A photo of Samuel ‘Dabuz’ Buzby competing on-stage.

Dabuzが語る『スマブラ for Wii U』の今

© Robert Paul/@tempusrob/rmpaul.com

『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo Switch(仮)』のリリースが近づく中、トーナメントシーンはこの最新作へとシフトしている。『スマブラ for Wii U』のトッププレイヤーはこの流れをどう捉えているのだろうか?

成功を収めるためには犠牲が必要だ。
どのゲームでも、トッププレイヤーは時間・お金・友情を犠牲にして世界最強の座を目指しており、『スマブラ for Will U』のトップ10プレイヤーの多くも、学業を犠牲にしてプレイ時間を増やしている。
Samuel “Dabuz” Buzbyもそのひとりだが、彼は学業以外も犠牲にしてきた。
「プレイを始めた頃は、トーナメントに出場するための資金を貯める必要があった。だから学校の昼食代を貯金したんだ。そのおかげで、Wi-Fiでプレイしていただけの僕は少し外に出てプレイできるようになったのさ」
Dabuzは『スマブラ for Wii U』のトーナメントシーンの基準点と言えるプレイヤーで、このゲームがリリースされて以来、トップ10に残り続けている。
Civil Warをはじめとする米国内のトーナメントで優勝を重ねてきた彼は、2GGC: ARMS SAGAGonzalo “ZeRo” Barriosに勝利する(下の映像)など、上位プレイヤーにも引けを取らないプレイを続けてきた。
ニューヨーク州ロングアイランド出身のDabuzはニューヨークのローカルシーンから少し距離が離れていたため、『スマブラDX』と『スマブラX』の頃はローカルトーナメントに参加するのが難しかったが、WiiWii Uのオンライン機能のおかげで、ある程度対戦を経験できていた。
「Wi-Fi機能が備わっていたから『X』で練習を重ねていたよ。トーナメントに参加することを決めたのは『スマブラ for Wii U』がリリースされたタイミングだ。大きな一歩だったね」
Dabuzはまだ24歳だ。よって、『スマブラ』シリーズのトーナメントシーンで台頭し始めた頃は、両親を上手くかわしてトーナメントに参加する方法を考える必要があった。
「両親からはいつも心配されていたけれど、彼らのためにプレイを辞めるわけにはいかなかった。近所に行くとウソをついてトーナメントに出たこともあったよ。彼らは僕がロングアイランドの外に出ることを良く思っていなかったんだ」
しかし、2009年にMajor League Gamingが主催したGameBattlesで3,000ドル(約33万円)を獲得すると、両親は彼が『スマブラ』で成し遂げられることについてきちんと目を向けるようになった。
「両親は、賞金を獲得した僕を見て、僕がただテレビの前に座っているだけじゃないってことに気が付いたんだ。また、あの賞金は新しい可能性ももたらしてくれた。他のトーナメントに参加できるようになったんだ」
A screenshot of Rosalina from Super Smash Bros. for Wii U.
ロゼッタ使いとして有名なDabuz

現在のシーン

現在のDabuzはシーンで認められているトッププレイヤーのひとりなので、もう両親にウソをついてトーナメントに参加する方法を考える必要はない。
彼が考えなければならないのは、E3 2018で最新情報が発表される予定のシリーズ最新作に向けて変化しつつあるシーンにどう残り続けるかだ。
任天堂が先日のNintendo Directの中で最新作を発表する前は、コミュニティメンバーの多くが『スマブラ』シリーズの未来を諦めていた。
また、最新作の存在が明らかになったあとでさえも、「実際にリリースされるまでは何をやっても無駄だ」と投げやりムードになっているコミュニティメンバーがいる。
Dabuzは次のようにコメントする。
「さぼるわけにはいかない。プレイヤー数は揃っているし、ストリーマーもいるし、シーンも構造化されている。最新作がリリースされれば、全てがそっちに移行して、『スマブラ for Wii U』は隅に追いやられるだろう」
「でも、だからといって今すぐ自分たちの活動を辞めるわけにはいかない。シーンの勢いを失うわけにはいかないからさ」
長い間、『スマブラ』シリーズのトーナメントシーンは、それぞれ別のオーガナイザーによって運営されているいくつかのイベントがまとまりなく点在していると言われてきた
しかし、Dabuzの意見は違う。彼はシーンは構造化されていると感じており、新規プレイヤーを迎え入れる準備は整っているとしている。
「現在のトーナメントシーンはインフラが整備されているから素晴らしいよ。トーナメントが定期的に開催されるようになるまでしばらく時間がかかったし、運営がグダグダのトーナメントもたまにあるけれど、最新作を迎え入れる準備が整っている素晴らしいトーナメントがある」
An image of the various characters in Super Smash Bros. for Wii .
『X』時代にキャプテン・オリマーをメインにしていたDabuzは『for Wii U』でもサブとして使っている

