Workout like a real racing driver© Getty Images/RedBull Content Pool
フィットネス
レーシングドライバー用オフシーズンワークアウト
レースを戦い抜くには強靭なフィットネスが不可欠だ。レーシングドライバーのフィットネス維持と向上に効果的な7つのワークアウトを解説する。
Written by Matt Evans
公開日:
ラリー、カート、シングルシーターを問わず、有能なレーシングドライバーはドライビングが肉体に加える負荷を熟知している。科学専門誌『Sports Medicine』が、レーシングドライバーのトレーニングプログラムはレーシングドライバー個人と本人に加わる負荷に基づいて組まれるべきだと勧めているのも納得だ。
では、レーシングドライバーに適したトレーニングにはどのようなものがあるのだろうか? 我々はF1ドライバーの専属コーチ兼フィジオを務めるアレックス・ストットを訪ね、より優れたドライバーになれる上に、怪我の防止にも役立つ、自宅でできるシンプルなワークアウトを教えてもらった。近くにジムがなくても心配はいらない。ダンベル2個とある程度のスペースがあれば十分だ。

1. ルーマニアンデッドリフト

やり方
  • 両手にダンベルを持ち、太ももの前のあたりまで引き上げる。直立して前方を見る。
  • 腰を落とし、ダンベルをひざ下あたりまで引き下げる。
  • 大臀筋をぐっと引き締め、直立姿勢に戻す。
回数:12回 × 4セット
効果:「ルーマニアンデッドリフトは、ブレーキングで使うエナジーを最小限に抑える効果があります」とストットは語る。ルーマニアンデッドリフトは脚部と大臀筋を強化し、ドライバーの着座時の姿勢を安定させるのに役立つ。
  

2. ゴブレットスクワット

やり方
  • ダンベル1個を両手で持ち、胸元あたりに掲げる。両脚は肩幅よりも少し開く。
  • ゆっくりと腰を落としてスクワットする。
  • かかとは床につけたままにして、重心は足裏の中央にする。
  • 太ももが床に対して90°になるまで腰を落とし、力を入れて最初の姿勢に戻る。
回数:12回 × 4セット
効果:「ゴブレットスクワットは、下半身を鍛え、体幹を強化するのにとても効果的なエクササイズです」とストットは語る。強い下半身と体幹は、ドライバーがブレーキング時に必要な踏力を生み出すのに不可欠だ。

3. ダンベルプレスアップ

やり方
  • 両手に1個ずつダンベルを握り、腕立て伏せの姿勢を取る。バランスを崩さないよう注意する。
  • 両肘を曲げて、床に向けて胸を下げる。
  • 上体を限界まで下げたら、力を入れて元の姿勢に戻す。
  • 常に体幹を引き締めることを意識する。
回数:10回 × 4セット
効果:ダンベルを握った腕立て伏せは、通常の腕立て伏せよりも胸を下げられるので負荷が増す。また、ダンベルを使うことでムーブメント全体のバランスを意識するようになるので、ドライビング時の体幹と脊椎を安定させる。

4. レネゲード・ロウ

やり方
  • ダンベルを両手に持ち、腕立て伏せの姿勢を取る
  • 両肘を伸ばして、片方のダンベルを胸に向けて引き上げる。尻と肩はなるべく動かさないようにする。
  • 引き上げたダンベルを下ろし、もう片方のダンベルを引き上げる。
  • バランスが取りづらい場合、両脚を少し開いてみよう。安定感が増すはずだ。
回数:左右各10回 × 4セット
効果:このエクササイズはドライバーがコーナーリングで使う体幹の小さな筋肉群を強化するのに効果的だ。また、ローイングのアクションは背筋上部の強化に効果的で、怪我に強い体作りに役立つ。

5. ハーフニーリング・ショルダープレス

やり方
  • 左ひざを立てて、右手のダンベルを肩の高さに持つ。
  • ダンベルを上方に押し上げる。ウエイトとのバランスを取ろうとして、身体が左右前後にぐらつかないようにする。
  • 腕を伸ばしきったら、ウエイトを支えながら再び肩の高さまで戻す。片方で10回繰り返してから、もう片方に切り替える。
回数:左右各10回 × 4セット
効果:「このムーブはドライビング時の良好な姿勢と上半身の耐久性に重要な、強い肩を作り上げます」とストットは説明する。左右片方ずつ取り組むことで、体幹の安定性を高め、高いGフォースがかかった際にも姿勢を崩さず集中をキープできるようになる。

6. ウエイティッド・デッドバグ

やり方
  • 仰向けになり、両手にダンベルを持つ。
  • 両腕を上に伸ばす。椅子に座った姿勢をイメージして、膝が90°の角度になるまで片方の太ももを引き上げる。
  • 太ももを引き上げたら、ゆっくりと元の状態に戻し、もう片方の太ももを引き上げる。
回数:45秒 × 4セット
効果:「これは肩の筋力と安定性を同時に高めるエクササイズで、深層筋(インナーマッスル)の連携が求められます」とストットは語る。またこのエクササイズは、ドライバーズシートで長時間酷使される大臀筋を活性化する。

7. シーテッド・ロシアンツイスト

やり方
  • 両手にダンベルを持ち、腹筋運動(シットアップ)の姿勢で床に座る。
  • 少し膝を曲げて、両足を床から浮かせる。
  • 体幹を使って、ダンベルが床につきそうな位置にくるまで片方の尻に向けて上半身をひねる。
  • そこから最初のポジションに戻し、逆側にひねる。背中と両脚が床につかないようにする。
回数:左右各10回 × 4セット
効果:「このエクササイズは、ドライバーがシートに座った時のような姿勢になります」とストットは語る。肩の筋力と握力を高めつつ、ねじり方向の体幹コントロールを強化してくれる。Gフォースがかかった胴体の安定性を高めるためにパーフェクトなエクササイズだ。
  
最後に今回紹介した7つのエクササイズと回数をまとめておこう
  • ルーマニアンデッドリフト(12回 × 4セット)
  • ゴブレットスクワット(12回 × 4セット)
  • ダンベルプレスアップ(10回 × 4セット)
  • レネゲード・ロウ(左右各10回 × 4セット)
  • ハーフニーリング・ショルダープレス(左右各10回 × 4セット)
  • ウエイティッド・デッドバグ(45秒 × 4セット)
  • シーテッド・ロシアンツイスト(左右各10回 × 4セット)