フィットネス
【400mハードル世界記録の舞台裏】カールステン・ワーホルムのトレーニング方法
ノルウェー人陸上競技選手カールステン・ワーホルムのトラックでの存在感はユニークだが、彼のフィットネストレーニングはさらにユニークだ!
「おそらく、私たちはライバルたちとはかなり異なるトレーニングをしています」
アグレッシブなランニングスタイルと親しみやすい性格で400mハードル競技の頂点に立つカールステン・ワーホルムにしては、これはおそらく控えめな表現だろう。
世界陸上優勝3回、オリンピック金メダル、400mハードル世界記録を誇るこのノルウェー人アスリートは、現代最高のアスリートのひとりだ。
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世界にたった1台しかないトレーニングマシン
ワーホルムがアドレナリンを高めるために競技前に胸を激しく叩いている姿を目にしたり、オフのリラックスツールとしてレゴブロックを楽しんでいる話を聞いたりしたことがある人もいるだろう。
しかし、彼がユニークな理由はこれらだけではない。世界の頂点に立ち続けるためには、トレーニングのあらゆる側面においてイノベーティブかつオリジナルなアプローチが求められるのだ。ワーホルムは次のように説明する。
「奇妙な自作デッドリフトマシンがありまして、これを幾度となく活用しています」
「これは非常に特別なトレーニングマシンで、私たちのオリジナルエクササイズに取り組んでいます。ちなみに、私はこのデッドリフトマシンの世界記録を所持しています。誰もこのマシンを使ったことがありませんから(笑)」
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極寒のスプリントトレーニング
冬のノルウェーでの雪と凍えるような寒さも屋外でトレーニングしない理由にはならない。しかも、ワーホルムはスプリントトレーニングに取り組んでいるのだ。ワーホルムは次のように語る。
「スプリントは暖かくて晴れている日のトレーニングに思われがちですが、たまにはノルウェーの自然の厳しさを知ってもらうのも良いでしょう」
「私たちは自分たちが置かれている環境で努力しなければなりません。このような雪中トレーニングでライバルたちよりも少しだけ強くなれると良いのですが」
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ワーホルムを支えるトレーニングコーチ
ワーホルムのトレーニングプログラムのあらゆる行動を司っているのが、長きに渡り彼のコーチを務めているレイフ・オラフ・アルネスだ。ワーホルムは彼のことを「すべてのブレーン兼プランナーです」と評している。
革新と徹底的な献身、細部へのこだわり、オープンで誠実なコミュニケーションを礎にした王朝を2人は築いている。
ワーホルムのパフォーマンスとトラックの結果における一貫性がその証左であり、2人はワーホルムをピークコンディションに導く勝利の方程式を長年かけて編み出してきた。先に言っておくが、近道は存在しない。
ワーホルムは1日最長8時間をトレーニング施設で過ごしており、オフの日もアルネスと頻繁に連絡を取って、向上するためのプランを話し合っている。
「私たちのトレーニングは長時間で、その量は極めて膨大です」とワーホルムは語り、さらに続ける。
「早朝トレーニング施設に到着してカーブトレッドミルでランニングしたあと、スプリントをこなし、草の上でハードルを走り、ウエイトやジャンプエクササイズにも取り組みます。1セッションに多くのメニューを詰め込んでいます」
「可能な限り多くの時間をトレーニングに費やしながら、身体がそのトレーニング量に対処できるように休息をしっかりと確保するのはプロアスリートのトレーニングスケジュールとして理想的です」
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自分に合ったトレーニング方法に徹する
ワーホルムは自身の奇抜なトレーニング映像を時折ソーシャルメディアにポストしているが、ライバルたちの近況や投稿をチェックするためにソーシャルメディアをチェックすることはあるのだろうか? ワーホルムは次のように打ち明ける。
「ライバルたちの動向を確認するのは良いのですが、参考にできる点はあまり多くありません。トレーニング方法は人によって異なります」
「ある方法が、誰にでも効果を発揮するわけではありません。ですので、私のトレーニング方法も他の人に適していない可能性がありますし、逆もまた然りです」
おそらく、ワーホルムの言う通りだろう。
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