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2017年5月、フランス・パリにて開催が迫る『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)の招待制大会Red Bull Kumite 2017。世界各国から選りすぐりの強豪ひしめく本大会には、5名の日本人選手が出場する。
Red Bull Kumiteが3大会目を迎える今年、初出場のチャンスをつかんだのは若き日本人プレイヤー、ガチくんだ。20代の彼は、高校生当時から『ストリートファイターIV』(以下、『ストIV』)のトッププレイヤーとして名を馳せ、今年5月に上京。『ストV』におけるラシード使いとして、さらなる飛躍を目指す。
ポーカーフェイスの裏にある、話し好きな素顔 ~ウメハラ~
――若い世代であるガチくんから見て、ウメハラさんはどんな存在でしたか?
ガチくん 僕が格ゲーをやり始めたのは、『ストIV』から。当時は動画サイトの存在を知らなくて、有名プレイヤーについての知識もなかった。でもゲーセンのゲームって、ランキングが出るんです。その上位にウメハラという名前があって「強いプレイヤーなんだな」という認識はありました。
――顔もプレイも知らないけれど、強いプレイヤーだ、と。
ガチくん 実際に対戦しているところは、アルカディアというゲーム雑誌の付録DVDで観ました。そこで初めてウメさん、マゴ(※)さん、ネモさんのプレイを見て、すごいプレイヤーたちだな、と思ったのが第一印象です。
※マゴ……TOPANGAに所属する日本の格闘プロゲーマー
――初めてウメハラさんとお会いしたのは、いつごろでしょうか?
ガチくん まだ僕が高校生の頃に、地元の広島から東京の親戚の家に遊びに行ったときに、 高田馬場のBIGBOXにあるゲームセンターで、初めてお会いしました。当時ウメさんは、ボンさんと対面台で対戦していたんです。灰皿に、50円玉をたくさん入れて。広島には1クレジット50円のゲーセンがないので、珍しいな、という感覚で見ていました。
――そのときは、何か会話を交わしましたか?
ガチくん そのときは話してないと思います。その後、もう一度東京に出て来たときに、マゴさん経由でお話ししたのが最初です。
――マゴさんとは、ウメハラさんよりも前から面識があったのでしょうか?
ガチくん 僕の『ストIV』での使用キャラクターは、マゴさんと同じサガット。 だから、マゴさんとは交流がありました。ウメさんと初めてお話ししたのは、マゴさんと対戦するためにBIGBOX高田馬場に行ったときです。マゴさんに「この人がウメさんだよ」と促されて、「あ、はじめまして」という絡みでした。
――そのときは、軽い挨拶程度だったのですね。
ガチくん 地方のプレイヤーにはありがちかもしれませんが、ウメさんのことをすごい人だ、と認識していたので、気軽に話しかけちゃいけん人なのかな、と思い込んでいました。ふつうに会話ができるような仲になったのは、『ウルトラストリートファイターIV』(以下、『ウルIV』)の後半になってからだと思います。
――世代差もあるし、なかなか話しかけ辛いですよね。
ガチくん 話しかけるにしても、何を言ったらいいかわからなかったです。僕は人見知りなので(笑)
――Red Bull 5G 2016 でウメハラさんにお会いしたときは、いかがでしたか?
※Red Bull 5G……2012年から開催されている日本のゲームイベント。5ジャンルから選出された5つのゲームを使用した、東西対抗戦形式の大会。
ガチくん 前夜祭でお会いしたときに、僕のチームメイトのぷげらと、ウメさんのチームメイトだったボンさんも入れて、4人で話しました。
――Red Bull 5Gで、ガチくんはウメハラさんに勝利していますね。
ガチくん ときどさんに付き合ってもらって、1ヵ月間みっちり、ウメさんの使用キャラであるリュウの対策を重ねました。もちろんウメさんは強いですが、僕が使うラシードの対策はそこまで詰めていないだろう、と自信を持って臨めたのが勝利につながったと思います。
――しっかり準備したことを、本番で発揮できた、と。
ガチくん こっちが変に気負わずやれば、勝つ可能性は高いと考えていました。
――実際に対戦したときの、ウメハラさんの印象はいかがですか?
