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Against the grain, Kai Lenny goes kiting upstream
Kai Lenny kiteboards up the Yellowstone River.
「ワセリンを塗ったボウリングの球の上に乗りながら綱渡りとジャグリングを同時にしているような感じだったね」 - カイトサーフィンでイエローストーン・リバーの激流を上ったカイ・レニーはこう振り返っている。この表現はやや大げさに聞こえるかもしれないが、これはハワイのビッグウェーブサーフポイント、ジョーズで開催されたPe’ahi Big Wave Challengeのファイナリストの言葉だ。さらに言うなら、レニーは2017年初めにハワイ諸島の間を流れる危険な海流をカイトボードやSUP、ハイドロフォイルなどを使って人力で渡ったアスリートでもある。
我々が言いたいのは、水の世界を熟知しているレニーを苦労させるのは簡単ではないということだ。しかし、米国屈指のワイルドな地形を縫うように走る激流が相手なら? 挑戦から数日後に行われた以下のインタビューを読む限り、激流を相手にするのは簡単ではなかったようだ。
Red Bull.com:イエローストーン・リバーでカイトサーフィンというアイディアはどこから?
カイ・レニー:誰もやったことがないことをやろうっていう話から始まったんだ。風力を利用するカイトサーフィンで、エンジンを必要とする他のスポーツじゃないとできないことをやってみようと思ったんだ。それで、「じゃあ、カイトサーフィンで激流を上ってみるのはどうだろう?」と思いついたのさ。何とも奇妙なアイディアだよね(笑)。激流に立ち向かうのは簡単じゃなかった。今まで誰もやったことがなかったからね。ロケーションは、世界で最も有名な国立公園のひとつ、イエローストーン国立公園のイエローストーン・リバーを選んだ。
激流は世界各地にありますが、イエローストーン・リバーを選んだ理由は?
以前訪れたことがあったんだ。その時も同じチャレンジに挑んだんだけど、天候に恵まれなくて断念した。でも、今回は上手く行ったよ。今まで自分が扱ったことがなかった種類の流れに上手く合わせられるかどうかがポイントだったね。僕にとって、水は世界で最も楽しい物質だから、新しいロケーションで新しい種類の水に出会えるのはクールだし、イエローストーン国立公園は僕が拠点にしているハワイとは違う魅力を持っている。余りにも楽しそうで断れなかったのさ。
1回目の天候の問題について振り返ってもらえますか?
1回目の挑戦は、川の流れは十分に速かったんだけど、風が吹かなかったんだ。また、吹いたとしても、正しい方向に吹かなければ意味がない。成功するためには全ての条件が揃う必要があるんだ。風は上流に向かって吹くか、川の流れに平行に吹く必要がある。その方向で吹いてくれれば、僕はジグザグに川を上れる。でも、あの時は風向きが不安定で、しかも強すぎた。また、吹いたとしてもすぐに止まってしまったんだ。だから、安定したサーフができなかった。送電線や木も邪魔だったね。
上の映像には、感電しそうになったシーンが収録されています。何が起きたのでしょう?
あれは危なかった(笑)。太い送電線が川の上に渡されていたんだけど、曇り空と混ざり合っていて良く見えなかったんだ。見えたと思った時はもう遅かった。僕のカイトラインの長さは24mで、カイトの幅も8mある。だから、何ともできなかったんだ。でも、素早く反応できたから良かった。Spectra製のカイトラインは電気を通さないけれど、あくまで水に濡れていなければの話なんだ… だから、手を離したんだよ(笑)。カイトラインは焦げてしまったけれど、僕は大丈夫だった。
川でカイトサーフィンをしたのは今回が初めてですか?
いや、コロンビア・リバー・ゴージでカイトサーフィンをしたことがあるよ。あそこは川よりも海に近いんだ。イエローストーン・リバーの方が川幅は狭い。3mしかないセクションもあるんだ。激流を上ったのは今回が初めてだよ。
注意した点は?
川はかなり危険だということを学んだよ。川底の石に引っかかれば、水中に引き込まれてしまう。また、木や丸太がそこら中にあるし、邪魔をされないように川の流れを常に読む必要もある。ワセリンを塗ったボウリングの球の上に乗りながら綱渡りとジャグリングを同時にしているような感じだったね(笑)。予想してよりもかなりハードだった。
風速が0ノットから20ノットにいきなり変化する中でカイトサーフィンをしなければならなかったし、木や電線にも注意しなければならない。空を見上げて、雷雲が発生していないか確認したあと、また水面に視線を移し、激流の流れを読みながら川底の石に注意して、上流に身体を向けなければならない。沢山のことに注意する必要があったんだ。
グリズリーベアもいますしね。
土手のどこかから僕たちのことを見ていたと思うよ(笑)。クールな野生動物を沢山見かけたね。鹿や馬、牛なんかをさ。もちろん魚も見たよ。