F1
17歳でデビューを飾った瞬間からF1の歴史を書き換え続け、3年連続でドライバーズタイトルを制覇した “スーパーマックス” の記録破りのキャリアを振り返ろう。
2023シーズン カタールGPスプリントで2位に入った結果、マックス・フェルスタッペンはF1ドライバーズタイトル3連覇を確定させた。F1 2023シーズンはこの若きオランダ人ドライバーが支配しており、史上最多連勝記録(10連勝)も更新している。
11月末の2023シーズン最終戦アブダビGPまでさらなる記録更新が予想されるが、マックスを同世代最高のタレント、そしてモータースポーツ界の至宝にしている記録の数々をここで振り返っておこう。
※スタッツはすべて2023シーズン カタールGP終了時点
01
史上最年少F1レースウィークエンド参加
- 年齢:17歳3日
- 場所:2014シーズン 日本GP
当時レッドブル・ジュニアチームに加入したばかりだったマックスは、ジャン=エリック・ベルニュに代わってスクーデリア・トロ・ロッソ(現在のスクーデリア・アルファタウリ)から2014シーズン 日本GP初日フリープラクティスに参加し、17歳と3日でF1公式セッション初走行を記録した。
ちなみにF1における歴代最年長の出走記録は1955シーズン モナコGPでのルイ・シロン(55歳291日)だが、マックスがこの記録の更新を狙う場合は、この先約30年も残っている。
02
史上最年少F1デビュー
- 年齢:17歳166日
- 場所:2015シーズン オーストラリアGP
スクーデリア・トロ・ロッソへ正式加入し、同じく当時ルーキーだったカルロス・サインツ(現フェラーリ)とフレッシュなコンビを組んだマックスはメルボルンのアルバート・パークでF1デビューを飾り、史上最年少F1ドライバーとなった。F1デビュー時のマックスはハイメ・アルグエスアリがそれまで保持していた最年少デビュー記録よりさらに約2歳若かった。
ちなみに、現在ではF1参戦に必要なFIAスーパーライセンスの発給要件が18歳以上に引き上げられたため、この記録は未来永劫破られることはない。
マックスはアルバート・パークで素晴らしいデビューを飾り、予選11番手を獲得。決勝ではエンジントラブルに見舞われるまで入賞圏内を走行した。マックスが再び入賞にトライするまではそこまで長い時間はかからなかった。
03
史上最年少入賞
- 年齢:17歳180日
- 場所:2015シーズン マレーシアGP
オーストラリアでのF1デビューから2週間後に開催されたマレーシアGPで、マックスはレッドブル・レーシングのダニエル・リカルド(4番手)とダニール・クビアト(5番手)に次ぐ予選6番手を獲得し、史上最年少での予選Q3進出を記録。
そして決勝ではレッドブル・レーシングの2台とチームメイトのサインツを上回る7位でチェッカーを受けて史上最年少グランプリ決勝完走と史上最年少入賞を記録した。
尚、このレースではセバスチャン・ベッテルがフェラーリ移籍後初優勝を挙げた。
04
史上最年少優勝
- 年齢:18歳228日
- 場所:2016シーズン スペインGP
2016年5月15日、マックスは複数のF1記録を塗り替えた。F1史上最年少決勝リードラップを記録してから約1時間後、史上最年少優勝および史上最年少表彰台も達成したのだ。1日の仕事としてこれ以上は考えられない。
マックスは成績不振のダニール・クビアトに代わってレッドブル・レーシングに加入した直後で、完全に不慣れなマシンでレースに臨んでいた事実はつい見落とされがちだ。予選最前列を独占していたメルセデス勢が揃ってリタイアしたとはいえ、マックスはチームメイトからリードを奪う必要があり、さらにはフェラーリ勢の追撃を最後までかわさなければならなかった。
表彰台の頂点に立ったマックスを真っ先に祝福したのは、それまで史上最年少優勝記録を保持していたセバスチャン・ベッテルだった。