ガチくん 感情を外に出さない人だ、というイメージです。勝って喜んだり、負けて悔しがったりしないので、どういったメンタルでプレイしているんだろう、といつも思っていました。
――プレイスタイルについてはいかがですか?
ガチくん 最先端のことを実行してくる印象。対戦になると、ウメさんしかできないような動きをしてくるので、おもしろいですし、穴がない。
――最先端というと、具体的にはどういった部分でしょうか?
ガチくん ウメさんに限ったことではありませんけども……。僕は地方に住んでたので、大会で東京に出て来る度に、新しい攻略や新しいコンボを目の当たりにして、驚いてばかりでした。
――広島では見たことがないぞ、と。
ガチくん やはりレベルの差は感じます。僕が東京で見た最先端のプレイを広島に持ち帰っても、つぎに東京に出て来たときは、その応用や、まったく新しいことを実践している。
――同じ日本だけど、格闘ゲームにおいては違う文化を築いている?
ガチくん そうですね。ゲームに関して言えば、東京は別格です。
――広島には、オフラインのコミュニティはありますか?
ガチくん 『ウルIV』のときには、40人ほど親しいプレイヤーがいました。でも、僕が知っている広島のプレイヤーで、『ウルIV』から『ストV』に移行したのは、ふたりくらいしかいません。『ストV』はゲーセンでプレイできないので、ゲーセン文化が根強い地方では『ウルIV』を続けるプレイヤーが多いですね。
――『ウルIV』人気は、未だ衰えませんね。
ガチくん 僕が「『ストV』やろうや」と誘っても、家庭用のゲームということで、乗り気になってくれる人は少ないです。文句ばかりになってしまいますが、ネットワーク回りが改善していないので、どうしても誘い辛い、という事情もあります。
――なるほど広島に限らず、地方のプレイヤーは似たような事情を抱えていそうですね……。ではほかに、ウメハラさんにどんな印象をお持ちですか?
ガチくん ウメさんは、トークがおもしろいです。Daigo the BeasTV(※)を見ていると、話をするのが好きで、(話題の)引き出しが多い人なんだな、と感じます。
※Daigo the BeasTV……ウメハラが定期配信するTwitch生放送。
――おもしろかった回や、印象に残っているトークはありますか?
ガチくん ふ~ど(※)さんと、自宅でお酒を飲みながら配信していた回ですね。酔いもあってか饒舌で。一見のほほんとしているけど、ブレずに自分らしさを貫いているな、と感じた記憶があります。
※ふ~ど……Team Razer、Team GRAPHTに所属する日本の格闘プロゲーマー。
――マイペースなウメハラさんですが、私生活の部分にはどんな印象をお持ちですか?
ガチくん 毎週配信をしていたり、大会やイベントに出たりとプロゲーマーとして忙しそうなのに、よく体調を崩さないな、と驚きます。あとウメさんは、大会後にラーメンばかり食べている印象が強いです(笑)
――体調を崩さない秘訣は、どんなところにあると思いますか?
ガチくん よく食べて、よく飲んで、よく喋って、よく寝る……、じゃないでしょうか(笑)
――ストレスを、うまく発散しているということでしょうか。
ガチくん ウメさんは、よくマイペースと言われますが、そこが体調管理にもつながっているのかな、と思います。
――大会などで、ウメハラさんのマイペースっぷりを感じるエピソードがあったら教えてください。
ガチくん ウメさんは、スマホでずっと麻雀のゲームをプレイしていたりするんです。大会会場で、対戦相手の動画でも見ているのかな、と画面を覗いたら、麻雀ゲームで(笑)
●人を惹き付ける有言実行マインド ~ボンちゃん~
――ボンちゃんは、ガチくんのことを「後輩という感じ」と、インタビューの中でおっしゃっていました。ガチくんはどのように感じていますか?
