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「ぷよぷよ」 25周年の軌跡とこれからの話 vol.03

誰もが知る「あの名作」の育ての親、細山田氏が語る、「ぷよぷよ」の知られざるストーリー。
Written by Yu Matsui
読み終わるまで:7分公開日:
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「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサー細山田氏(写真右)
「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサー細山田氏(写真右)

『ぷよぷよ通』を遊び続ける人たちへのアプローチ

20年近く愛されている『ぷよぷよ通』をはじめ、プレイヤーが常に競技としてのぷよぷよに取り組んでいる、というのも一つのシーンです。当然、彼らにとって「新作で、かつ競技性の高いぷよぷよ」は常に求められていると思いますが。
細山田 いままでに、アーケードもコンシューマーもいっぱい作ってきている人間として……。『ぷよぷよ通』をはじめとした旧作が動く環境をゲームセンターのみなさまに作ってもらっているシーンも理解している上でお話しします。
正直なところ、ぷよぷよというIPをこれからも長く続けていくにあたって、やはり実際に遊べる環境を作らないといけない。正直なところ、1つのIPで20年以上ずっとやっていて、ゲームセンターで新作がきっちり稼動してるのは弊社も他社さんも含めて、実はそんなに数はないんですよ。
当たり前の話ですが、ユーザーはどうしても新しいものを求めてしまうっていう傾向にあり、当然ユーザー向けに製品を開発しているゲームメーカーとしては、そこに向けて作っていかなければならない。また、開発者も新しいものを作りたいという人は多く、その欲求は強いです。
ですから、まず、遊べる環境を作る。最新のハードとか、今住んでいる地域や状況で遊べるものがないといけなくて、その中で最新作を作り続けないといけない、というのはあるのかなと考えています。
それでも「旧作が良い」っという人は少なからずいて……それも気持ちは分かるんですけど……やっぱりゲームを作ってる会社と開発者もそうですし、コミュニティにいるユーザーも、ある程度「ぷよぷよをみんなで盛り上げようぜ」みたいな感じにならないと、それがどこかでこのエコシステムが破綻してしまうと、もう続かなくなってしまうんです。
まずは遊んでくれる人がいることが大前提なんですが、それを見て「じゃあこうしましょう」ってやってくれる開発者なり会社がちゃんといて、開発者はプレイヤーのことを思いながら情熱を持って作り続けるのが当たり前だと思うのですが、プレイヤーも開発者のことを考えて一緒に盛り上げようと動いてくれる……。この会社も開発者もプレイヤーもみんなで盛り上げようという気持ちが、連動して機能してるのが割と重要なのかなと個人的には思います……。実際にゲームセンターで新作を出しにくい状況が現状あるので、すみませんとしか言えませんし、こういう話はあんまりしたことないのでちょっと恥ずかしいですが。
ただ、ぷよぷよが長く続いている理由のひとつとして、コアなファンの方で「『ぷよぷよ通』しか認めない」っておっしゃっていた方も、ある程度新作やさまざまな展開に理解を示してくれて、それも含め「一緒に盛り上げていこうぜ」という風に徐々に変わってきてはいると思います。
みんなが、ぷよぷよが好きってところから派生してやってくれているのが割といいところなのかなと。やっぱりIPの維持が厳しいタイトルというのは……そもそも新作が面白くないとみんな元に戻ってしまう、もしくは、別のゲームに行ってしまうんです。そうすると、新しいプレイヤーは入ってこないので、年齢層が上がっていくし、離脱する人も増えてきてしまう。
それを避けるために、新しいファンも常に囲い込みながら、みんなで盛り上げる構成っていうのは開発者もプレイヤーもみんなでやり続けることが重要だと考えています。
