Two legends of Street Fighters duke it out.

米国人アニメーターが夢見るアニメ版『ストリートファイター』

© Joaquim Dos Santos

『Avatar: The Legend of Korra』や『ヴォルトロン』に関わったアニメーターが、『ストリートファイター』アニメ化の夢や格闘ゲームとの関係を語った。

Avatar: The Legend of Korra』や『ヴォルトロン』のようなアニメシリーズは、滑らかな動画、アクション満載のストーリー、印象深いキャラクターが高く評価されているが、いくつかの格闘ゲームにも同じようなことが言える。

たとえば、『ストリートファイター』のようなクラシックシリーズは、バラエティに富んでいるキャラクター陣と魅力的なゲームプレイで長年に渡り高い人気を誇っている。アニメと格闘ゲームは思った以上に近い存在で、このようなビデオゲームをベースにしたアニメ作品もいくつか存在する。

先に挙げた2つのアニメシリーズにディレクター / アニメーターとして関わってきたJoaquim Dos Santosは、この考えに同意しているようだ。

ストリートファイターII』や『ストリートファイターZERO』のような作品をアニメ化すれば上記のアニメシリーズに肩を並べる存在になると考えているJoaquimは、自分が過去に関わった作品の流れを汲みつつ、『ストリートファイター』ユニバースをさらに広げるアニメシリーズの製作を考えたことがあったと先日Twitterに投稿した。

アーケードから生まれた夢

Joaquimのこのアイディアは、1980年代後半から1990年代前半にかけての米国のアーケード黄金時代にルーツがある。

「米国にアクティブなアーケードシーンがあった頃に少年時代を送ったんだ。コンビニや商店には必ず1台以上の筐体が置かれていた。『ストリートファイター』が置かれた瞬間、僕はこのゲームに魅了された。それまでに見たことがないものだったよ。格闘ゲームとしては『空手道』や『アーバンチャンピオン』があったけれど、『ストリートファイター』は完全に別次元だった」

このゲームのオリジナリティと対戦重視の仕様は、Joaquimにとって非常に衝撃的だった。本人は、このゲームは米国のカルチャーと自分の人生に大きな影響を与えることになったと振り返っている。

「波動拳を初めて出せた時のことを良く覚えているよ。たまたま出せたんだ。だから、そのあと全財産をつぎ込んで友人と一緒に再現しようとした。あのようなボタンとスティックを組み合わせる操作方法は当時存在しなかった。完全なる未知の領域だったね」

「当時はインターネットもまだなかったし、ゲームの人気が高まっていくと、テクニックや噂を学校で交換しあうようになった。あれは本当の意味での文化現象だったと思う」

Joaquimは、『ストリートファイターII』のバラエティ豊かなキャラクター陣と当時革新的だったグラフィックスにも大きなショックを受けた。

「ゲームプレイ以外では、キャラクターと背景が最高に魅力的だった。グラフィックスが他のどのゲームよりも優れていたよね」

「でも正直に言うと、当時の僕は超下手くそだった。仲間内では最弱だった。当時の『ストリートファイターII』では、勝ち続けられるだけのスキルを持つプレイヤーか、ひたすらコインをつぎ込めるだけの資金力があるプレイヤーになるしかなかった」

そのどちらにもなれなかったJoaquimは、このゲームのアートを冷静に分析するようになり、これが、彼が温めてきたアニメ版『ストリートファイター』のベースになった。

「僕にはスキルも資金もなかった。だから、アートについてひたすら考えるようになったんだ。友人がプレイしている時間を使って全キャラクターのスケッチをしては、彼らが登場するストーリーを想像して楽しんでいた」

「時が進むにつれて、このゲームとキャラクターが世界的な人気を獲得していき、同時にいくつかの素晴らしい翻案も目にするようになった。でも、僕はまだやれることがあると感じていた」

Joaquimは、昔からこのような考え方をしていたが、実際に自分でやるようになったのは『ストリートファイターII』からだったと振り返る。

「僕は昔からアートが好きだった。映画、本、ビデオゲームを楽しんでいる時は、必ず自分のバージョンを描いてみたいと思っていた。昔からそうだったんだよ」

夢の中身

Joaquimが明かした夢のアニメシリーズの中核に位置しているのは、『ストリートファイターII』の "世界最強を決める戦い" だ。「アイディアはまだほんの初期段階だけどね。全ては明らかにできないけれど、基本的なコンセプトは、世界最強を決める彼らの戦いを中心に置いている。何が起きてもおかしくないというゲームプレイを表現しようと考えているんだ」

「上手くプレイすればどのキャラクターでも勝てる」 これが、Santosが再現したい部分だ。

「僕は『ストリートファイターII』の、バラエティに富んだキャラクター陣の誰を使っても勝てるというシステムに驚いた。ヒーロー的なキャラクターはいなかった」

「そして『ストリートファイターII' Champion Edition』でこの特長がさらに強く押し出された。誰が勝つのか本当に分からなかった。どのキャラクターにも勝てる可能性があったし、負ける可能性もあった。この特長を自分たちのプロジェクトにも持ち込みたいと思っているんだ。実際の対戦を見ているのと同じような緊張感を視聴者に与えたいね」

夢のアニメシリーズの中心に位置しているのは、言うまでもなく『ストリートファイター』だが、Joaquimは他からもインスピレーションを得ている。彼は映画作品に登場するマーシャルアーツが好きだとしており、ブルース・リーや有名なプロレスラーからもインスピレーションを得ているとしている。

「小さな頃はカンフー映画が大好きだった。ブルース・リーは家の中で大きな存在感を放っていたし、1980年代からと1990年代前半にかけて、僕はプロレスの大ファンだった。アニメも大好きだったし、ビデオゲームにものめりこんでいた。『ストリートファイター』は僕が好きだったものをひとまとめにしたものだった」

自分が好きだったものがひとつにまとまっていたという彼の発言は、このゲームが社会に与えたインパクトの大きさを物語っている。

「この『ストリートファイターII』が僕たちに与えた影響は本当に大きかった。ほぼ100%の確率でみんながのめり込んでいた。40歳前後の人に "波動拳!" と言えば、10人中9人はその意味を理解すると思う」

夢が叶う日

高く評価されているアニメシリーズへの参加は、Joaquimにとって実りのある満足度の高い経験になった。

「ああいうシリーズへの参加は、僕にとって夢が叶ったようなものだった。でも、僕が貢献できるのはアートとストーリー構成だけだ。あとの部分は役立たずだよ」

自分をこう評価するJoaquimは、自分のスキルと『ストリートファイター』のタイムレスなキャラクター陣を組み合わせれば素晴らしい作品になると自信を持っている。

「僕は『ストリートファイター』のアニメシリーズは成功すると思うよ。キャラクターとストーリーが豊富に揃っているからね」

Joaquimのプロジェクトはまだ実現されていないが、実現されれば間違いなく成功するだろう。言ってしまえば、『ストリートファイター』シリーズのアニメ化作品(1995年の米国産アニメを除く)は全て実写版よりも大きな成功を収めている。

『Avatar: The Legend of Korra』や『ヴォルトロン』のようなスタイルで描かれる『ストリートファイター』のアニメ版は我々にスリルをもたらしてくれるだろう。そしてその日は予想以上に早く訪れるかもしれない。

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