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フリースキー

『究極の滑走』:ストリート・パーク・バックカントリーを1本にまとめたフリースキー動画!

すべてのフリースキー競技で世界最高レベルに到達しているイタリア人トップスキーヤーのマーカス・エダーが2年をかけて完成させたスペシャル動画をチェック!
Written by Alastair Spriggs
読み終わるまで:4分公開日:
フリースキーにおいて、マーカス・エダーにできないことはない。
Nine KnightsとFreedom World Tourの頂点に立った経験を持ち、ヨーロッパ年間最優秀スキーヤーに複数回選ばれ、MSPでいくつも優秀なビデオパートを制作してきたこのイタリア人ライダーは、ストリート、パーク、ビッグマウンテンを問わず、あらゆるスキーで世界最高峰のパフォーマンスを見せられることを証明してきた。
そして今、マーカス・エダーは、スキー史上最も不可能と言っても過言ではない トップ・トゥ・ボトムランを収めた最新フリースキー動画で、その器用さとスキーマスターぶりをあらためて証明した。本人は次のように説明している。
「流れるような1本のランで自分のスキーのすべてを披露することをずっと夢見ていました。通常は、1年を通じて複数のプロジェクトをこなしていますが、今回はひとつのビジョンにすべてを注ぐのはどうだろうと考えました。自分のすべてを10分のセグメントにまとめてみようと考えたのです」
ツェルマット周辺からランをスタートさせるエダー
ツェルマット周辺からランをスタートさせるエダー
2019年3月のFreeride World Tour優勝後、エダーはその多才ぶりを世界にアピールできるビッグスケールのプライベートプロジェクトを活動の中心に据えた。そして、イタリアの南チロル地方とスイスのツェルマット周辺をロケハンしたあと山頂から麓まで一気に下り降りるトップ・トゥ・ボトムランを撮影したいと考えていたエダーがこのアイディアをLegs of Steelにプレゼンすると、このワールドクラスの撮影クルーはふたつ返事で参加を決めた。
エダーは「そこからは私ひとりのプロジェクトではなく、全員のプロジェクトになりました。全員が相当なエナジーを注いでくれましたし、私を信じてくれました。ですので、私も彼らを落胆させるわけにはいきませんでした。つまり、怪我をするわけにはいかなかったのです」と振り返っている。
タウファース城を抜けるエダー
タウファース城を抜けるエダー
すべての条件が揃い、ようやく自分の夢を現実に変えることができました
マーカス・エダー
それから2年をかけて、エダーとクルーは様々な古城や山頂、そしてイタリアのホームゲレンデ “クラウスベルク(Klausberg)” で『究極の滑走』の撮影に取り組んだ。ランはツェルマット周辺からスタートし、クラウスベルクのリゾートを抜けて、タウファース城とイタリア・ルタゴ近辺にある廃炭鉱町でのストリートセクションへ続く。エダーが語る。
「タウファース城でのライディングとクラウスベルクでのラインは随分前からイメージしていました。父親がタウファース城近辺の生まれで、私はクラウスベルクでスキーを習いました。ですので、この2つは自分の中でかなり特別なんです」
しかし、素晴らしい雪、息を呑むようなフィーチャー、献身的なクルー、そして怪我なしだったにもかかわらず、この野心的なプロジェクトには独自の問題がついて回った。エダーを悩ませたのはプレッシャーと孤独感だった。エダーが話を続ける。
氷洞でのランはハイライトのひとつ
氷洞でのランはハイライトのひとつ
タウファース城での豪快なストリートランも素晴らしい
タウファース城での豪快なストリートランも素晴らしい
「最大の問題は、このプロジェクトに関わっていたスキーヤーが私しかいなかったということでした。すべてが私の頭の中から生まれたものでしたし、クルーは世界最高レベルでしたので、自分にかなりのプレッシャーをかけてしまったのです。すべてのショットが次のショットと上手く繋がる必要がありましたし、少しでも怪我をしてしまえば、プロジェクト全体が遅れてしまいました」
『究極の滑走』の完成は、エダーのストリート、パーク、バックカントリーの類い稀な才能の真の証明となった。一般的に、プロフリースキーヤーが得意としているジャンルは1つだけ、多くても2つと言われている。しかし、エダーは3ジャンルすべてで世界最高レベルに達している。言い換えるなら、陸上競技の100m、1,500m、5,000mで世界一になるのと同じだ。本人は、この多才ぶりはスキー全般への愛情からくるものだとしている。
「1ヶ月バックカントリーに取り組んだら、次の1ヶ月はパークで滑りたくなります。私はありとあらゆるスキーをやってみたいと思っているのです。ひとつに飽きたら次に取り組むのです」
「これが、私があらゆるスキーでハイレベルに到達できている理由だと思います」
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