Gee Atherton riding the new Atherton Bikes race machine© Moonhead Media
MTB
UCIワールドカップMTBダウンヒル 2019:最新ファクトリーバイク総覧
世界最大のMTBレースシリーズで100分の1秒を削るために生まれた最新ファクトリーバイクを一挙に紹介しよう!
Written by Ric McLaughlin
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Mercedes-Benz UCI Mountain Bike World Cup

Slovenia

Aaron Gwin

United StatesUnited States

Rachel Atherton

United KingdomUnited Kingdom

Gee Atherton

United KingdomUnited Kingdom

Myriam Nicole

FranceFrance

Brook Macdonald

New ZealandNew Zealand
2019シーズンのMercedes-Benz UCIワールドカップMTBダウンヒルの開幕が近づき、新シーズンを戦う各ファクトリーレースバイクが出揃いつつある。
昨今のUCIワールドカップは、トップ20に食い込むだけでも相当なマンパワーとスキルが求められるベリーホットな環境だが、このシリーズを戦うレースバイクはベリークールだ。
現代のダウンヒル・レースバイクに求められる条件は、高機能フレームだけではない。パーフェクトランを追求にはミスが許されないため、ありとあらゆるコンポーネントに最高が求められるようになっている。
スロベニア・マリボルで開催される2019シーズン開幕戦を前に、各ファクトリーの最新レースバイクを一挙紹介する。

Intense Factory Racing M29

Intense M29はここ数年の激しい開発競争の中から生まれたバイクだ。
アロイフレームとして開発(Intenseにはクロモリバージョンも開発してもらいたい!)されたこのバイクは、2019シーズンはアーロン・グウィンのメインウェポンとして注目されることになる。
新たにIntense Factory Racingと契約した5度のワールドカップ王者が今年使用するバイクは、パーツ的には彼が昨シーズンまで使用していたYT Tuesに酷似している。
サスペンションはFox Racing Shox、ホイール&クランクはe*thirteenが供給するが、ドライブトレインは業界標準のSRAMやShimanoではなく、TRPが供給することがアナウンスされている。
最終的なチームカラーリングは、チームローンチ(ネコ・マルアリージャック・モイアがグウィンのチームメイトになる)で発表されたバイクとは異なるものになり、2019シーズンのIntense M29はPorscheのワークスマシンにインスパイアされたフラットグレーがボトムにペイントされる。
グウィンがこのバイクのデビュー戦を4秒差で制したという事実は、インターナショナルMTBシーン全体がチェックしているはずだ。

Atherton Bikes Prototype 1

Atherton Bikes Prototype 1はバイクテクノロジーの限界をさらに引き上げるのか?
Atherton Bikes Prototype 1はバイクテクノロジーの限界をさらに引き上げるのか?
Atherton Bikes Prototype 1のシンプルなシルエットは、あのHonda RN-01以来となる大きな話題性をこのDHレースバイクにもたらすことになるだろう。
RN-01と同様、Prototype 1にも革新的なテクノロジーが多数詰め込まれているはずだが、RN-01との違いは、Prototype 1がカーボンファイバーで作られている点にある。
アサートン3兄妹がTrekと袂を分かつことはかねてから噂されていたが、彼らが自分たちのバイクブランドを立ち上げることを予想していた人はほとんどいなかった。
付加製造(Additive Manufacturing / アディティブ・マニュファクチュアリング)は、カーボンファイバーチューブを接続するラグ(フレーム継手)を3Dプリンティングで製作することを可能にしている。
公開されている画像や詳細情報はまだわずかだが、突き詰めれば、バイクを評価する唯一のバロメーターはレースパフォーマンスだ。
かつて、HondaはRN-01投入2年目で総合優勝のタイトルを勝ち取ったが、Prototype 1はこの成功を上回ることができるだろうか?

Trek Factory DH Session 29

DHレースバイクの “グランド・デイム(貴婦人)” と呼べるパッケージを持つ1台が、Trek Sessionだ。
このバイクは、アーロン・グウィン、トレーシー・モーズリー、レイチェル・アサートンをはじめとするトップライダーたちによって数多くの勝利を手にしてきた。
2019シーズンのTrek Factory Racingは若手ライダーたちに命運を託しており、彼らのために、ワールドカップのピットに最高のオールラウンド・レースバイクを並べる予定だ。
29インチホイールを備えたSessionは、ジー・アサートンをはじめとする経験豊富なライダーたちとの二人三脚で大きな進歩を遂げており、ウィスコンシン州ウォータールーに本拠を構えるTrekは、これまでのFox Racing Shox / Shimanoのコンポーネントから、SRAM製パッケージへと完全移行する。
また、タイヤやホイールなどの回転系パーツは、Trekの自社ブランドBontragerが供給する。

