スケートボード

【コラム】FESN森田貴宏の少し長いが聞いてくれ。 《藝術の学校でスケートボードと向き合ってみて》の話!

© Takahiro Morita
Written by Takahiro Morita
一生涯スケートボーダーのFESN森田貴宏が、最近身近で起こった考え深い出来事を長く、熱く綴るスケートボードコラム。よー、そこの若いの、ちょっと長いが聞いてくれ!

畑違いの場所に立って改めて気づいた、スケートボード本来の魅力!!

スケートボードゼミの講師?
先日僕のところにある方から仕事の依頼が来ました。何でも芸術大学の教授先生からで、自分が受け持つ油絵科の生徒さん達にスケートボードを一から作らせ、出来上がったボードに絵を描かせたい!ということでした。何て!素晴らしい授業なの!と感激した僕は、もちろんその御依頼は喜んで快諾させて頂きました。
藝術を学ぶ学校だということで当初はボード自体をデザインしてそこに絵を描くっていうだけの目的だったのですが、僕なりに考えるとやはりそこはボードを作る前に実際に生徒さん達にスケートボードを体験して頂きたいと考えた訳です。まずはスケートボードという「遊び」を体験して貰って、スケートボード本来の最初の目的を知って貰うことが何よりも大切なんじゃないかと思ったのです。
スケートボードにはまず「しなくてはいけない」ということがないように思います。プロスケーターの自分にも「しなくてはいけない」という技術やトリックはないと考えています。ただ巷に言われるトリックや技術の数々はただ単に現在、流行っているトリックであり技術であるということだと僕は思うのです。なぜ僕がそう考えるかというと、それはスケートボード自体がまずは「遊び」であり、個人の個性を第一に表現する「乗り物」だからなんじゃないかと思うからです。
例えば、現在のストリートスケーティングには必要不可欠とされるオーリーという技術。それも僕なりに解釈すると絶対にやらなくてはいけないという技術ではないと考えます。やりたければやればいい。しかし誰に強制されるものでもないと。それより僕はオーリーに代わるような、スケートボードで地上から空に向かって、オーリー以上に効率良く飛び上がれるという新たな技術の可能性の方にとても興味をそそられます。まだ誰も見たことのないような技術の開発や、新たなスケートボードの可能性が広がって行く瞬間など、そういったことに少しでも自分が関与出来ないか? と僕は日々スケートボードを想い、考え、そしていつもワクワクしている。
僕は自分のスケートボードにとって常に新しい「何か」を求めている。その「何か」は時に過去を遡って得られる過去の技術かもしれないし、全く新しいが他人から見たらバカバカしいものかもしれない。しかし自分にとってはその過去の技術や、他人から見たらバカバカしいとされることを実際に自分でトライしてみることで、初めて今までに感じられなかったようなスケートボードの感覚を知ることが出来るのだと思うのです。何事も「やってみなくちゃ分からない」ってやつです。
だからスケートボードにはまず「しなくてはいけない」ということがない。あるのは各々個人の自由な個性を表現する「乗り物」であり「遊び」だということ。まずは精一杯楽しむこと。何からも縛られず、自分が思ったように身体を使って、転んでは立ち上がり、転んでは立ち上がってを繰り返して、進んでいく「遊び」だと思うのです。
(了)
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