Max Verstappen
© Getty Images/Red Bull Content Pool
F1

「マックス・フェルスタッペンは天才ドライバー」説を裏付ける10のトリビア

レッドブル・レーシング・ホンダに所属するオランダ人F1ドライバーの才能はどれほどなのだろうか? 本人、家族、F1解説者、元チームメイトの発言やトリビアから検証する。
Written by Howard Calvert
読み終わるまで:7分公開日:
2021年、マックス・フェルスタッペンは素晴らしいシーズン、いや、最高のシーズンを送っている。レッドブル・レーシング・ホンダに所属する現在23歳のF1ドライバーは第13戦オランダGP終了時点でシーズン7勝を挙げており、ルイス・ハミルトンを抑えてドライバーズランキング首位に立っている。
しかし、フェルスタッペンのような不世出の才能を理解するためには、家族やチームメイトなど、彼をよく知っている人たちから話を聞くのがベストだ。そしてここにデビッド・クルサードとジェス・マクファディンのようなF1のエキスパートたちを加えれば、マックス・フェルスタッペンの輪郭がより明確に見えてくる。
今回はフェルスタッペンが天才F1ドライバーであることを裏付ける10のトリビアを紹介する。
01

4歳でゴーカートデビュー

マックスの父親、元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、息子はかなり幼い頃からエンジンの近くにいたとし、「息子を初めてゴーカートに乗せたのは、彼が4歳半のときだ。2歳からクアッドバイクに乗っていたので、スピードとハンドリングには慣れていたし、そこまで心配はしていなかった。ゴーカートに乗り始める前からかなりの経験を積んでいたんだ」と語っている。
マックスは7歳になるまでにレース参戦を本格的にスタートさせると、それ以来、勝利の道を歩み続けている。
カートをドライブするマックス・フェルスタッペン
カートをドライブするマックス・フェルスタッペン
02

本人と同じくらい父親も本気

マックスにレーシングドライバーのDNAを授けた父親ヨスは、マックスにとって非常に大きなインスピレーションになっている。マックスは、ジュニア時代に親子で毎年10万キロを走るレースツアー生活を10年続けたが、当時のヨスはすべてのレース結果をマックスと同じくらい真剣に受け止めていた。マックスは次のように振り返っている。
「2012年の世界選手権で僕はクラッシュをしてしまい、タイトルを逃してしまった。当然、僕は悔しい思いをしたけれど、父はもっと悔しがっていて、心底落胆していた。だから、レース終了後、コースアウトしたカートを回収しにいく必要があったんだけど、父から “お前ひとりで片付けろ” と言われたんだ。僕はクラッシュの経緯について父に説明したかった。でも、口をきいてもらえなかった。その後も僕は話そうとしたんだけど、立ち寄ったガソリンスタンドで父から “車から降りろ。お前とはもう話したくない” と言われた」
幸運なことに、今の2人はこの出来事を笑いながら話せるようになっている。ヨスは「マックスの母親が私たちの少し後ろを走っているのを知っていた。息子を放置しようとしたわけじゃない(笑)」と振り返っている。
僕が予選に向けてデータなどをチェックしている間、マックスは『FIFA』や『コール オブ デューティ』などのビデオゲームをプレイしているんだ。憧れるよ
03

教習所の教官に袖の下を渡そうとした

驚くことに、マックスがF1キャリアをスタートさせたとき、彼はまだ普通自動車免許を取得していなかった。なぜなら、まだ17歳だったからだ。「教習所の教官はとても厳しかった。いいことなんだけどね。実は、僕は準備万端だったんだ。袖の下としてF1関連のキャップやTシャツを用意していたのさ。でも、彼は受け取らなかった!」と振り返っている。
ちなみに、マックスのF1デビューを機に、F1のスーパーライセンスの発給ルールに「18歳以上であること」が新たに組み込まれることになった。
2021シーズンはタイトル獲得の可能性が高い
2021シーズンはタイトル獲得の可能性が高い
04

シートベルトは緩め

オンオフ問わず、マックスはリラックスした性格の持ち主で知られている。F1で13勝を挙げたあと現在は解説者として活躍中のデビッド・クルサードは次のように明かしている。「マックスは、シートベルトをそこまでタイトに締めないと言っていた。緩くても問題ないと思えるだけの自信があるということだ。実に素晴らしい。現役時代の私はマシンに固定されていたかった」
05