Commencal / Vallnord Supreme DH4.3

Supreme DH4.3は、2018年に誰もが欲しがったバイクの2019年バージョンだ。
そして、「機能しているなら変えるな」の諺通り、昨シーズンにアモリー・ピエロン(エリート男子)とティボー・ダプレラ(ジュニア男子)に総合優勝をもたらしたSupreme DH4.3へ加えられた変更はごくわずかで、F1界の伝説的デザイナー、コーリン・チャップマンに倣って軽量化が図られた程度だ。
「ライダー陣に最高の競争力を持つバイクを提供するため、彼らが2019年に求めている性能について彼らから直接話を聞いた。彼らがカーボンファイバー製ホイールにスイッチしたがっているのは明らかだった」と語るマックス・コメンサルは、ライダーを満足させ続けることの重要性を知っているため、カーボンファイバー専門企業ENVE Compositesの協力を仰いだ。
この結果、ホイールやコックピット周辺もカーボンパーツになるはずだが、2018シーズンのSupreme DH4.3をベストパッケージにした要因を忘れるべきではない。
このバイクの強さは、29インチホイールが生み出す恐ろしいほどの直線スピードと、素晴らしい感度とグリップをもたらすハイピボットサスペンション・プラットフォームが生み出す相乗効果にある。

MS Racing Mondraker Summum

2018シーズン最大のサクセスストーリーのひとつが、MS Racing Mondrakerのものだった。
ブルック・マクドナルドローリー・グリーンランドの2枚看板を擁した彼らは、ダニー・ハートが所属していた2017シーズンとは大きく異なるチームカラーを放っていた。
Summumは大きな成功を収めているレースシャシーで、細部の改良の積み重ねによってひとつの大きな血統を作り上げている。
しかし、DHバイクは、ホイールが転がる分しかスピードが出ない。そこで彼らは “フレンチ・コンボ” ことMavicMichelinを足回りに採用した。
常に限界領域でのライディングを見せるローリー・グリーンランド
常に限界領域でのライディングを見せるローリー・グリーンランド
Mavicのアイコニックなイエローを纏ったホイールセット(カラーコーディネートはこの限りではない)はアロイ製ホイールマーケットの最高峰として広く知られているが、Michelinは久々のダウンヒルレース復帰となる。
1990年代に「le system」を開発した経験を持つこの世界的なタイヤブランドは、再び表彰台でシャンパンを味わいたいと願っている。

Madison Saracen Myst Team

昨シーズン静かに総合2位を手にしたダニー・ハートが駆っていたSaracenは、シーズンを通じて単に信頼できるレースバイク以上の存在であることを証明した。
また、速さと高い才能を秘めた若きチームメイト、マット・ウォーカー29インチを採用していたのに対し、ハートは27.5インチに拘り続けていた。
2019シーズンに向けてプレスに公開されたバイクは29インチバージョンだったが、そのルックスは素晴らしかった。
Madisonは英国内でShimanoのディストリビューターを担当しているため、バイク全体がShimano製コンポーネントでまとめられ、Fox Racing Shoxのサスペンションが組み合わせられているのは驚きではない。

その他のファクトリーバイクの動向

本記事が執筆された時点ではSanta Cruz Syndicateはまだその手の内を明かしてはいないが、3月第1週に公開されたテスト映像からは、ライダー3人(グレッグ・ミナー、ルカ・ショー、ロリス・ヴェルジエ)が依然として昨年のUCI MTB世界選手権で使用したバイクをライディングしていることが確認できる。
Santa Cruz V10 29は長期に渡って開発プロセスで成功を収めてきているため、大幅なリノベーションは実施されないはずだ。
ロイック・ブルーニフィン・アイレスの2人は今シーズンもSpecializedのブランドを背負って戦うが、ビッグホイールを使用する可能性についてある程度の苦悩を抱えることになるだろう。
最後になるが、Canyon Factory DHの動向もまだ明らかになっていない。
トロイ・ブロズナンとマーク・ウォレスはすでにこのドイツの直販ブランドが手がけるSenderプラットフォームのベストセットアップを見出しているため、こちらも大きな変化は見られないだろう。
Mercedes-Benz UCIワールドカップMTBダウンヒル 2019シーズンは、4月27日・28日にスロベニア・マリボルで開幕予定。
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