ガチくん 『ストIV』のときは、当時最強だったマゴさんのサガットを、ずっと見て勉強していました。『スーパーストリートファイターIV』から、マゴさんがサガットを使わなくなり、ボンさんがサガットのトッププレイヤーになってからは、ボンさんの対戦動画を漁ったり、お会いして、いろいろなこと聞いたりしました。サガット使いでもトップ中のトップでしたから、憧れの存在でしたね。
――実際に対戦したときの、ボンちゃんの印象について教えてください。
ガチくん やはり自分と同じキャラクターを使っていたので、対戦相手がやられたら嫌ことを、すごく知っています。
――最初は、手も足も出なかった?
ガチくん 最初のころに限らず、最後のほうも負け越していました。自分が勝っても、つぎの対戦までに対策されて、やっぱり負けてしまう。そこでまた差が開いてしまって。
――昨年のRed Bull 5Gでは、『ストV』で対戦した際、ボンちゃんをあわや、というところまで追い詰めていましたね。
ガチくん Red Bull 5Gは本当に勝ちたかった。準備も万全でしたので相当自信があり、絶対勝てるとさえ思っていたので。最後はフルセットまでもつれたのですが、ラストは及ばず……。
――ボンちゃんは勝負強いと感じましたか?
ガチくん 僕とは踏んできた場数が違うな、と実感しました。ボンさんのほうが大舞台の経験が多いので、勝負強さでは敵わないです。
――あのときは、ガチくんの戦略がうまくはまって、一方的にリードを広げる展開が続いていました。
ガチくん Red Bull 5Gは、2on2の3試合先取という特殊な形式で、ボンさんとは計3回対戦しました。その3戦通して、僕のペースだったと思います。ただ、僕が勝てばチームが勝利という状況になってからは、「勝ちたい」という気持が強いあまり、冷静さを失ってしまった。
――前のめりになってしまった、と。
ガチくん そこをボンさんが察したのか、落ち着いて、丁寧に丁寧にプレイされて、最後の最後で逆転負けした印象です。あの勝負強さは、自分にはないです。
――どんなところが、ボンちゃんの勝負強さにつながっていると思いますか?
ガチくん ふだんの、ケタ違いな練習量から来ているんじゃないかと思います。また、頭の回転が速いとも感じます。これはボンさんに限らず、ウメさん、ときどさん、ネモさんもそうです。キャリアが長いから、攻略のしかたも一流。僕にはまだ足りないところなので、今後、東京で勉強させてもらうつもりです。
――ほかにもボンちゃんから学びたい、こんなところが自分にも欲しい、という部分はありますか?
ガチくん ボンさんには、人を惹き付ける魅力がある。ふだんのボンさんのスタイルが魅力的だからでしょうけど、そういう部分は自分にも欲しいですね。
――ボンちゃんのスタイル、というと?
ガチくん プレイスタイルもそうですが、配信などでのトークで、ヒールっぽいところをたまに見せるのも、ファンを惹き付ける要因だと思います。そのうえでちゃんと結果を残して、「なんだかんだ言うけど、勝つ」というイメージを付けている。
――ボンちゃんの愛されキャラ、という部分はBonchan's Road Trip(※)でも遺憾なく発揮されてましたね。
※Bonchan's Road Trip……2017年3~4月にかけて、ボンちゃんみずから全国4都市を巡ったオフライン交流イベント。2017年夏には広島・沖縄での開催も予定されている。
ガチくん 全国を回って、競技人口を増やしていく、あの行動力は本当に見習いたい。僕も、広島のプレイヤーを増やすために、行動を起こしたほうがいいのかなと思うのですが、結局は「オンライン対戦でいいや」となってしまう。周りに気を配りながら、自分の意見もしっかり言っていくボンさんは、やはりすごいと思います。
――まさに、有言実行を貫いていると。
ガチくん そうですね。ボンさんはタバコも止めました。相当な覚悟がないとできないことだと思うので、僕は正直、無理だと予想していました。同時に、ダイエットにも成功したところを見て、自分の発言に責任を持っている人だ、と感じます。
――先程、禁煙やダイエットについての話題が挙がりましたが、そのほかにも体調管理やメンタルケアなどで、ボンちゃんに驚かされたことはありますか?
