ミュージック

青春時代からずっと“もっと上へ”。KEYTALK ✕ FOMAREの現在地

© Suguru Saito
ファンから寄せられた“青春”の言葉を歌詞に取り入れ挑んだ初コラボ。その心境やコラボで得た気付き、そして胸に刻まれた彼ら自身の“青春”について、首藤義勝とアマダシンスケのふたりに訊いた。
Written by Tasuku Amada公開日:
KEYTALKとFOMARE――共に現在のシーンにおいて独自の輝きを放ち、注目を集める両バンドだが、意外にもその接点は少なく、レッドブルからこのコラボ企画が持ち込まれたとき、お互いに「びっくりした」と語る双方のフロントマン、首藤義勝(KEYTALK)、そしてアマダシンスケ(FOMARE)。提示されたルールはひとつ、両バンドであらたな曲を生み出すにあたり、ファンからTwitterで募集した“言葉”を楽曲のなかに織り込むこと。テーマは「青春」。彼らと、彼らを支えるファンたちによるアツい想いの込められたコラボ。みんなにとっての青春とは? KEYTALKとFOMAREにとっての青春とは?
アマダシンスケ(FOMARE), 首藤義勝(KEYTALK)
アマダシンスケ(FOMARE), 首藤義勝(KEYTALK)
―KEYTALKもFOMAREも、高校時代に出会った仲間で組んだバンドだそうですが、“青春”と聞いて思い浮かぶ情景はどんなもの?
アマダ:やっぱり高校の帰り道の風景だったり会話だったり、今回の制作中もずっとそういうものを思い出してました。あの頃、こんな夢があったなとか、それをちょっとずつ叶えられてきたのかもな、とか。
本当に単純な夢でしたけど、東京でワンマンライブをして、いろんなフェスに出て、成長して地元の群馬で凱旋ライブをして、みんなで機材車でツアーを回って、とか、今では当たり前になりつつあることですけど、そんな生活が当時の大きな夢でした。
アマダシンスケ(FOMARE)
アマダシンスケ(FOMARE)
首藤:僕も学生時代を思い返してましたね。高校生の頃、初めてライブハウスに行ったときの感じとか。あの頃、放課後に集まって友達と音を鳴らすだけで毎日楽しかったな、みたいな。
―やっぱり青春は放課後ですよね。
アマダ:確かに。学校の授業中のこととかって、あんまり思い出さないかも。
今回、応募で集まった歌詞をひとつずつ見ていて思ったのは、みんなが大切にしてる青春って、やっぱり学生時代の放課後だったり、ライブハウスに初めて行ったときだったり、そこは僕らと全く同じなんだと思いました。

ある日の“衝撃”が、今も音楽を続けるモチベーションに

首藤:僕、高校2年生のときに初めて行ったフェスがサマソニだったんですけど、そこで当時から大好きだったストレイテナーのライブを見て、衝撃を受けましたね。なんか雷みたいな音だったなって、今でも強烈に覚えています。
首藤義勝(KEYTALK)
首藤義勝(KEYTALK)
2005年だから、今から15年前。今はもっと女の子とかも増えたけど、当時のサマソニってもっとライブハウスっぽい体育会系のノリがあって。当時の屈強なロックファンの男たちにモッシュで潰されて死にそうになったけど(笑)、でもそれで「ちょっと大人の世界に仲間入りしたな」って気持ちになったのを覚えてます。あの日の感覚が、今でも音楽を続けるモチベーションになってると思います。
アマダ:僕は高校生の頃にライブハウスでバイトしてて、毎週のようにいろんなバンドのライブを見てたんですけど、ソールドアウトするバンドって、やっぱりどこか違うんですよ。メロディーとか歌詞とかじゃなくて、なぜかぐっとくる熱量みたいなものがあって。それに対して心から憧れた気持ちが、僕の初期衝動になりました。今でも時々思い出して、大事な気持ちを取り戻すということが結構あります。
―初期衝動。バンドにとって失ってはいけない大事な感覚ですよね。首藤さんにもそういう感覚はありますか?
首藤:なんか僕、青春といえばずっとバンドしかやってなくて、青春イコールバンド。その頃、上ばかり見てたから、バンドイコール向上心なんですよ。上にのぼっていきたいみたいな、ずっとその気持ちだけでやってきた。だから「もっと上に行ってやるぞ」って気持ちを忘れたら、やっぱりバンドとしてブレーキがかかっちゃうなって思ってます。
―でもやっぱりキャリアを積み上げていけば、それなりに評価というものもついてきたりして、甘んじてしまうことはない?
首藤:評価してもらうということは全然マイナスにはならないんですけど、ただ怖いのは、経験を重ねることでいろんなことに慣れてきちゃうこと。常に上の目標を見続けることが大切だと思っています。ライブハウスだったらもっとデカいところでやりたいとか、憧れのアーティストと共演したいとか。でもそんな考えは、思えば青春時代に考えてたこととあまり変わらないのかもしれないです。
アマダシンスケ(FOMARE)
アマダシンスケ(FOMARE)
アマダ:慣れることの怖さは僕も考えます。経験値が増えると、いろいろな曲も作れるようになってきて、昔だったらもっとストレートに赤裸々に書けていた気持ちとかもだんだん照れくさくなったり。
今回集まった歌詞でたくさんの人の“青春”にふれることで、最近の自分が気持ちに照れ隠しを入れて遠回しに伝えてしまっていたことに改めて気付くことができました。
―遠回しになることは、言い方を変えれば技巧的になるということでもあるわけで、決して悪いことではないけれど。
アマダ:今回は初期衝動的なものにまた立ち戻って、感情をストレートに表現できたと思います。
アマダシンスケ(FOMARE), 首藤義勝(KEYTALK)
アマダシンスケ(FOMARE), 首藤義勝(KEYTALK)