05
史上最年少ファステストラップ
- 年齢:19歳44日
- 場所:2016シーズン ブラジルGP
この記録はマックスの卓越した才能を知らしめたパフォーマンスのおまけ的意味合いが強い。マックスがF1で最もエキサイティングなニューカマーであることを2016シーズン ブラジルGPまでに世界が認識していなかったなら、豪雨のインテルラゴスでたった14周のうちに16番手から3番手まで順位を上げたドライビングで否応なく認識したはずだ。
06
史上最年少グランドスラム
- 年齢:23歳277日
- 場所:2021シーズン オーストリアGP
ドライバーズタイトル獲得へ向けた現実的なチャンスを初めて掴んだ2021シーズン、マックスはレッドブル・リンク2連戦に臨むべくシュピールベルク(オーストリア)へ乗り込んだ。
ダブルヘッダー1戦目のシュタイアーマルクGPを制したマックスは翌週のオーストリアGPではそれまでで最も圧倒的なパフォーマンスを見せ、ポールポジション / 決勝ファステストラップ / 決勝全周回リードを独占する “グランドスラム” を達成した。
07
年間最多表彰台フィニッシュ
- 場所:2021シーズン アブダビGP
- 記録:表彰台フィニッシュ18回
- それまでの記録:17回(2002シーズン ミハエル・シューマッハ / 2013シーズン セバスチャン・ベッテル)
マックスの劇的な初タイトル獲得を祝う花火がアブダビの夜空に打ち上げられる裏で、もうひとつの大記録が人知れず達成されていた。マックスは1シーズンの最多表彰台獲得回数を更新したのだ。
この記録は、打倒ルイス・ハミルトンのカギとなったマックスの卓越した一貫性を示すひとつの尺度だ。10勝・2位フィニッシュ8回(3位フィニッシュは0回)を記録した2021シーズンのマックスは1シーズンの表彰台フィニッシュ回数で歴代トップに立った。
08
年間最多ポイント
- 場所:2022シーズン メキシコシティGP
- 記録:454ポイント
- それまでの記録:413ポイント(2019シーズン ルイス・ハミルトン)
初戴冠後はせきを切ったかのように記録更新が相次いだ。2022シーズンのマックスは次々と優勝を重ね、最終戦4戦前の日本GPで早くもタイトル連覇を確定させると、メキシコシティGPも楽々と制してルイス・ハミルトンがそれまで保持していた1シーズン最多ポイント記録を更新。その後もポイントを積み重ねた。
2023シーズンのマックスは前年よりも良い内容でシーズンをスタートさせているため、さらなる記録更新が期待される。
09
年間最多勝利
- 場所:2022シーズン メキシコシティGP
- 記録:14勝
- それまでの記録:13勝(2004シーズン ミハエル・シューマッハ / 2013シーズン セバスチャン・ベッテル)
シーズン最多ポイント記録を塗り替えた2022シーズン メキシコシティGPで、マックスはもうひとつの記録を打ち立てた。1シーズンの優勝回数でミハエル・シューマッハとセバスチャン・ベッテルの記録を抜いて単独トップに立ったのだ。
2023シーズンのマックスがこの記録を意識しているとは思えないが、最終戦まで残り5戦となったカタールGP終了時点で彼のシーズン優勝回数は前年と同じ14勝で並んでおり、記録更新を射程に捉えている。
10
最多連続優勝
- 場所:2023シーズン イタリアGP
- 記録:10連勝
- それまでの記録:9連勝(2013シーズン セバスチャン・ベッテル)
ウェットコンディションに見舞われた母国オランダGPで9連勝をマークして歴代最多タイに並んだマックスは、次戦イタリアGPでもさらにひとつ勝ち星を重ねた。これでマックスの連勝記録は10連勝となり、ドライバーズタイトル3連覇に王手をかけた。
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