F1
輝かしい新時代に突入! オラクル・レッドブル・レーシングが2024シーズン用マシンRB20を初公開した。2023シーズンを完全制圧したRB19の "アグレッシブな進化版" をチェック!
オラクル・レッドブル・レーシングは新型マシンRB20を英国・ミルトンキーンズにあるチームファクトリーからライブ配信で公開した。マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスの両ドライバーとチームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーが同席し、成功に彩られたこのチームの創立20年目を祝った。
RB20はF1 2024シーズンでのワールドチャンピオン防衛を担うマシンとなる。3度のワールドチャンピオンを獲得したフェルスタッペンは、昨シーズンにあらゆる記録を塗り替えたRB19と同じく、RB20でも自分の独走シーンが見慣れたものになることを願っているはずだ。
2023シーズンに22戦21勝という歴代最強マシンを送り出したばかりのオラクル・レッドブル・レーシングは、フェルスタッペンとペレスがさらなるトロフィーをチーム本拠地に持ち帰ることに自信を持っている。
チームのF1参戦20周年を祝うべく、発表会にはレッドブル・レーシング初参戦時にドライバーを務めたデビッド・クルサードも登場。クルサードは2005シーズンのチーム初レースでのポイント獲得とチーム初表彰台となった2006シーズン モナコGP3位の思い出を振り返った。
さらに、今回の発表には、F1史上最も成功したデザイナーとして知られるチーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイとテクニカルディレクターのピエール・ワシェも登場した。
オラクル・レッドブル・レーシング:強さの要因
2022シーズンのF1レギュレーション変更以来、オラクル・レッドブル・レーシングはライバルたちを圧倒してきた。RB18は優勝17回・表彰台28回をマークし、RB19は計30回もの表彰台を獲得した。
その成功要因のひとつは、2022シーズンのグラウンドエフェクトカー復活がオラクル・レッドブル・レーシングのデザインチームが得意としている優れた空力パッケージを備えたマシンと相性が良かったことにある。
しかし、これはあくまでも全体像の一部に過ぎない。オラクル・レッドブル・レーシングは使用するエンジンの製造も管理しながら、パワーとパフォーマンス、信頼性を向上させてきた。マックス・フェルスタッペンがRB16Bをドライブして自身初のワールドタイトルを獲得したときから、このチームはすでに勝利のチームだった。RB20はこの成功を足がかりとしていくはずだ。
マシンカラーリング
RB20は公式発表に先駆けて英国・シルバーストンでシェイクダウンテストを行う様子が確認されていたが、昨年のRB19とほぼ同様のリバリーを纏っていた。外観に関しては、RB20は2015シーズン以来見慣れてきたレッドブル・レーシングのブルー / レッド / イエローに彩られており、チームはクラシックを維持しながら、コース上でのさらなる成功に向けて邁進している。
RB19からのマシンデザイン変更点
発表会では “アグレッシブ(攻撃的)” という単語が飛び交っていた。なぜなら、RB20にはより鋭くなったノーズと全体的によりスリムな外形が備わっているからだ。
RB20は、ニューウェイやワシェをはじめとするチームがRB19をかなり過激に進化させたバージョンだ。ヘイローから後方に伸びるふたつの長いガレーと一新されたサイドポッドはマシン周囲の気流を導くように作られている。
マックス・フェルスタッペンはRB20の第一印象について次のようにコメントした。
「少し変わったね。間違いなくチームは昨年から大幅に進化させた。これはとてもポジティブなことだと思う。バーレーンでテストを開始して、このマシンの実力を確かめるのが楽しみだ」
また、チームプリンシパルを務めるクリスチャン・ホーナーは次のように語った。
「RB20は特定の部分がかなりアグレッシブになっており、これまでと同じく限界をプッシュしていることが分かる。ライバルたちも懸命にプッシュしており、コンセプト面で私たちの昨年のマシンに似たマシンがいくつか発表されている」
「あらゆるスタッフが舞台裏で相当なハードワークを注いできたことが伝わるはずだ。RB20のディテールの一部は極めて精巧だ」
さらに、セルジオ・ペレスも次のようにコメントした。
「RB20はこのチームにある勝利への渇望を示している。昨年あれほど圧倒的なマシンを有していたチームが、ここまで大きくコンセプトを変えてくることは予想できなかったはずだ。オラクル・レッドブル・レーシングの勇敢さを示している」
オラクル・レッドブル・レーシングがさらに攻めた新型マシンを送り出す可能性は、エイドリアン・ニューウェイがゲスト出演したチーム公式ポッドキャスト『Talking Bull』の中でも示唆されていたようだ:
「昨年のマシンは主要部分において2022年型の進化形だった。当然ながら、空力、マシン向上のためのサスペンション改良への理解、2022シーズンの重量制限に合わせた軽量化は通常通りの冬季開発プロセスだった」
「今年のマシン(RB20)は、RB18から数えて3代目の進化版だ。ライバルたちが異なるアプローチを見せる中、3代目の進化版は保守的なものになるのか? それはまだ言えない」
パワーユニット
F1のエンジン開発は2025年まで凍結されているため、RB20にはレッドブル・パワートレインズとホンダが製造したRBPTH001が搭載され、姉妹チームのVisa Cash App RBも同じパワーユニットを使用する。
これと並行して、レッドブル・パワートレインズはフォードとの長期プロジェクトにも取り組んでおり、2026シーズンで使用する新世代ハイブリッドエンジンの開発を進めている。しかし、チームはさらにその先へ目を向けている。
警戒すべきライバルたち
2023シーズンのマクラーレンは開幕当初こそ低迷したが、トップグループの一員としてシーズンを終えた。引き続きランド・ノリスとオスカー・ピアストリが残留するマクラーレンはレッドブル・レーシングに最も詰め寄ったチームとして評価されているが、今シーズンは開幕戦から速さを見せる必要がある。
フェラーリを優勝候補から除外することは絶対に不可能だ。過去2シーズンのフェラーリは開幕当初に好調を示したが、その後は勢いを失ってきた。とはいえ、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツという強力なドライバーペアを擁している(さらには2025シーズンからあの7冠王者ルイス・ハミルトンのマラネロ入りが控えている)。
そして、レッドブル・レーシングにとって宿命のライバルと言えるのがメルセデスだ。彼らは一新されたマシンコンセプトでシーズン開幕を迎える予定で、優勝戦線への復帰に執念を燃やしている。
マックス・フェルスタッペン&セルジオ・ペレスの2024シーズン仕様ヘルメット
フェルスタッペンとペレスは2024シーズン仕様ヘルメットをそれぞれ発表した。F1では、ドライバーのヘルメットは各自の個性を発揮できるチャンスであり、様々な個性が反映されたデザインが確認できる。
フェルスタッペンとペレスは2月21日からバーレーンで行われるプレシーズンテストでRB20に乗り込み、3月2日のバーレーンGPで2024シーズン開幕を迎える。
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