ガチくん 酸素カプセルを利用していることを、Twitterで知りました。海外に週1ペースで行くから、体調が不安定になるので、そこで体調を落ち着かせるという話で。(プロゲーマーは)ストイックな世界なんだ、と驚いた記憶があります。
――プロゲーマーの多忙さが伺えますね。ほかにも、ボンちゃんの意外な一面について知っていたら教えてください。
ガチくん ボンさんは、お酒を飲んだらすぐ赤くなります(笑)。酔って性格が変わっちゃう、ということはないので安心ですよ。
●格ゲー界のイチローは、つぶやき体質 ~ときど~
――ときどさんには、去年末のRed Bull 5G前にリュウ対策を付き合っていただいたそうですね。ときどさんの印象について教えていただけますか?
ガチくん やっぱり「東大の人なんじゃなぁ」という印象です。月並みですけど、頭が良いんだな、と。
――プレイで言うと、どのようなところでしょうか?
ガチくん たとえば、セットプレイや、决まった型のようなものを見つけるのがうまい。かつ、対応に回った相手の行動を、しっかり潰せるような選択肢を持っています。
――自身が得意な形に引きずりこむのがうまい、と。
ガチくん 相手を動かしながら、リスクを負うような選択肢も取れるのが、すごいな、と思います。しかも、動きがとてもキレイ。
――キレイ、というと?
ガチくん リプレイを見ていても、滑らかに試合を進めていくので、ぎこちなさがない。全部通して見て、これは100点だな、と唸ってしまうような試合をしているイメージです。
――ムダな動きがない、と言えるでしょうか。
ガチくん そうですね。プロ野球選手に例えると、イチロー選手のような感じです。流し打ちも、バントもできる。パワーで押し切ると言うより、理論で詰めてくる印象です。
――頭脳派ということですね。ほかにもガチくんから見てここがすごい、と思うところはありますか?
ガチくん あの身体の鍛えかたは、すごいと思います。
――ボンちゃんによると、糖質制限もしているというお話でした。
ガチくん 僕は痩せているので、筋肉があって、Tシャツをピチッと着てる人を見ると、単純にすごいなと思います。メンタル的なところも含め、ゲーム以外の部分でも鍛えている。もちろん最終的にはゲームのためなんですけど、怠ってないんだな、と感じます。
――ストイックな方、という印象でしょうか。
ガチくん 身体を鍛えることによって、大会の緊張を軽減できるという話を聞いたことがあります。僕は体が弱いというか、すぐ風邪を引いてしまうので、ときどさんを見習ってトレーニングしようかな、と考えてます(笑)
――ほかにもゲーム以外の場面での、ときどさんの印象について教えてください。
ガチくん 話していると、博識な言葉がたまにポンと出てきますね。話しかたも、すごく聞き取りやすい。あとは、ひとり言が多いイメージ。
――どんなひとり言を耳にしますか?
ガチくん 誰かに話しかけてるような、ひとり言です。たとえば、対戦動画を見ていて、ときどさんが発見したことを、ぼそっと自分自身に言っているような。思ったことをすぐ口に出して、自分で整理しているのかな。
――自問自答するような。
ガチくん 習慣なんだと思います。受験勉強のときも、ああやってつぶやきながら暗記していたのかもしれません。
●誰もが憧れるファンタジスタ ~ネモ~
――プレイヤーとしてのネモさんには、どんな印象をお持ちですか?
ガチくん キャラクターの強い部分を、ちゃんと知っています。これさえ当てれば最終的には勝てる、という割り切りがすごい。ほかのプレイヤーと比べても、それが独特。
――割り切りかたというと、具体的には?
