Paddy Graham at the Fairy Meadows Hut in British Colombia
© Pally Learmond / Red Bull Content Pool
スキー

プロフリースタイルスキーヤーが明かす食事管理と栄養補給

英国を代表するフリースキーヤーのパディ・グラハムが雪山での撮影やライディングに向けた食事の摂り方や栄養補給の方法について語ってくれた。
Written by Stuart Kenny
読み終わるまで:6分公開日:
英国・シェフィールズ出身のパディ・グラハムが仲間と共同で設立したスキーコレクティブ “Legs of Steel” は、厳しい食事制限よりも反逆やクリエイティビティ、身がすくむようなビッグジャンプをその活動目的としていた。
彼らがブレイクスルーを果たすきっかけとなった2011年の動画『Nothing Else Matters』のタイトルはメタリカの同名曲にちなんでつけられたもので、オーストラリア・カウナータールの3つのジャンプをスキーヤーのグループが次々と越えていくシーンがハイライトとして用意されている。
しかし、この3つのジャンプは特殊な角度で設置されており、スキーヤー3人がそれぞれから同時に飛び出せば空中で交差するようになっていた。この結果、このセグメントはスキーフィルム史上屈指の魅力的なものになると同時に、のちにLegs of Steelのトレードマークになるヘヴィメタルとビッグジャンプのコンビネーションの礎となった。
その後、2017年を迎える前、グラハムは『Same Difference』の撮影に臨むと、この作品のために10万㎥の雪を用意して4週間をかけて造成した世界最大のフリースタイルスキー用ジャンプでのアクションを繰り返した。
では、このような活動と生活に栄養管理が入り込む余裕はあるのだろうか? ひとつヒントを与えると、Legs of Steelは賞レースに必ず絡むハイクオリティな長編フィルムの撮影の合間に、自分たちを題材にした爆笑必至のモキュメンタリー作品『SkiGoodMOneyWillCome』(2014年)を手がけたのだが、この作品ではグラハムが靴に注いだウイスキーを飲んでいるようなシーンが確認できる。
しかし、当時からはすでに長い時間が経っている(ちなみにそのウイスキーらしき飲み物はレッドブル・エナジードリンクだったことが明らかになっている)。また、バックカントリーのパウダーランは厳しい食事制限や栄養管理とは無縁の世界とはいえ、グラハムは大規模なスキープロジェクトが控えているときの正しい食事の重要性を理解しているようだ。
そこで今回は、グラハムに食事や栄養補給の方法について語ってもらうことにした。
レッドブル・エナジードリンク缶を楽しむパディ・グラハム
レッドブル・エナジードリンク缶を楽しむパディ・グラハム

− 大がかりな撮影日は朝食に何を摂っていますか?

早起きしてしっかりと朝食を摂るようにしています。普段はシリアルかミューズリーを食べますが、撮影が長引くことが分かっているときはスクランブルエッグを追加しています。

− 雪山に持ち込むランチの中身を教えてください。

雪山では栄養を十分に補給することが重要ですので、ランチは欠かせません。ビッグジャンプのためにロングハイクをする日では、空腹で動けなくなるような事態は避けなければなりません。
ランチにはシリアルバーかクリフバー数本とサンドウィッチを用意しています。あとはウォーターボトルとレッドブル・エナジードリンク缶、チョコレートですね。セッション前にレッドブル・エナジードリンク缶を飲むのが験担ぎになっています。成分の効果なのか、香りや味に刺激されるのかは分かりませんが、準備ができた気分になるんです。モチベーションが高まりますね。
モチベーションを高めるのには音楽も役立ちますし、お互いに声を掛け合うときもあります。それから脚の筋肉をウォームアップして、ランを数本こなしてからジャンプに挑みます。
セッション前にレッドブル・エナジードリンク缶を飲むのが験担ぎになっています
パディ・グラハム
撮影期間はかなりクレイジーですよ。スキーを繰り返すかジャンプの造設をしているだけで、気がつけば17時になっているからです。そして「ランチを食べ損ねた!」となれば、宿まで戻って夕飯をたっぷり摂ります。
冬にスキーをとことん楽しむために、夏はハードワークを重ねています。夏の間にエナジーを蓄えておくんです。スキーツーリングやロングハイクを専門にしている人は夏の準備が特に重要ですね。冬は、軽食を摂り、自分をフレッシュに保ちながら宿まで戻れるエナジーを確保しておくことが重要です。
麻婆豆腐が最近のお気に入り
麻婆豆腐が最近のお気に入り

− 年を重ねるごとに食事や栄養に気を付けるようになりましたか?

そうですね。徐々に気を付けるようになっていきました。無意識のうちにこのような部分に注意するようになっていましたね。僕はヘルシーでオーガニックな食事を摂ることを意識していて、ポテトチップスのようなジャンクフードはなるべく避けています。
ですが、カロリーを細かく計算したことはありません。パフォーマンス向上のために厳しい食事制限や栄養管理をしたことは一度もないですね。そうした方が良いのかもしれませんが!
アスリートとして食事や栄養には興味があります。アスリートは自分の身体が何にどう反応するかを把握する必要がありますからね。何を食べたらどれほどのエナジーが得られるのかはしっかりと理解しておきたいです。朝食をしっかり摂って1日を乗り切りたい人がいれば、1回の食事量が少ない代わりに、回数を増やしている人もいます。
北海道のパウダーを楽しむパディ・グラハム
北海道のパウダーを楽しむパディ・グラハム

− 夏も冬も厳しい食事制限は課していないということですね?

していません。ですが、体型を維持する必要があります。太りすぎは禁物です。ですので、夏はグラベルバイクでのサイクリングを数多くこなしながら、筋肉量を増やそうとしています。夏はシーズンが終わるまで戦い続けられる身体を作る時期ですね。

− 好きな食べ物を教えてください。

ヨークシャー出身なので、サンデーローストが好みです。ヨークシャープディングも好きな食べ物のひとつです。

− 最後の質問です。自宅のディナーにゲストを招待するとしたら、何を振る舞いますか?

良い質問ですね。特別なゲストならサンデーローストを振る舞うと思います。あとはバーベキューも好きですね。ベジタリアン用バーベキューをよく開催しています。
ですが、最近気に入っている料理は麻婆豆腐です。ライスを加えた麻婆丼ですね。とても美味しいですよ。アジア料理にハマっているんです。色々と手を加えるところが気に入っています。毎日料理をするタイプではないですが、するときは手をかけるのが好きですし、ゲストが来てくれるなら手厚くもてなしたいですね。
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