Sarah Zadrazil seen during a photo shoot in Salzburg, Austria on March 14, 2022
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サッカー

サラ・ザドラジル:サッカーオーストリア女子代表100試合出場を誇る鉄人MF

バイエルン・ミュンヘンで活躍するオーストリア代表MFがこれまでのキャリアを振り返った。
Written by Matt Majendie
読み終わるまで:5分公開日:
10年以上サッカーオーストリア女子代表の要として活躍してきたサラ・ザドラジルは、UEFA欧州女子選手権イングランド2022にも出場し、準々決勝進出に貢献した。
ザドラジルは、14歳まで男子と一緒の練習、幼稚園教諭を目指す勉強、米国留学を経ながら、ヨーロッパと世界の女子サッカーシーンを駆け上がり続けてきた。今回は、彼女にオーストリア代表100試合目(UEFA欧州女子選手権イングランド2022準々決勝ドイツ戦で記録)までのキャリアを振り返ってもらった。
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男子に囲まれて育った

ザドラジルが生まれ育ったオーストリアの街、ザンクト・ギルゲンには女子サッカーチームがなかったため、兄のチームに加入し、14歳まで男子に混じってプレーした。
「私の地元は男子が多く、彼らはいつもサッカーをプレーしていました。彼らを見てサッカーを始めたのです。当時は周りが男子だけでも気になりませんでした。チームに受け入れてもらえましたし、上手い選手のひとりでしたからね。今振り返るとポジティブな経験でした。子供の頃は男子から多くを学べます」
Sarah Zadrazil während eines Foto-Shoots in Salzburg, Österreich, 2022.
Skills, die nicht von dieser Welt sind...
今振り返るとポジティブな経験でした。子供の頃は男子から多くを学べます
サラ・ザドラジル
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独特の通学方法

ザドラジルの通学方法は非常にユニークだった。子供の頃に一輪車を習った彼女は、一輪車で毎日通学していたのだ。そして実は、この通学方法はサッカーとは違うスポーツのトレーニングも兼ねていた。
「12歳、13歳の頃は一輪車で通学していました。スキーのための筋肉の協調性とバランスのトレーニングも兼ねていました。今も乗れると思いますよ。一輪車に乗りながらジャグリングもできるはずです」
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幼稚園教諭を目指していた

10代の頃、ザドラジルは幼稚園教諭になるのが夢だった。しかし、当時の彼女は、毎日夕方まで勉強をしたあとサッカーの練習へ向かうというハードな日々を過ごしていた。
「夕方6時まで学校で勉強したあと、サッカーの練習へ向かい、帰宅後はまた勉強していました。かなり時間をかけましたし、“今週末はまたアウェイか。他の人たちはその間に勉強しているのに!” と思っていましたが、努力の甲斐はあったと思います。“自分がなぜ今これに取り組んでいるのか” を忘れないことが何よりも重要です」
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米国サッカー留学

オーストリアでのサッカーの才能が抜きんでていたため、ザドラジルは19歳で奨学金による米国サッカー留学のチャンスを得た。
「私は大学の奨学金を得た初めてのオーストリア人でした。とても大きなステップアップになりました。留学の話をいただいたときは、“凄い!” と思いましたね。米国の女子サッカーは良い噂しか聞きませんから。大学へ留学するとすぐに、米国のサッカーの発展のさせ方やチャンスの多さに感動しました」
Sarah Zadrazil während eines Foto-Shootings in Salzburg, Österreich, 2022.
Bereit, auf dem Feld alles zu geben...
米国のサッカーの発展方法やチャンスの多さに感動しました
サラ・ザドラジル
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ブンデスリーガへ

ザドラジルは米国留学直後から活躍し始めた。1年目にフレッシュマン(1年生)の1シーズン最多アシスト記録に並ぶと、2年目には8ゴール・11アシストをマークして年間最優秀選手に選ばれた。そして、この活躍が評価され、ブンデスリーガの1.FFCトゥルビネ・ポツダムからオファーが届いた。
「オファーを受けて、ドイツのブンデスリーガへ移籍しました。自分がプロでやれることは分かっていましたし、ポテンシャルもありましたが、“プロに進まなければ” と思ったことは一度もありませんでした。自然にそうなったのです。私はただ自分が好きなこと、自分にとって大事なことを続けていただけでした」
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準決勝進出

ティーンエイジャーでサッカー女子オーストリア代表に初招集されたザドラジルは、それ以来代表に定着してきた。代表でのキャリアハイライトはUEFA欧州女子選手権2017だった。このときのオーストリア女子代表は準決勝まで進出した。
「あの大会は忘れられませんね。優勝候補から外れていたのにベスト4まで残ったので、オーストリア全土が盛り上がりました。女子サッカーには誰も興味を持っていなかったのに、ウィーンで開催された準決勝のパブリックビューイングには12,000人が集まりました」
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大活躍

2020年夏、ザドラジルはブンデスリーガの強豪、バイエルン・ミュンヘン3年契約を結んだ。1年目はリーグ優勝に貢献し、さらにはチャンピオンズリーグも準決勝まで進出した。
「チャンピオンズリーグは初体験でしたが、準決勝のアウェイのチェルシー戦ではゴールを決めることができました。あのような瞬間は忘れられませんね。ブンデスリーガ優勝も女子サッカーシーンではビッグタイトルですし、バイエルン・ミュンヘンではすべてが上手くいっているのでハッピーです」
Sarah Zadrazil während eines Foto-Shootings in Salzburg, Österreich, 2022.
Sarah Zadrazil wird uns im Fußball noch einiges bescheren.
女子サッカーには誰も興味を持っていなかったのに、ウィーンで開催された準決勝のパブリックビューイングには12,000人が集まりました
サラ・ザドラジル
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シーズン最優秀ゴールにノミネート

チャンピオンズリーグ準決勝でのそのゴールは、UEFAシーズン最優秀ゴールにノミネートされることになった。
「基本的にゴールを決めるタイプではないですし、昨シーズンは2ゴールだけでしたが、どちらもドイツの月間最優秀ゴールにノミネートされましたし、準決勝のゴールはUEFAシーズン最優秀ゴールにノミネートされました。とても光栄ですね。ですが、残念ながら決勝へは進出できませんでした」
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代表100試合

ザドラジルの代表100試合目UEFA欧州女子選手権イングランド2022準々決勝ドイツ戦で記録された。サッカーオーストリア女子代表100試合出場を記録したのは、彼女を含んで4人だけだ。
「自国のために100試合もプレーしたことをとても誇りに思います。同時に、代表デビュー時からの女子サッカーシーンの進歩ぶりに驚かされます。この進歩に貢献できたことを本当に嬉しく思いますね。この素晴らしいスポーツがこれからも発展を続け、より多くの女性が私と同じようにサッカーを愛するようになってくれることを願っています!」
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