ガチくん 『ストV』でネモさんが使っているユリアンは、たとえ劣勢でも、Vトリガー(※)さえ当てることができれば、逆転できる可能性が高い。ネモさんは、そのヒット精度はもちろん、Vトリガーを警戒して相手が動きを変えたところを、突くのがうまいです。勝ちに貪欲というか、勝ちかたの引き出しをたくさん持っている。『ウルIV』でロレントを使っていたときから、強く感じていたことです。
※Vトリガー……『ストV』において、Vゲージが最大のときに使用できる各キャラクター固有の特殊技。
――『ウルIV』での、ネモさんのプレイスタイルはどういう印象でしょうか?
ガチくん ネモさんのプレイはアグレッシブなので、いちばん好きです。自分から前のめりに試合を作っていくんですが、ちゃんと相手を動かしています。だから、ネモさんの試合を観るのは、すごくおもしろい。ファンタスティックですよ。
――アグレッシブだけど、ただ強みを押し付けているだけではないから、おもしろい?
ガチくん ここで、この選択肢は取れないだろう、という行動でも、ネモさんならできてしまう。
――これまでインタビューした皆さんが口を揃えておっしゃっています。ネモさんが使うと、“ネモさん”というキャラになるという。
ガチくん そうですね。絶対ほかの人は真似できない。真似できたとしても、毎試合できるかと言ったら無理。広島にも、ネモさんのファンは多いです(笑)。ネモさんの影響を受けて、ロレントを使うようになったプレイヤーもいます。
――ネモさんのプレイがいちばん好き、というのは、ガチくんのプレイスタイルと近いからでしょうか?
ガチくん いえ、逆です。僕がアグレッシブなプレイをできないからこそ、余計に観ていてかっこよく映るんです。
――ときどさんは、ネモさんのアグレッシブなプレイは性格からくるものだ、と分析していました。
ガチくん そうですね、ゲームはすごく性格が出ますから。僕もプレイに性格が出ている、と言われることがあります。
――ガチくんの性格について、どんなことを言われるんですか?
ガチくん 優しすぎる、正直すぎる、と言われます(笑)。もっとガンガンいって良いところなのに、構えてしまうようなところがあるからでしょうか。
――なるほど。ガチくんから見て、ネモさんの性格はどう感じますか?
ガチくん うらやましいですね。あんなアグレッシブな戦いかたをしてみたい。ああいう性格がほしい。
――ときどさんは、ネモさんの性格を“ドS”と評していました。
ガチくん ネモさんに追い込まれると、もう無理だな、と諦めそうになります。ふだん、人に対するツッコミを小声じゃなく大声でするようなところも、“ドS”だなぁ、と思います(笑)
――ネモさんへのインタビューで、「『ストIV』シリーズと『ストV』でしかガチくんと対戦していないですが、多分、ほとんど勝てている」というコメントがありました。プレイヤーとしてのネモさんに対する、苦手意識はありますか?
ガチくん その通りですね(笑)。多分、全部負けてるんじゃないかな。対戦前から名前にビビってしまう。もう、投了って感じです。
――ときどさんは、ネモさんのプレイスタイルを王様と例えていました。ほかの3人を例えるとしたら?
ガチくん ときどさんは、秘書のようなイメージがあります。
――知的、ということでしょうか。
ガチくん 王様も、王様以外のことも、全部知っています、という印象です。
――では、ボンちゃん、ウメハラさんはいかがでしょうか。
ガチくん ボンさんは、部下をまとめるボス。社長です。口は悪いけれど、付いてくる人間は多い。ウメさんは、修行僧のように感じます。
――なるほど(笑)。そんな王様の知られざる一面など、何かご存知ですか?
ガチくん ネモさんは、けっこう食べる人ですね。ネモさんと定食屋に行ったときも、びっくりするほど注文して、全部食べていました。
●全世界のラシード使いに捧げるRed Bull Kumite 2017
――Red Bull Kumite初出場のガチくんですが、大会にはどんな印象をお持ちですか?
ガチくん ケージの中で戦う、というのがかっこいいし、独特の物々しさを感じます。憧れの舞台でした。
――今大会の海外の注目選手は?
