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スカイダイビング

【世界初!】着地なしの連続ウイングスーツフライト!

着地なしの連続ウイングスーツフライトは可能なのだろうか? グランドキャニオン付近で行われた飛行機とスカイダイビングの世界初プロジェクトを動画とテキストでチェック!
Written by Henner Thies and Thomas Peeters
読み終わるまで:5分Published on
世界有数の絶景の上空を飛行中のヘリコプターからウイングスーツフライトをしたあと下降中の飛行機に掴まり、そこからまた上昇してウイングスーツフライトに切り替えるシーンを想像してみよう。
これはハリウッド映画ではない。ドイツ人スカイダイバーのマックス・マノウが本当にやってのけたことだ。マノウは世界初となるこのプロジェクトで人類飛行の限界を再定義することに成功した。
圧倒的なスキルと勇気が必要とされたこのプロジェクトで、レッドブル・スカイダイブチームに所属するマックス・マノウは世界初となる飛行中の飛行機との空中ランデブーと着地なしでの連続フライトを成功させた。
世界的に有名な米国アリゾナ州グランドキャニオンの延長上に位置するリトル・コロラド・リバー・トライバル・パークを舞台にしたこのプロジェクトはエクストリームスポーツの大きな功績として記録される。
01

スカイダイバーのマイルストーン

マノウのプロジェクトは、大きく口を開けたヘル・ホール・ベンド・キャニオンへヘリコプターから飛び込むウイングスーツフライトからスタートした。
重力を否定するチームワーク

重力を否定するチームワーク

© Michael Clark/Red Bull Content Pool

そして緊張が続く中、マノウは見事に渓谷へ下降中の飛行機との空中ドッキングに成功して、素晴らしい精度と勇気を披露。そのあとは、飛行機のスピードを活かして上昇したあと再びウイングスーツフライトへ移行し、本人が言うところの “エンドレス・スカイダイビング” で、大空を悠々と楽しんだ。
プロジェクトの成功を喜ぶマックス・マノウ

プロジェクトの成功を喜ぶマックス・マノウ

© Michael Clark/Red Bull Content Pool

マノウは新たな領域を常に模索しているスカイダイバーとして有名だが、今回のプロジェクトは彼にとってネクストレベルとなり、それまでよりも多くの時間と神経とクリエイティビティを費やすことになった。今回のプロジェクトで、マノウは、「着地なしの連続ウイングスーツフライト」が可能であることを証明し、スカイダイバーにとっての大きなマイルストーンを打ち立てた。
02

正しいパイロットとロケーションの選択

今回のプロジェクトに挑むために、マノウは正しいパートナーを選ぶ必要があった。そして、ルーク・エイキンスが最適なパイロットとして選出された。エイキンスはいくつものクレイジーなアドベンチャーを経験してきたスカイダイバーであると同時に、レッドブル・エアフォースのメンバーとして世界最高のエアロバティック・パイロットのひとりでもあるのだ。
マックスから連絡が来て、彼を飛行機で牽引できるかと尋ねられたときは、クレイジーだと思いました
ルーク・エイキンス
つまり、エイキンスはパイロットとスカイダイバーを熟知している人物なのだ。また、彼は優れた発明家でもある。「マックスから連絡が来て、彼を飛行機で牽引できるかと尋ねられたときは、クレイジーだと思いました」とエイキンスは振り返る。しかし、最終的にエイキンスは、マノウが革新的かつクリエイティブなアイディアを用意し、自分を誘ってくれたことに興奮を覚えたのだった。
自分たちのプロジェクトが実行可能であることを2人が理解したのは、アリゾナ州リトル・コロラド・リバー・トライバル・パークにあるヘル・ホール・ベンド・キャニオンを見つけたときだった。このグランドキャニオンの支流の幅と深さは、プロジェクトの安全な遂行にパーフェクトだった。
ルーク・エイキンスとセスナ182

ルーク・エイキンスとセスナ182

© Michael Clark/Red Bull Content Pool

03

ヘル・ホール・ベンド・キャニオンでの空中バレエ

マノウのフライトはヘル・ホール・ベンド・キャニオン上空10,000フィート(3,048m)から始まった。ヘリコプターから飛び出したマノウは、ウイングスーツをコントロールしながらルーク・エイキンスが操縦する下降中のセスナ182へ接近した。
ウイングスーツと飛行機の空中ランデブー

ウイングスーツと飛行機の空中ランデブー

© Michael Clark/Red Bull Content Pool

機体と接続されたマノウ

機体と接続されたマノウ

© Michael Clark/Red Bull Content Pool

このプロジェクトではでは何よりも精度が重要だった。セスナ182へ接近したマノウはフックで自分と下降中のセスナ182を接続すると、安全高度2,500フィート(762m)まで戻り、再びフリーフォールを開始した。マノウは次のように説明する。
「信頼関係がすべてでした。最初のチャレンジはルークとの空中ランデブーでした。最初のトライでは、ハンドルを掴むまでが本当に難しかったですね。気流が大きく異なっていて、かなり振り回されてしまいました。いくつもの飛行方法を学ぶ必要がありました」
いくつもの飛行方法を学ぶ必要がありました
マックス・マノウ
プロジェクト成功のためには何ヶ月もの準備が必要だった。マノウはウイングスーツ用屋内施設のセッションを含むトレーニングに5ヶ月を費やして、空中ドッキングに必要なテクニックをマスターした。一方、エイキンスは安全にトライを繰り返せるように機体を改造した。
04

プロジェクトが特別な理由

マックス・マノウが狙っていたのは、着地せずに何回でも繰り返せるフライトマニューバーの開発だった。そして今回その開発に成功したことで、マノウは “空中に留まり続ける”というスカイダイビングの新たな扉を開くことになった。挑戦を終えたマノウは「今回の挑戦がスカイダイビングの未来を変えるかも知れませんね」と感想を述べている。
《プロジェクトデータ》
  • ヘリコプタージャンプ高度:10,000フィート(3,048m)
  • セスナ182接続後の上昇速度:500フィート/分(2.54m/秒)
  • 空中ドッキングまでのウイングスーツの飛行速度:最高80ノット(41m/秒)
  • ヘル・ホール・ベンドの大きさ:幅240m・深さ427m
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