んでいるような感覚だった。ボードの感触は最高だったわ」
「でも、自分の背後にとんでもなく大きい何かが迫っている感覚は奇妙だった。リップの影はわたしの遙か前方に落ちていた。とにかく最後まで乗り切りたいと思っていたわ」
乗り切れて本当に嬉しい。強烈でクレイジーな波だった。人生最高の波だったわ
この波のサイズはまだ正式に計測されていないが、現時点ではまだブラジル人サーファーのマヤ・ガベイラが2018年10月に記録した高さ20.7mが女子が乗った波の世界最高記録となっている。
サーフレジェンドのギャレット・マクナマラはソーシャルメディア上で次のように投げかけた。
「女子史上最大のビッグウェーブだったんじゃないか? 今日最大の波だったかもしれない。今年最大だったかもしれないな」
女子史上最大のビッグウェーブだったんじゃないか?
ベテランビッグウェーブサーファーのデュポンはこのタイプの波は扱いが非常に難しいことを認めており、実際、彼女はマスターするために3シーズン連続でナザレを訪れてトレーニングを重ねていた。
そして今回の成功の裏にはデュポンの友人、クレマン・ナントの貢献もあった。彼は2台目のジェットスキーに乗り込み、彼女の安全確保を担当していた。
ナントが支えていたことで、デュポンは安心して大一番に向けて準備を整えることができたのだ。デュポンは次のようにコメントしている。
「波は大きければ大きいほどスピードが速くなるし、焦れば焦るほどワイプアウトする確率が高くなる」
「ナザレでの自分のチームと自分たちの成長を誇りに思うわ。また一緒に限界をプッシュするのが待ちきれない」
世界記録かどうかは分からないけれど間違いなく自己ベストだし、自分を誇りに思う