ガチくん Infiltration(※以下、インフィル)。複数のキャラクターを使ってくると思うので、対戦してみたい。大会で当たる度に負けていたので、今度は勝ちたい、という部分もありますね。
※Infiltration……Team Razerに所属する韓国の格闘プロゲーマー。
――ガチくんから見て、インフィルさんのどんなところがすごい、と感じますか?
ガチくん 相手を動かすことがうまいのはもちろん、攻守の切り換えや、通ると思った行動を徹底してやり続ける、メリハリがすごい。
――試合巧者、ということでしょうか?
ガチくん 以前、タイの大会で対戦したことが印象深いです。作戦かどうかわからないのですが、僕が技を当てたときに、インフィルがコントローラーから手を離して頭をポリポリかいていたんです。その様子が視界に入ったので「いまなら技当て放題だ」と、続けて攻撃を仕掛けようとしたら、インフィルが即座に手をコントローラーに戻して、とたんに反撃された、ということがありました。
――アナログな駆け引きもしてくる、と(笑)。ちなみにその試合は……?
ガチくん 負けました(笑)
――要注意ですね(笑)。ほかにも注目の海外選手はいますか?
ガチくん xyzzy(※)ですね。『ストIV』シリーズでは無名のプレイヤーだったと思いますが、『ストV』でよく名前を聞くようになりました。世界でいちばん強いバーディ使いと言われているので、ぜひ対戦してみたいと思っています。
※xyzzy……韓国の強豪格闘ゲーマー。
――では、日本人選手も含め、いちばん対戦したいプレイヤーを挙げるとすれば?
ガチくん ボンさんです。勝ちやすい、勝ちにくいを抜きに。Red Bull 5Gのときに負けとって、トパンガリーグでも僕が負けとるんで、悔しいんですよ。大きな舞台でリベンジしたいですね。
――――ボンちゃんは5月に、イタリア、オーストラリア、ベトナムと、Capcom Pro Tour(※) 2017指定大会で3連続優勝を決め、絶好調ですね。
※Capcom Pro Tour……世界各地で行われる『ストV』大会のなかで、Capcom U.S.A.が認定する大会群の総称。指定大会の上位成績者にはポイントが与えられ、ポイントランキング上位者は、年末に開催されるCapcom Cupの出場資格を得る。
ガチくん このへんで鼻へし折っとかにゃあいけんなぁ、と思ってます(笑)
――組み合わせの発表が楽しみです。最後に、意気込みをお願いします。
ガチくん 僕にとってRed Bull Kumite2017は、『ストV』になって初めての海外大会。大きな舞台ということで、緊張はしちゃうと思います。でも、ラシードを使って勝っているところを見せたい。ラシードは強いキャラクターと言われているんですが、大会で活躍する場面がまだ少ないので。
――世界中のラシード使いに、希望を与えたいと。
ガチくん Red Bull Kumite 2017で、いいところまで……、優勝を目指して、「ガチくんは、こういう動きするんだよ」という部分も、見てもらいたいですね。
パワープレイに頼らない、実直なスタイルで道を切り拓くガチくん。その曇りのない眼差しによって、第一線で活躍するトッププレイヤーたちの素顔が浮かび上がった。
若手ながら、大いなる決意を持って臨む彼は、好調なボンちゃんを脅かす存在となるだろう。世界各国から集結した次世代プレイヤーたちの活躍も、Red Bull Kumite 2017の見どころだ。
■Red Bull Kumite 2017
日時:2017年5月27日(予選:18時〜)・28日(決勝:21時15分〜)
- 予選Bracket:http://redbullkumite.challonge.com
予選スケジュール
配信予定時刻(JST)
プールA〜H
18時〜20時30分
プールI〜P
20時30分〜23時
TOP32〜TOP16
23時15分〜01時
TOP16〜予選終了
01時〜06時
決勝スケジュール
配信予定時刻(JST)
オープニングセレモニー
21時15分〜21時35分
TOP16〜TOP12
21時35分〜00時30分
コンボコンテスト
00時30分〜00時50分
TOP12〜TOP4
00時50分〜03時
TOP4〜グランドファイナル
03時〜05時
05時〜
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