『Time Drop』:ニック・ゲッパーが1929年のフリースキードロップを写真で再現!

1929年、オットー・ベラウアーがペツ・ポト・スニェシュコウ(チェコ)に位置するホテル(ルシニ・ボウダ / Luční Bouda)の屋根から木製スキーで飛び降りた。このフリースキー黎明期のユニークな瞬間は、当時としては珍しいことにカメラで記録された。
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2019年、フォトグラファーのイルジー・シメチェクはルシニ・ボウダホテルに数日間滞在した。その滞在中、過去の思い出や記録が飾られているホールを通りがかったシミチェクは、その中の1枚の写真に興味を持った。
その写真は、ホテルの屋上からスキーでドロップしているスキーヤーの姿を捉えていた。ルシニ・ボウダホテルは4階建 — ドロップの高さは18mだった。その写真には「オットー・ベラウアー:1929年」と記されていた。
「あの写真に気が付いたあと、こういう撮影ができたら面白いだろうなと思ったんだ」とシメチェクは振り返っている。
誰かがやったことなら再現は可能だ。シメチェクは当時に戻り、チェコのフリースキーのパイオニアたちへのオマージュフォトを撮影するというアイディア『Time Drop』を思いつくと、モダンなデジタルカメラで約90年前のチャレンジを再現することにした。
フリースタイルの歴史を遡る
シメチェクはこのアイディアを長年自分の中に留めていた。なぜなら、ホテルのオーナーたちがどのような反応示すか分かっていなかったからだ。シメチェクは「随分長い間頭の中に留めていたよ。オーナーたちの反応が少し心配だったからね」と振り返っている。
しかし、シメチェクが心配する必要はなかった。オーナーたちは非常に前向きに『Time Drop』プロジェクトを受け止めてくれたのだ。そもそも、ルシニ・ボウダホテルは長年に渡り冒険家やスキーヤーたちから愛されてきたホテルで、このホテルで有名になったのはブレラウアーだけではなかった。たとえば、アドルフ・ベルガー(1882年~1962年)もこのホテルの滞在中に “スキーキング” というニックネームを得る活躍を見せた。
『Time Drop』関係者
ニック・ゲッパーはオリンピックとX Gamesで数々のメダルを獲得した米国人レジェンドフリースキーヤ
イルジー・シメチェクはプロスポーツフォトグラファー。MCH Photoのメンバーとして活躍しているシメチェクはダカール・ラリー公式動画にも関わっている。