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マルク・マルケス直伝トレーニングアドバイス

© Jaime De Diego/Red Bull Content Pool
Written by Pablo Bueno and Ildefonso García
優れた肉体をキープするにはバランスと多様性を意識したトレーニングメニューがカギだ。マルク・マルケスは「トレーニングはまず楽しむのが基本」だと語る。
セパンでの公式テストも始まり、2018シーズンのMotoGPがいよいよ開幕に向けて本格的に始動した。しかし、マルク・マルケスはそれよりももっと早く新シーズンへの準備を始めていたようだ。プロフェッショナルなライダーにとって、オフシーズンは1年で最も重要な時期だ。ライダーたちはハードなトレーニングによって着実にフィットネスを向上させなければならないが、その一方で過度なトレーニングは禁物だ。シーズン開幕前にオーバートレーニングで怪我をしてしまっては元も子もない。
怪我と退屈を避け、トレーニングを無理なく楽しく続けられるコツをマルク・マルケスが直々に語ってくれた。

1. モトクロスライドで反応速度を高める

Marc Marquez trains in Cervera, Spain on November 20, 2017.
モトクロスは反応速度向上に役立つ
クラッシュを避けるためには、すぐに反応できるようにしておく必要がある。筋力ではなく、速さを鍛えて、素早く、力強く反応できるようになるのさ。瞬発力を高めておく必要があるし、それに才能というか… 手の使い方も大事だね。ジムの中だけじゃなくて、モトクロスでトレーニングするのも重要だ。モトクロスは反応速度を高めるのに大いに役立っているよ。
Quotation
ジムの中だけじゃなくて、モトクロスでトレーニングするのも重要さ
マルク・マルケス

2. 危険なセクションでは100%の集中力が求められる

Marc Marquez, San Marino MotoGP, 9th September 2017.
危険なコーナーでは最大限の集中が求められる
リスクの高いコーナーではイメージを高めておく。どんなサーキットでも、クラッシュの危険が潜むコーナーが3つか4つはある。それがどこなのかは事前に把握しているわけさ。でも、そのポイントでリアルタイムの状況判断もできないといけない。興奮状態でコーナーに進入する時は注意する必要がある。もちろん、100%の集中力と高いテンションを保ったままレースが終わるまでライディングを続けるのは無理さ。終盤で快適なライディングができなくなるからね。でも、自分が熱くなっているのが分かる瞬間がある。その瞬間、集中力がさらに高まる。これがクラッシュ回避に役立つ時があるんだ。

3. ルーティンを避けてトレーニングを楽しむ

Marc Marquez trains in Cervera, Spain on November 20, 2017.
楽しくトレーニングすることが基本
トレーニングのバランスを見つける必要がある。僕たちはサイクリングやランニング、ジムなどあらゆるトレーニングを組み合わせている。こうすれば、全体的なフィットネスレベルを高められるから、どんなエリアでも転倒しにくくなる。僕たちのトレーニングの基本にあるのは、とにかく楽しむってことさ。ある週のトレーニングプランを変更して、他のトレーニングをすれば、ルーティンに感じない。トレーニングがルーティン化してしまうと、最終的に身体が退屈してしまい、トレーニングをほとんど惰性でこなすようになる。より集中を高め、トレーニングをさらに楽しくするために、エクササイズの内容や取り組むエリアを変える必要があるんだ。

4. 重すぎるウエイトは禁物

Marc Marquez trains in Cervera, Spain on November 20, 2017.
ライダーにとって重すぎるウエイトは禁物
もう気づいている人もいるかもしれないけど、僕はマシントレーニングで重いウエイトを使わない。僕たちには必要じゃない。適度なウエイトをリフトする方が効果的だ。弟(Moto2ライダーのアレックス・マルケス)や専属フィジカルトレーナーとのトレーニングを通して、僕たちに必要なのはライディング時にかかる負荷に合わせたウエイト設定だという結論に到達したのさ。必要以上の筋肉をつけてしまうとエアロダイナミクスの効率が悪くなるし、体重も増えてしまう。ライダーのウエイトトレーニングでは妥協点を見出す必要があるんだ。

5. 前腕部のトレーニングは慎重に

Marc Marquez trains in Cervera, Spain on November 20, 2017.
前腕部のトレーニングは慎重に行うべき
ライダーにとって前腕部は最もデリケートな部分なんだ。前腕部のエクササイズでは、重いウエイトは使わないようにしている。手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん:骨と靭帯に囲まれた手根管内の正中神経が圧迫されて手や指にしびれが生じる症状)を引き起こしてしまうリスクがあるからね。でも、ひとつ言っておきたいのは、この症状は体質が関係しているってことだ。というのも、弟のアレックスは僕と同じトレーニングをしていたのに手根管症候群の手術を受けたんだ。僕は一度も問題を抱えたことがないのにね。