トライアスロンデビューをしたい、トレーニングメニューを増やしたい、お腹周りをスッキリさせたい - どんな目的を持っている人にとっても、スイミングは優れた低負荷有酸素運動として機能する。このスポーツは、フィットネスを高め、循環器系疾患を発症する可能性を下げ、メンタルをクリアにしてくれる。
唯一の問題は、平泳ぎのプール60往復はやや退屈になる可能性があるということだ。そこで今回は、エキスパートにスイミングの時間を楽しく過ごせるヒントを教えてもらうことにした。
1. バラエティ豊かなメニューを組む
The Wild Swimming Brothersのカラム・ハドソンは「毎回のセッションが楽しみになるようにルーティン感をなくすことが大事だから、トレーニングメニューにアレンジを加えよう。月曜日はタイムアタック、火曜日はテクニック、金曜日はリラックス、土曜日はスタミナというようにね。このようにバラエティ豊かなスケジュールを続けていけば、トレーニング全体が組織化されていくし、ただラップを繰り返すよりも取り組む意味を感じられるようになる」とコメントしている。
2. 瞑想する
カラムの兄、ジャックは「スイム中の瞑想は、退屈を解消する最も簡単な方法のひとつだね。クロールの反復性、息継ぎへの意識、そして感覚をユニークにシャットアウトして没入感を生み出す水中の世界。これらは瞑想には最適の条件と言える。腕のリズム、水の音、水面で反射する光に意識を向けたり、1・2・3・左、1・2・3・右、1・2・3・左とリズミカルに行う息継ぎに集中したりして、頭のスイッチを切ってみよう」とコメントしている。
3. リストを作ってみる
ジャックが続ける。「何らかの理由で、瞑想できなかった時は、頭の中で色々なリストを作るようにしている。世界の国と首都の名前をリストアップしたり、自分が訪れたことがあるサッカースタジアムの名前を挙げていったり、いつかやってみたい旅行を考えてみたりするのさ。瞑想よりも簡単だから、取り組みやすいと思うよ」
4. HIITスイムに取り組む
Triscapeのケリー=アン・ペインは「退屈を感じることなく自分のスイミングスキルとフィットネススキルを鍛えられるワークアウトとして挙げられるのは、25m~50mを全力スイムをしたあと、プールサイドに上がり、プッシュアップやクランチ、スクワットジャンプなどのエクササイズをこなすセットですね。エクササイズを終えたらまたすぐプールに戻り、30秒ほど休んでから同じセットを繰り返します。全力スイムと言っても、プールサイドに上がれるだけの力は残してくださいね!」とアドバイスを送る。
5. 友人や他のスイマーと泳ぐ
ケリー=アンが続ける。「スイマーはソロスイムの孤独感を無視しがちです。少なくとも週1日は友人たちと泳ぎましょう。彼らのペースに合わせ、彼らのルーティンを真似てみましょう。わたしの場合は、同レベルのスイマーを見つけたら、彼らのレーンに入って、彼らが泳ぎを止めるのを待ってから、一緒に泳いで良いか尋ねています。彼らが自分より速ければ、ハードにプッシュしようと思えますし、自分より遅ければ、彼らを引っ張ろうとします。他のスイマーと交流を深められるので、プールの退屈さが大きく解消されますよ」
6. アイテムを活用する
ケリー=アンがさらに続ける。「スイミングには、プルブイやキックボード(ビート板)、フィン、ハンドパドルなど、様々な "オモチャ" があります。スイムセッション中にこれらを使って特定のエリアを鍛えてみましょう。プルブイ400m、ハンドパドル300m、キックボード200m、フィン100mの順にこなしてみましょう。フィンの代わりに全力スイムでもOKです。これを2セット行えば、25mを80本、計2km泳いだことになります」
7. トライアスロン的な目標を設定する
ケリー=アンは次のアドバイスも送る。「スイムセッションをトライアスロンのトレーニングとして捉えましょう。最初は "30分で1.5km" など、大まかな目標を設定し、次にそれを100mで割って小さな目標を設定します。つまり、"2分で100m" が目標になるわけです。これが設定できたら、あとは30分でこの小さな目標をクリアする回数を増やしていきます。最初は30分で10回クリアすることを目指してみましょう。"2分で100m" に休憩1分を組み合わせた3分のセットを10回です。そして、休憩を徐々に減らしながら、30分で小さな目標を15回クリアすること、つまり最初の目標 "30分で1.5km" を目指します」
8. 複数のストローク・トレーニングをする
カラムは「ストロークのバラエティを増やそう。クロールがメインなら、平泳ぎのテクニックを重視したトレーニングも組み入れよう。YouTubeにはストローク別のドリルが沢山投稿されているから、それらを実際に試してみよう。各ドリルは重要なテクニックにフォーカスしているから、時間をかけてそのドリルに取り組んでいけば、やがてストロークを自分の物にできるはずさ。クロールのドリルなら、フィンガーティップドラッグとバイラテラル・ブリージング(左右交互呼吸)がオススメだ。平泳ぎなら、2キック・1プル(蹴り2回・かき1回)のドリルがオススメだね。あとは、アイスクリームスクープのように水をかくドリルも取り入れてみよう」とアドバイスを送る。
9. 効率良く息継ぎをする
ケリー=アンは「バイラテラル・ブリージング(左右交互呼吸)の練習をして、ターン直後のストロークでは息継ぎをしないようにしましょう」とし、次のように続ける。「ターン直後のストロークで呼吸をしてしまうと、ターンで得たパワーとスピードが失われてしまいます。スイミングは非常にテクニカルなスポーツなので、たとえ息抜きのために泳いでいても、泳ぎ方が間違っていれば息抜きどころか疲れてしまいます。バイラテラル・ブリージングとターン直後の息継ぎを意識すれば、より効率良いスイムができるようになるので、疲れたり退屈さを感じたりしなくなります」
10. アウトドアスイムを楽しむ
カラムは最後に次のようなアドバイスを送る。「これは僕が全員に送っているアドバイスで、プールでのトレーニングやロングスイムの退屈を解消する最も簡単な方法なんだけど… 自然の中で泳いでみよう! 近くの湖や川、ビーチをチェックして、アウトドアスイムを楽しもう。塩素消毒された環境から自分を解放できる。プールの退屈なトレーニングのパーフェクトな解毒剤なんだ」