左脳を通さずストレートにぶつける感情

―今回ファンの皆さんから応募のあったたくさんの言葉のなかで、特に印象に残っているものを挙げるとしたら?
首藤:結構覚えているのが、「朝まで遊び尽くす」というフレーズ。いいな、これだよな!って思いました。
アマダ:それ、言っていましたよね。確かになかなか歌詞にはしづらいですよ、「朝まで遊び尽くす」は。
首藤:なんだろう、もう左脳を通さず行動に移す、みたいな。それってすごい大事なこと。初期衝動というのはおそらく、それのことですよね? これがなかなか忘れがちというか、だんだん退化していっちゃう感覚なのかもしれないけど、ああ青春ってこれだな、って思いました。
首藤義勝(KEYTALK)
首藤義勝(KEYTALK)
アマダ:僕が歌詞に選ばせてもらった言葉で「今日も泣いて笑ってけんかした愛しき青春の日々」っていうのがあって、普段FOMAREでは「けんか」とか「泣いて笑って」とかって素直に言えなかったりするんですよ。でもこの人は悲しいとか嬉しいっていう気持ちを、本当に涙が出て、本当に頰が上がって、っていう描写でストレートに言い表してるんですよね。
思えば、僕らが高校3年生のときに出したデモのなかに「泣いて笑ってまた泣いて」っていう歌詞があったんです。あの頃は何も包み隠さず、素直にそれを書けていたな、とも気付かされました。あの頃の気持ちが本当によみがえって、これをどうメロディーに乗せたら、さらに今の自分たちっぽく昇華できるかを考えてましたね。
今日も泣いて笑ってけんかした 愛しき青春の日々 忘れないさ やがて大人になって 別れの時が来ても
「Hello Blue Days」
―今回のプロジェクトを通して、ふたりが“翼をさずかった”と思うことは?
首藤:ほんとに学んだことだらけでしたよ。まず他のバンドとのコラボ自体が初めてだったので発見がいっぱいあったんですよね。だってドラムが2人いて、ベースも2人いて、ギター3人、ボーカルも3人。人数だけでいったら普段より3人増えただけの話なんですけど、音楽の無限の可能性みたいなものまでイメージさせられたというか。
KEYTALKにドラムをもう一人、入れようかな(笑)。とにかく“音の力”とその可能性が、普段と全然違うものになってました。
アマダシンスケ(FOMARE)
アマダシンスケ(FOMARE)
アマダ:今回(首藤)義勝さんから上がってきたデモに、自分では思いつかないようなベースフレーズがばんばん入ってて、こんなこともあるんだなって何度も思わされました。これをちゃんと自分たちのこれからの音源に活かしていきたいと思ってます。
そして歌詞を応募してくれた皆さんから青春の言葉をいっぱいもらって強く思ったのは、今の僕はもちろん昔の僕とは違うけれど、今の僕だからこそ書ける素直で赤裸々な気持ちを、きちんと表現していきたい、ということでしたね。
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◆Information
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