やっぱり、僕たちの作るゲームにお金を使ってくれる人がいるから、新しいアプローチもできる訳で……ただ、そこは結構なジレンマで、いま、『ぷよぷよ通』をいくら遊んでもらっても、セガに利益が落ちてないってなっちゃうんです。でも、それはそれとして、ぷよぷよシーンの遊び方のひとつですよね。じゃあ、どこで稼ぐかって言ったらゲームセンターに来てくれた人が『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』をちょっと遊んで、『UFOキャッチャー』も遊んで、その商品がセガのプライズだったり、セガのお店だったらまぁ良いかな、みたいな。割と広く捉えてやってるというのがセガの良いところなのかもしれませんね。ちなみに、ゲームセンターにたくさんの人に来てもらおうという企画意図で『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』は作られていたので、ありがたいことだと考えています。
ゲームセンター、スマートフォンを含め、シーンを広くとらえられるのは強みですね。
細山田 Red Bull 5Gがなかったら『ぷよぷよテトリス』も存在しなかったかもしれません。ぷよぷよやテトリスのハイレベルなプレイヤーが集まって、「みんなで2人で4人で対戦すると楽しいじゃないですか」っていうのは、他のゲームのプレイヤーには伝わらなかったと思いますし、広がらなかったかもしれない。
以前、ぷよぷよ20周年の時に、全国のセガのゲームセンターの一部でぷよぷよの大会をやったんですよね。
でも場所によっては、全然人が集まらなかったんです。
「○○のゲーセンに集合」ってやるんですけど、告知不足などもあるのか、なかなか来てくれるわけもないとは考えていました。でも、遠方でも10人くらい来てくれて……ぷよぷよを初めてプレイする女の子もいたり……。来場者にはうちわとかステッカーを配ったりしていたのですが、その女の子はうちわがもう1つ欲しかったみたいで。それを聞いた優勝した子が「じゃあこれあげる」っていって、もらったうちわをその子にあげてたんです。
それを見て、「とても良いコミュニティじゃん!」って思ったんですよ。みんなで楽しもうという感じが出ていて、とてもアットホームな雰囲気でした。でも、なかなか大会をやりたくても簡単に定期的に開催することはできない状況で、そう思っていたら、レッドブルさんにお声がけいただいた、みたいなところが実はあったんです。
だから、あのオファーは渡りに船だったんですよ。
また、親御さんが「ぷよぷよだったらゲームしてても良いよ」っていう感じでとらえてくれているのは大きくて。長くやっているメリットでもあると思うんですけど。「CERO A」(全年齢)タイトルを続けているいい影響なのかな、と思っています。
今までのお話からは「ぷよぷよ」というコンテンツを明確な意志をもって拡張しようとしている、という印象を受けます。
細山田 一応僕の所属は研究開発部改め開発スタジオなんで!最近、改めて大学院に行ってよかったなと思いました。もし行っていなかったら、「はい、次新しいの」って感じになっちゃっていたかもしれない……と思っています。物事を割と広くとらえる癖があるのですが、一方で1つの物事を追究するという研究職体質はあるのかもしれないです。物事をバランスよく見ながら柔軟性をもってやるのが続けるコツとして良いのかなとは思うんですけどね。「国民的パズルゲーム」って言ってるぐらいなんで……
次の節目でいうと30周年になりますね。
細山田 5年後ともなると、僕はこの世にいるかどうかわかりません……。毎年同じことを言って10年たっていますけど……(笑)。このままぷよぷよ30周年(2021年)までやるとぷよぷよの歴史の半分を僕がやることになっちゃう。チームには常に若手に入ってもらって、社内外のいろいろな方にご協力いただきながら、もう10年もやっているんで、もういいんじゃないかなって……思うときもあります。
でも、まだまだいろいろとやりたいことはあって。どうやって「ぷよぷよ」という面白いゲームを国内外で盛り上げていくか、ということも常に考えています。
30周年の頃には、もしかしたら、誰も思ってもいない方向へも進んでいるかもしれません。キャラクターがすごいことになっているかもしれないですし、アクションパズルとは別の方向でいろいろ展開しているかもしれないんですけど……。
それから、個人的には、映画館みたいな超巨大スクリーンでぷよぷよ大会やりたいと思ってます。レッドブルさん、ぜひお願いします!
「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサー細山田氏
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