Max's cap tells the story
© Getty Images/Red Bull Content Pool
F1

マックス・フェルスタッペンと関係者が語るF1ワールドチャンピオンへの道

レッドブル・レーシング・ホンダに所属する天才ドライバーはどのようにしてモータースポーツの頂点に立ったのだろうか? 本人と関係者たちの言葉からその道程を紐解く。
Written by Matthew Clayton
読み終わるまで:5分公開日:
マックス・フェルスタッペンのF1全7シーズンでの活躍ぶりを踏まえれば、トップレベルまでの到達とワールドチャンピオンになることは「可能なこと」ではなく、「必ず起きること」だった。
しかし、このような形でこれらを実現するとは誰が予想しただろうか。“圧倒的な力で近年のF1を制圧してきた最強チームに所属するF1史上最大の成功を収めてきた最強ドライバーをシーズン最終戦のファイナルラップでオーバーテイク” して頂点に立つというのは、誰の目から見ても「不可能」だった。
しかし、挑んだのはあのマックス・フェルスタッペンであり、これこそが2021年12月のアブダビGPで彼が成し遂げたことだ。レッドブル・レーシング・ホンダに所属するこのドライバーはシーズン10勝目を上げると同時に、キャリア最大の結果を手に入れたのだ。
マックス・フェルスタッペンの頂点までの道のり様々な人物の言葉から紐解くポッドキャスト(英語音声)をチェック!
2016シーズンのスペインGPでF1史上最年少優勝ドライバーになった瞬間にF1史上最大の光を放つスタードライバーとなったフェルスタッペンは、この世界一厳しいモータースポーツカテゴリーで何ができるのかを急速かつ定期的に再定義していった。
たった18歳でF1ウィナーとなったフェルスタッペンは、以来、毎シーズンいくつかの優勝を記録するようになったが、両タイトルを独占し続けていたメルセデスとハミルトンのコンビにとっては「靴の中でたまに足に当たる砂利」程度でしかなかった。しかし、2021シーズン、遂にこの関係が変わった。
しかし、フェルスタッペンとは一体何者なのだろうか? 彼はどのようにして世界の頂点に到達したのだろうか? 今回は、他のF1ドライバーやチームメイト、ジャーナリスト、ファン、関係者、そして本人の言葉から、新F1ワールドチャンピオンの人物像を探っていくことにする。
アブダビGPでキャリア最大の目標を達成した
アブダビGPでキャリア最大の目標を達成した
2021シーズン最終戦のチェッカーフラッグを受けてからのフェルスタッペンは超多忙だったが、シーズンを通じてのハミルトンとの激戦を終え、人生最大の目標を達成したとことがようやく自分の中で現実になってきた今、高い満足感を得ている。しかし、成し遂げた功績の大きさはまだ理解できていないように思える。
本人は次のように振り返っている。
「言うまでもなく、ワールドチャンピオンになることはF1キャリアの最終目標だ。その他の結果はボーナスでしかない。とにかく強烈なシーズンだった。あそこまでクレイジーな最終戦はありえない。あの最終戦は2021シーズンを要約していたね」
「全員が無線越しに叫んでいて、誰もが感情的になっていた。最初の時点ではタイトルを獲得できるとは思っていなかったし、インラップでは泣いてしまったよ。何しろ凄まじいシーズンだったからね。シーズンを通じてストレスがあったし、バトルも激しかった。あそこまでドラマティックなシーズンはありえないよ」
父ヨスとのコンビでF1の頂点に到達した
父ヨスとのコンビでF1の頂点に到達した
“ドラマティック” は、フェルスタッペンのほぼ垂直に近い成長曲線を正しく説明する形容詞のひとつだ。彼のその急成長は、レーシングサラブレッドの血統、誰も否定できない才能、強烈な競争心、揺るぎない自信、たゆまぬ努力を最高の形で組み合わせた結果だ。
2歳からクアッドバイクに乗り、4歳でゴーカートデビューを飾り、7歳からレース優勝を手にし始めた彼にとって、成功は運命づけられていたようなものだった。
フェルスタッペンのその成長曲線は、F1でのライバルであり長年の友人でもあるピエール・ガスリースクーデリア・アルファタウリ)のような他のドライバーたちも驚かせている。
「僕たちはカート時代からしのぎを削っていて、バトルも経験したけれど、マックスは常にトップを走っていた。倒したいドライバーだったんだ。ただただ素晴らしいレーサーだった。マックスはあの頃から僕たちドライバー全員が目指している大きな目標のためにすべてを捧げていたよ」
2016シーズンのスペインGPでF1初優勝を飾った
2016シーズンのスペインGPでF1初優勝を飾った
そのレースを強く求める気持ちが、フェルスタッペンを強烈なF1シーズンの主役へと押し上げたのだろう。F1ドライバー時代に13勝を挙げた解説者デビッド・クルサードは次のように評価している。
「2021シーズンはF1にとって素晴らしい1年だった。実にF1らしいシーズンだった。このような凄まじいバトルが展開されるシーズンは10シーズンか20シーズンに1回しかないが、天才ドライバー2人が接戦を繰り広げる様子を目撃できるのは本当に嬉しいことだ」
カートの神童と呼ばれていたフェルスタッペンは、2014シーズンにスクーデリア・トロ・ロッソ(現スクーデリア・アルファタウリ)のドライバーとしてわずか17歳で日本GPのプラクティスセッションでF1デビューを飾ると瞬く間に飛躍。2019シーズンと2020シーズンに総合トップ3に入ると、2021シーズン、実に彼らしいスタイルでキャリア最大の成功を手にした。
レッドブル・レーシング・ホンダでチームメイトを務めた経験を持ち、2022シーズンはウィリアムズからF1を戦う予定になっているアレックス・アルボンは、重要な局面を迎えてもフェルスタッペンのレースへの取り組み方が変わらないことに驚いたと振り返る。
「僕が予選に向けてデータをチェックしているのに、マックスは『FIFA』シリーズ『コール オブ デューティ』シリーズで遊んでいるときが何回かありました。純粋に憧れますよ。あそこまでリラックスできたらいいですよね!」
ザントフォールト・サーキット
ザントフォールト・サーキット
最後に、世界中のF1ファンが今後の彼に何を期待すれば良いのかについて、クルサードは次のように語っている。
「フェルスタッペンは、サーキットでは一瞬たりとも目を離したくないドライバーだ。必ず何か特別なことをやってのけてくれる」
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