チームメイトも羨むメンタルの持ち主

マックスの元チームメイト、アレックス・アルボンは、マックスには相当な自信が備わっているが、彼は決して傲慢ではないとしている。「僕が予選に向けてデータなどをチェックしている間、マックスは『FIFA』シリーズや『コール オブ デューティ』などのビデオゲームをプレイしているんだ。憧れるよね。僕もあそこまでリラックスできればなと思うよ」
マックス・フェルスタッペンとアレックス・アルボン
マックス・フェルスタッペンとアレックス・アルボン
06

伝説のスペインGPで父親は鼻血を出していた

マックスは、18歳でF1史上最年少優勝を飾って新たな歴史を作った2016シーズン・スペインGPを次のように回想している。「残り5周で身体がつり始めたんだけど、興奮していたし、集中は切れていなかった。あれはクレイジーだったね。プレッシャーは相当だった。実はその頃、父親は鼻血を出していたんだ。ドライバーズルームであのレースの最終盤を見守るのは想像を絶するものだったはずさ」
07

母国オランダでは超有名人

オランダ人プロBMXライダーでレッドブル・アスリートとしても活動しているトワン・ファン・ゲントはマックスの大ファンだが、オランダ国民の大半が同じ気持ちだと語っている。「オランダのガソリンスタンドへ行けば、ほぼ100%の確率でマックス関連の何かを目にするはずさ。テレビのCMも70%がマックスだ。オランダ国民の95%が彼のことを知っているだろうね」
ジェス・マクファディンは、オランダのF1ファンは自分たちが応援できるドライバーの登場を長年待ち続けていたとし、次のように説明している。「オランダのF1ファンはジャクジーとダブルベッド付きのモーターホームでサーキットを訪れています。パーティを楽しんでいるのです。そして、マックスが登場した瞬間、彼らは応援する対象も得たのです」
ファン・ゲントが続ける。「オランダ人はそうやってF1を楽しんでいる。サッカー観戦もF1レースも同じなんだ。みんなで集まって楽しむのさ」
2018シーズン・ブラジルGP予選を走るマックス
2018シーズン・ブラジルGP予選を走るマックス
08

切り替え上手

アルボンは、他のドライバーがレース中に気になってしまうことをまるで気にしないマックスが羨ましいとしている。「たとえば、レース中に風が吹いてマシンが不安定になっても、マックスは脳のスイッチを切って、意識しないようにできるんだよ」
クルサードは次のように続けている。
「レース中に無線を通じてジョークを飛ばして笑っているマックスに困惑してしまう人がいる。しかし、F1ドライバーは時速320kmでの走行に集中しているわけではない。判断の連続に集中している」
「たとえば、15個のコーナーが用意されているサーキットなら、彼らは1分半で15回判断を下している。しかし、これは少ないほうだ。つまり、このようなサーキットでは判断と判断の合間に会話をしたり、景色を楽しんだりできる余裕がある。マックスは、そのようなタイミングを使って、周囲で起きていることや自分がやっていること、そしてエンジニアと話したいことを分類・整理しているんだ」
09

ルイス・ハミルトンを本気にさせた

2021シーズンは、マックスとハミルトンが初めて接戦を演じており、近年のF1では見られなかった激しい一騎打ちが展開されている。マックスはレース毎に成長している印象だが、彼に影響されてルイス・ハミルトンもレベルアップしている。アルボンは次のように語っている。
「ルイスはようやく正式なタイトル争いに挑めているんだ。これまではできていなかった。だから、今シーズンのルイスは、これまで以上にシミュレーターに乗っているし、メルセデスもシフトアップして、これまで以上にタイトル獲得にフォーカスしている。アドバンテージを得るための努力をしなければならない立場にいるのはマックスよりもルイスだよ。彼らはお互いにリスペクトをしているけれど、この状況に動じていないのはマックスだね」
レッドブル・レーシング・ホンダを頂点に導けるか?
レッドブル・レーシング・ホンダを頂点に導けるか?
10

ポテンシャルは無限大

多くのエキスパートが「マックスの未来は明るく、彼のピークはまだ先」という意見を共有している。マクファディンは「マックスは同世代最強のF1ドライバーのひとりとして語り継がれるでしょう。本当に素晴らしい才能の持ち主です」とコメントしている。
クルサードも「彼は必ずワールドチャンピオンになる。彼がワールドチャンピオンになるのを防げるのはレーシングの神だけだろう」と続けている。
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