Tetsuya Komuro
© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017
ミュージック

【レポート】〈MUTEK.JP CLOSING〉テクノロジーのそばで出会う、未知の音楽

カナダ・モントリオール発の、電子音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK」。RED BULL MUSIC FESTIVALとジョイントして開催された、クロージングバーティー(2017年11月5日@日本科学未来館)の模様をお届けする。
Written by RED BULL MUSIC FESTIVAL
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MUTEK.JP CLOSING

MUTEK.JP CLOSING

© SUGURU SAITO / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

2000年にカナダ・モントリオールではじまり、今では世界6ヶ国で開催されている電子音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK」。そのクロージングバーティーが11月5日、RED BULL MUSIC FESTIVALとジョイントする形で開催された。
会場となったのは、日本科学未来館。これ以上ない格好のロケーションに、すでに心踊らされていると、地球を模した象徴的なモニュメント「ジオ・コスモス」の真下で、kazuya Nagaya & Metametricによるパフォーマンスがスタートする。
kazuya Nagaya & Metametric

kazuya Nagaya & Metametric

© SUGURU SAITO / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

まず驚かされたのが、同心円上に並べられた大小さまざまな約500個もの“おりん”(仏具のひとつで、お椀型の鐘のような楽器)! その様子は、タイトル通り「Constellations(=星座)」のようでもあり、石庭の砂紋のようにも見える。

オリジナル缶

レッドブル エナジードリンク

Red Bull Energy Drink
おりんの尾をひく音に、無機質な電子音が重なり、響きあってゆく心地よい時間を過ごすと、続くステージはメインホールへ。
Young Juvenile Youth

Young Juvenile Youth

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

ゆう姫の艶やかなボーカルとJEMAPURのビート、そして、それにリンクして変容するPush 1 stopのストイックなVJで、一気にオーディエンスを引き込んだYoung Juvenile Youth。
Bella Gaia

Bella Gaia

© SUGURU SAITO / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

DE DE MOUSE

DE DE MOUSE

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

NASAの協力による映像に、生演奏のバイオリンの調べを乗せて、地球の美しさを描き出すKenji Williamsの「Bella Gaia」。ときに攻撃的に荒ぶりながらも、確実にフロアを盛り上げにかかってくるDE DE MOUSEと、あちらこちらにジェットコースターのように揺さぶられる。その緩急が刺激的だ。
DE DE MOUSE

DE DE MOUSE

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

視線をステージからホール中央に移すと、天井から吊り下げられた49個のキネティックライトが出現する。冨田勲が再構築したドビュッシー「Clair de Lune(月の光)」の音程やボリュームと完全に同期して、点滅し、上下するインスタレーションで一気に幻想的なムードに酔いしれる。
CLAIR DE LUNE for ISAO TOMITA

CLAIR DE LUNE for ISAO TOMITA

© SUGURU SAITO / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

Tetsuya Komuro & Akira Wakita

Tetsuya Komuro & Akira Wakita

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

続いて登場したのは、小室哲哉と脇田玲。今回披露された「Scalar Fields」は、脇田が靴のソールまわりの圧力伝播を、独自に開発した物理シミュレーションで8Kに落とし込み可視化した映像に、小室がリアルタイムで音楽を加えていくというもの。
映像とともに音もどんどん深度を増してゆき、そのあまりの壮大な世界観に、まるで一本の長編映画を見たような気分になったほど。
Tetsuya Komuro

Tetsuya Komuro

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

Akira Wakita

Akira Wakita

© YUSUKE KASHIWAZAKI / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

そもそも、この両名のコラボレーションのきっかけも、富田勲との結びつきからはじまったとのことで、ここでもまた日本の電子音楽における巨大な父としての富田勲の存在を感じる。
ラストに登場したHIFANAは、開始早々に「また来年会いましょう!」とカマしつつ、盤石の安定感で緩急自在にオーディエンスを踊らせ、フロアはお祭り状態に! KEIZOmachine! の呼びかけでステージに上がった観客とともに、サンプラーと連動したプレステのコントローラーで“プレイ”する場面などもあり、フェスティバルの最後にふさわしいハッピーなムードで締めくくられた。
HIFANA

HIFANA

© SUGURU SAITO / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017

カナダ発でありながら、日本独自の電子音楽の文脈も加わったことで、ローカライズされながらも発展していくことを予感した今回のMUTEK.JP。テクノロジーと音楽の蜜月が、今後も未知のサウンドをもたらすだろうという期待が、さらに膨らんだ夜となった。
HIFANA

HIFANA

© SUGURU SAITO / RED BULL MUSIC FESTIVAL 2017