最強を巡る戦い

コミュニティで起きているもうひとつの大きな流れが、Gonzalo “ZeRo” Barriosの引退によって引き起こされた、新王を巡る戦いだ。しかし、この戦いは最新作が実際にリリースされるまでは一時休戦になりそうだ。
「今は誰が最強なのかというテーマにみんな無関心なんだ。なぜなら、誰もZeRoから王座を奪うことはできないからさ。だからモチベーションはそんなに高くないんだ」
「次の王者が誰になるのかという点についてはどうなるか分からないけれど、いずれにせよこのテーマはしばらく放置されるだろうな。最新作の発表は嬉しかったけれど、ある意味この発表がこのテーマに終止符を打った感もある」
「コミュニティはトーナメントに向けてそこまで盛り上がっていないんだ。誰もがSwitchの最新作をプレイするのは間違いないけどね」
さらに、Dabuz、Leonardo “MkLeo” PerezNairoby “Nairo” Quezadaのようなトッププレイヤーたちが抱えている過密スケジュールという問題もある。トーナメントが次から次へと開催されており、彼らが休む暇はない。
燃え尽き症候群が現実問題になっていて、僕を含む多くのプレイヤーに影響を与えている。2017年はトーナメントが大量に開催された。だから、今はちょっとしたオフを取っているのさ」
しかし、Dabuzはそのオフはあらゆるレベルのプレイヤーにとってプラスだったと強調しており、ローカルシーンに力を注ぐプレイヤーが増え、トッププレイヤーが休める時間が多少増えたと説明している。

一匹狼の旅

他のトッププレイヤーとは異なりDabuzはチームに所属していないため、参加するトーナメントを自分で慎重に選ぶ必要がある。
「ビッグトーナメントだから、または人気があるからという理由だけでトーナメントに参加するわけにはいかないんだ」
「また、優勝賞金が700ドル(約77,000円)のトーナメントなら、参加する価値はない。参加費用だけで赤字になってしまうからね。近所でローカルトーナメントが開催されているなら、そっちに参加した方が良い」
Dabuzはトッププレイヤーのひとりだが、それでも自分で全てを準備しなければならない。彼にはトーナメントの参加費用を負担してくれたり、年間スケジュールを組んでくれたりするチームやスポンサーはいない。
「今はとにかく予算を確保できるかが問題だ。トーナメントにいつでも参加できる状態ではあるけれど、財布のひもは締めていかないと。トーナメントオーガナイザーが援助してくれることもあるけれどね」
現在、Dabuzが数ヶ月前から取り組んでいる『スマブラ』シリーズをフルタイムでプレイするというアイディアは実現するのが難しい状況だ。ゆえに、彼はシーンの外側に目を向けながら、将来について考えるようになっている。
学業を再開させることも考えているんだ。ここ5ヶ月ほどフルタイムでプレイして、ストリーミングやコンテンツ制作も上手く行っているけれど、自分の将来について少し考えたい」
しかし、Dabuzは、その将来の中には『スマブラ』シリーズが必ず含まれるとしている。
プレイは続けるつもりだよ。Nintendo Switchでリリースされる最新作を楽しみにしているし、他のプレイヤーに "あの人から学びたい" と思われる存在であり続けたい。自分の名前をシーンに残し続けたいね」
「簡単に辞められないほど長い間『スマブラ』シリーズに取り組んできたし、これから先もプレイは続けるつもりさ」
Twitterアカウント@RedBullGamingJPFacebookページをフォローして、ビデオゲームやesportsの最新情報をゲットしよう!